グリーン・ツーリズムを通じて秋田のことを知ろう!~藤里町のグリーン・ツーリズム~
令和元年11月2日(土) 藤里町粕毛交流センター
秋田県では、秋田のグリーン・ツーリズム(以下、GT)の推進を図るため、外国人旅行者をサポートしたり、農村の魅力をPRする「秋田グリーン・ツーリズムサポーター」を募集しました。11月、体験を通じて、秋田のことを知ってもらい、そしてSNS等を通じてその魅力をPRしてもらおうと、秋田GTまるごと体験研修2019・1回目をNPO法人ふじさと元気塾にご協力いただき、藤里町粕毛地区で実施しました。今年は本県GTに興味のある県内の大学生や留学生、ALT、一般の方まで広く研修に参加されています。なお、3回の体験研修のうち2回以上参加した研修生は、「秋田GTサポーター」として認定されます。
この日、お世話になったNPO法人ふじさと元気塾の皆さん。
早速、2グループに分かれて農家体験スタート!
農家体験 まき割り
こちらは同地区にある「藤里町お試し移住体験住宅」です。ここでまき割り体験に挑戦しました。特に、まきストーブを使用する家庭であれば、まき割りは冬支度に必須の作業です。指導してくれたのは、地域住民の石田さんと藤里町農林課の職員の皆さんです。
移住体験住宅の中も見せていただきました。まきストーブを囲むことができる木造の素敵な家です。裏手にまわると小さな畑と東屋もあり、のんびりした時間と風景を楽しめます。
農家体験 畑仕事
里山風景の中を15分程歩き、畑を目指しました。途中、木いちご(ブラックベリー)畑の前を通過、その向こう側には白神山地の稜線が見えます。白神山地の南麓に位置する藤里町。地域を南白神と呼び、PRしているというお話もありました。2グループはそれぞれルートを変えて畑を目指しましたが、1つのグループはやや傾斜のある山林の中へ。 一列になって斜面を登っていると、火の神様が祀られているという小さな神社があり、足を止めて手を合わせました。
畑の農作業を教えてくれたのは、ふじさと元気塾のメンバーで、「農家民宿のっこの家」のオーナー・鈴木ノリ子さんです。鈴木さんから「畑の野菜は、みんなかわいい私の子どものようです。だから大切に作業をしてください」という挨拶がありました。きっと、研修生の心にも響いたのではないでしょうか。私たちは里芋や大根、落花生を収穫させてもらいましたが、どれも種や苗から時間をかけて、美味しく大きくなるまで育てられた野菜たちです。愛情を込めた作業を、と意識が芽生える言葉をいただきました。
お昼ごはん
お昼ごはんは、「農家レストラン南白神の里」を予約制で営業する、粕毛地区のお母さんたちが作ってくれました。この日は、豚汁、新米おにぎり2種をはじめ、季節の煮物、七色きのこの煮物、わらびの漬物、菊のおひたし、馬肉にプリン等たくさんの料理でおもてなしいただきました。研修生の皆さんは、美味しい食を通してお母さんたちとすっかり打ち解けていました。
講話
午後の部は、NPO法人ふじさと元気塾の藤原代表より、藤里町や粕毛地区についてお話をいただきました。中でも2017年に粕毛地区で6軒の農家民宿していること、さらに各民宿のオーナーは70代以上であるが、みんなで豊かな自然や里山の暮らしをお客様に提供して藤里町をPRしているというお話が印象的でした。
続けて、秋田県農林水産部農山村振興課の金崎技師、当協議会の藤原事務局長より、秋田県の農業とグリーン・ツーリズムについての講話がありました。
講話の後、日本人グループと外国人グループに分かれて午前中の活動を振り返りつつ、どうすればもっと外国人も楽しめる農家体験にできるか、どうすればもっと藤里町に人を呼び込めるかをワークショップ形式で話し合いました。
2グループから共通して「藤里町しかない魅力がある、それをどうやって発信していくか、伝えていくかがカギ。現状としては情報量が少ない」という意見が出ました。さらに、観光は訪れる前の情報がどれくらい手に入れられるかが大事。言語による最低限の情報(英語版パンフレット、サイト)が欲しいという意見が外国人グループから出ました。ただ、振り返りの中で、言葉が分からなくても農作業体験は楽しかった、伝わるものがある、心に残るという意見もありました。
1回目の研修は、実際に農家体験や地元の料理を通して藤里町やグリーン・ツーリズムについてそれぞれ知ってもらう機会とし、午後のワークショップでお互いの感想や意見を共有することで更に理解を深めました。以下、研修生の感想です。
研修生からの感想(一部抜粋)
- 徹底的に白神山地の玄関口としてアピールしてはいかがでしょうか。大館能代空港間と白神山地間の送迎バスなどを出し、民宿に泊まってもらう、トレッキングの拠点としてもらう、民宿滞在中に農業体験をしてもらう、という方向性で特に外国人や都会の人をターゲットにしたら良いかと思います。
- 全ての人がアクセス可能で、地域の生活を楽しみ、また来たいと思ってもらえるようにすることが喫緊の課題だと私は感じました。リピーターをつかみ、多くの人に知ってもらい、他との差別化を図れた地域が今後、人気になっていくと確信しています。
- 秋田は例えば京都のように年中楽しめる大きな観光地は少ないと感じます。その代わりに秋田県は季節を感じられるような観光地にしていけるのではないでしょうか。特にグリーン・ツーリズムでそれが可能だと思う。季節によってする農作業やとれる野菜、町の景色は異なるので同じツアーでも季節によって違うものになり、リピーターも増えるのではないでしょうか。特に秋田に来る外国人は日本にすでに何回か来たことがある人が多いので、季節やその地域らしいものが喜ばれると思います。