鳥海高原矢島まるごとブランドづくり協議会 主催

第5回食農起業塾

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2014年10月20
(月) 〈由利本荘市矢島町〉

鳥海高原矢島まるごとブランドづくり協議会では、平成25年度から「食農起業塾」を開講しています。新たなブランド品の製造・開発を考えたり、売れる商品とするために必要なパッケージング、商品デザイン、さらには販売ノウハウ、商品の陳列方法、接客方法等の総合的・実践的な研修を重ねています。

 

平成26年度は、6回開催し、実際に手を動かしたり、参考事例の視察やワークショップで頭を使い、五感をフルに使った研修を重ねました。
5回目は、「素材を生かしたお菓子づくり」。試験栽培に取り組んでいるとうもろこしを加工した「とうもろこしパウダー」と矢島特産の「ジャージー牛乳」を使ってのプリンづくりを学びました。
「たかがプリン、されどプリン」。プリンには、お菓子作りにおける基本的なコツが詰まっていました。
 

 

【平成26年度食農起業塾の内容】
第1回:座学、第2回:矢島の特産物であるジャージー牛を使ったカレー作り、第3回:トマトを使った料理作り、第4回:山形県内の参考事例視察、第5回:素材を生かしたお菓子づくり(とうもろこしパウダー、ジャージー牛乳を使って)、第6回:商品づくりにおける考え方のワークショップ)

なぜプリン?
 

 

 今年度、講師をつとめていただいている
柳澤 泉先生((有)北斗種苗園専務取締役、(企)アップルピュア代表理事、シニア野菜ソムリエ/青森県青森市)
 お菓子は癖があって難しい。そして、今日作るプリンはゼラチンを使わない「蒸しプリン」。茶碗蒸しより繊細です。基本に帰って、「自分でこういうふうにすれば出来る!」というところを体得して欲しい―。

 

 今回、テーマを「プリン」に決めた訳をお話しいただきました。「失敗してもOK!」「進む事が大事だよ」と心強い励ましもいただきました。 

 「素材を生かしたお菓子づくり」の「素材」の一つ、とうもろこしパウダー。とうもろこしは、鳥海高原花立地区で栽培されています。「桃野のとうもろこしは、甘くておいしい」と昔から知る人ぞ知る名品だそう。一本まるごと販売できないとうもろこしを使って、パウダーにしています。桃野のとうもろこしの特徴といえる「甘さ」(なんと、糖度が13度以上!)がネバリを生み、粉にしずらいのですが、パウダー化に成功しました。このパウダーを使ったコーンスープも、市内の施設で提供されたこともあるんだそう。
 今日は、このパウダーを入れて「とうもろこしのプリン」を作ります。
 

 

     
実 習
 
おいしいお菓子作りは、正しい計量から!(地区のお菓子屋さんや乳製品を作っているミルジーの工場長さんも参加してくださり、的確なアドバイスも聞けましたよ。)   もう一つの素材、「ジャージー牛乳」。
 

お菓子作りの基本、「うらごし」です。


とうもろこしパウダーが入っているので、ダマが残らないよう、ゆっくりと加熱します。
 

使用する器によって、火の通り方を体感するため、調理室にある耐熱用の器で試してみます。

 

火の通し方も、蒸し器によるものと、調理室内にあったオーブンを使ったものと2種類試してみます。「とにかく、火加減のコツ。調理器具の癖をつかんでね!」と柳澤先生。

 

プリンと言えば、カラメルソースも欠かせません。グラニュー糖と熱湯で作ります。こちらも、鍋の材質に応じた火加減とタイミングが味を決めます。

  さながら、科学実験のようです。

さあ、出来ましたよ~
 
地元のお菓子屋さん・山口菓子店の山口さんがとうもろこしパウダー使ってロールケーキを試食用に持ってきてくれました。  

「鳥海高原コーンロール」です!こちらは、11月5日に東京・「ちよだ青空市」でも販売するそう。

矢島の名菓「虎の子まんじゅう」と並んで、名物になったらうれしいですね!

 
オーブンに入れたものも出来ました。  

どうでしょうか?いよいよ試食です。


 
試食・意見交換

 
蒸し器で蒸したものとオーブンで作ったもの・2種類を、みなさんで取り分けて試食しました。とうもろこしの甘さも感じることができます。 
 
意見交換する皆さん。食事のセットメニューの中のデザートとして入れるのもいいかも?という意見も。  

柳澤先生が合間に作って下さった豚汁。こちらも、ちょっとしたひと手間(豚肉の処理の仕方など)で、ハッとするおいしさ。そして矢島の直売所「やさい王国」自慢の漬物も、箸が進みます。

 

 
柳澤先生は、「自分の目と感覚で、加減を覚えてほしい」「すべて工夫が必要」と繰り返しお話しされていていました。新しい矢島の魅力づくりに取り組む皆さんの背中を押してくれる、心強さを感じました。