(県央)由利本荘市 須郷地域 / Sugo Area, Yurihonjo City
令和4年9月15日 / September 15th, 2022
稲刈りを直前に控えた9月中旬。須郷集落の自治会長・高橋新一さんが、東由利地域に古くから伝わる魔除けの行事「しめ張り」について教えてくれました。
It was mid-September, just before the rice harvest. Mr. Shinichi Takahashi, the president of the Sugo community group, told us about the "shimehari," a traditional event in the Higashiyuri area to ward off evil spirits.
集落の両端に取り付けられたワラ大蛇のうち、こちらは雌蛇。これまで取り付けていた大木は松食い虫のせいで枯れてしまい、今年は細い木に取り付けました。蛇の長さも半分にしたそう。
コロナ禍で他の集落はやめてしまったというしめ張りですが、「須郷には、しめ張り以外にもいろんな行事があったがほとんど残っていない。このしめ張りだけはやれるところまでやろうという気持ちで続けている」と高橋さん。
こちらは雄蛇。蛇の口の中には魔除けのニンニクや唐辛子を入れてあります。昔から山椒の木でツノを作ってつけるそうで、蛇ではなく龍ではないかと高橋さんは話されていました。
年に一度、お盆の後に全戸が集まってワラを打ち、長さ10メートルほどのワラ大蛇を作って、疫病や災いが入ってこないように集落の入口に立つ大木に取り付けます。
Once a year, after the Bon festival, all the households gather to pound straw to make a 10-meter-long serpent, which is then attached to a large tree at the entrance of the village to prevent disease and misfortune from entering the community.
山間にある高橋さんの田んぼを案内してくれました。
帽子に「秋田由利牛」の文字。須郷集落の農家は畜産も行っている人が多いそう。高橋さんは15頭の牛を育てています。
須郷集落の田んぼはところどころ牧草地になっており、その近くにビニールに包まれて置かれています。この風景も、畜産業が盛んな地域ならでは。
大蛇に守られた須郷集落は、山あいに田んぼを切り開いた美しい風景の中で、7世帯のほとんどが稲作や畜産を続けています。
Protected by the serpent, the Sugo village has a beautiful landscape of rice fields cut into the mountains, where most of the seven households continue to grow rice and raise livestock.
関連ページ:あきた里地里山だより(県央)由利本荘市須郷地域 2017年8月撮影
マップは、しめ張り(雄蛇)の地点を指しています。
周辺情報
須郷地域は、「守りたいあきたの里地里山50」に認定されています。
取材:情報発信推進員 平元美沙緒