仙北市 研修1回目<平成30年7月24日実施>
専門家として、(一社)全国農協観光協会 の清水寿一さんをお招きして、仙北市農山村体験推進協議会が研修1回目を実施しました。同団体は、仙北市内のグリーン・ツーリズム受入団体、観光団体、行政等が構成員となって運営されています。
仙北市の農業体験を中心としたグリーンツーリズムの歴史は長く、昭和40年代から首都圏の教育旅行の受け入れを行ってきました。その実績と自信がある中で、会員全員が意識の引き締めを行う目的で研修を実施することになりました。また、同協議会は平成31年度より教育旅行・団体旅行料金を改定(値上げ)することが決まっており、より安全面の強化を会員に伝えることがもう一つの目的です。
はじめに、協議会事務局の仙北市農山村体験デザイン室より、協議会活動の現状についてお話を伺いました。同協議会は、地域限定の旅行業登録をしたことが、料金見直しの背景のひとつにあります。清水さんから値上げの理由、どこが変更点で何がメリットかを明確にしておくようにアドバイスをいただきました。
2軒の受入農家を視察しました。1軒目は、農家のそば屋も営業する一助(代表:澤山純一さん)です。
2軒目は、農家民宿山ぼうし(代表:草彅良子さん)です。りんどうの生産農家です。
お二人から、受入時の体験メニューやそのとき心がけていること、地域との連携の重要性など感じていることを聞き取りしました。
午後は会員が集まり、研修会を実施しました。前半は、仙北市農山村体験デザイン室より料金改定に関する説明がされました。また、着地型旅行商品やインバウンドが増加していると共に、受入時に問題点も見受けられるようになったこと、多様なお客さんが増えているからこそ、安心安全な受入を心がけて欲しいことが伝えられました。
後半、清水さんより「第1回リスクマネジメント研修会」として、デザイン室に続く形で事例紹介をしながら安全面の重要性についてお話いただきました。全国各地の事例を知っている清水さんのお話には説得力があります。参加した会員の皆さんに対し、「グリーン・ツーリズムの豊富な受入経験がある反面、気をつけるべきことが盲点になっていないか」、「たった一度の事故が自分自身の問題ではなく、地域全体に影響を及ぼすこと」などが伝えられ、会員の皆さんがグリーン・ツーリズム活動に対して今一度気を引き締めるきっかけとなりました。
仙北市 研修2回目<平成30年11月28日実施>
研修1回目で課題に挙げられた「安全面の強化」をすべく、事務局が受入農家の皆さんに配布している「安全管理マニュアル」の見直しをしました。清水さんより、既存本は「安全管理マニュアル」でありながら「緊急事故マニュアル」に内容が寄っているので、見直すポイントをアドバイスいただきました。同時に、食物アレルギーへの対応策の追加など項目と内容について丁寧に見直ししました。安全管理マニュアルは、改訂版を作成して今年度内に配布予定とのことです。
その後、会員の皆さんにお集まりいただき、清水さんによる第2回リスクマネジメント研修会を実施しました。
その後、「おもてなしの向上ポイント」を講義してもらいました。他地域の事例を知り、「仙北市の売りは何か」をワークショップを通して全員で考えました。
2班に分かれてグループワークです。農家の強みである「米」や「野菜」が多くキーワードとなり、収穫体験やたっぷり食べられる食事が両グループから挙げられました。
仙北市では各家で複数枚の着物を所有していることから、「農家民宿で着付け体験ができる点がおもしろい」と清水さんから講評をいただき、今後のヒントになりました。
会の終わりに、事務局から安全管理の強化について再度お話がありました。2回の研修を通して、受入の大前提である「安全面」について、そして地域の魅力や売りを一緒に考えたことは、受入農家個人が受入しているのではなく、地域全体で受入していることを自覚し、それぞれが責任をもっておもてなしするという意思統一することに繋がりました。