東成瀬の五社めぐり

平成26年11月1(土)

主催:日本一美しい村づくり東成瀬協議会 

 

東成瀬村には、山の神、水の神、学問の神などを祀る数多くの神社があります。

そのうちの5社を訪ね歩く、歴史と里歩きをテーマにしたツアーが開催されました。

美しい景観と村の歴史の足跡を辿った一日をご紹介します。

(写真は、下田の水神社〈志茂田神社〉)

 
夢・なるせ直売所(なるせ加工研究会)
   
秋田市発の一行を乗せたバスが最初に立ち寄ったのは、夢・なるせ直売所。   秋野菜のほか、果樹や加工品で店頭は賑わっていました。
     
 

 

直売所を運営する「(農)なるせ加工研究会」代表で、日本一美しい村づくり東成瀬協議会の代表も務める谷藤トモ子さん(写真左)によって、店内では、試食用の米粉カステラとコーヒーが全員に配られました。

 

なるせ加工研究会では、このような機会を通してお客様の意見を参考にし、米粉100%で作るカステラの試作を重ねています。

     
田子内の天神社
   
ガイドを務めてくれたのは、現地スタッフで「仙北道を考える会」会長の佐々木友信さんです。   最初に訪ねた神社は、田子内地区にある天神社です。村内で最も古い創建で、1052年と言われています。
     
学問の神「菅原道真」を祭神としている神社です。   力強く、豪華な彫刻は一見の価値あり。「作り手の思いが込められている」と佐々木さん。
     
神社を支える支柱には、それぞれ違う表情の力士像が鎮座。地元では四隅をしめくくるという意味で、「隅っこ背負い(すまっこしょい)」と呼ばれています。
     
物知りで、いつもお客様に人気の佐々木さん。   話は脱線して、年中屋根にかかった梯子が話題に。雪国では当たり前の光景ですが、珍しいと感じる人が多いんですね。
     
肴沢の八坂神社
 
肴沢地区の八坂神社。やや急で苔の茂った石段を上った先にありました。疫病が大流行した年に村民の願いを受けて建立されたとか。   地元では、「祇園さん」と言われて親しまれているそうです。祭神は須佐之男命(すさのうのみこと)。
 
かつては、きゅうりが大好物であった祇園様に初物のきゅうりをお供えしてからでなければ食べられない風習があったそうです。また、きゅうりを切ったときの断面が、八坂神社の神紋に似ているからという説もあります。小さい境内ながら、総欅(けやき)の立派な造りの神社でした。
 
肴沢の肴沢神社(山神社)
 
次に訪ねたのが同地区の山神社。35軒の小さな地区に二つの神社が存在しています。入り口の鳥居には「山神社」とありますが、標柱には「肴沢神社」とありました。佐々木さんが触っているのは、仏具の鰐(わに)口。巡った神社の中で、唯一この神社にだけありました。
 
山業(主に山での仕事をしている人々)、特に田子内鉱山が最盛期で、良い鉱脈を掘り当てた際、山神社のお祭りで肴沢から旧増田村(現 横手市増田町)までの道路に絵灯篭を吊るし、ろうそくに終夜火を灯して不夜城を表現したと言われ、近隣住民を驚かせたと記録されているそうです。
 
お昼ごはん(まるごと自然館)
 
お昼ごはんは、まるごと自然館でいただきました。参加者の皆さんが、お手伝いしてくれました(^^)   スタッフの皆さんからご挨拶や料理の紹介を受け、おいしい料理に舌鼓。
 
まるごと自然館の備前源一さん   たくさんの料理でおもてなししてくれた、地元の鈴木喜志さん(左)、鈴木豊子さん(右)
 

 

 

 

旬の食材を使って、地域の皆さんに
愛されてきた
田舎料理がたっぷり。

デザートにはもちろん、東成瀬名物の
「あずきでっち」が
並びました。

 

粘りの強い芋の子(里芋)や、あずき
でっち、みずの実など
お土産にほしい
という感想もありました。

     
平良の平良山神社
 

午後は、伝統野菜の平良かぶが栽培されている平良集落の平良山神社を訪れました。

延享元年(1744)建立。祭神は山を司る大山祇神(おおやまずみのかみ)。これは、平良地区には山仕事をする人が多かったためと言われています。左の石碑は、山形の出羽三山(羽黒山、月山、湯殿山)に参拝に行った者が、一緒に行けなかった人々のために造ったそうです。

 
支柱には、ぎょろりと目を向く力士増が鎮座しています。彫刻はやはり素晴らしく、金具を一切使わずに、木のみで造られた建造物とのことです。また、この神社のおもしろさは、たくさんの動物が彫られている点。像(写真右)のほか、鷹や猫、獏など、参加者の皆さんはいくつ見つけられたでしょう。
 
村が毎年8月に実施している滝行のイベントで、「仙人修行」の舞台、「不動の滝」。   滝の脇には、農業用水としてこの地域の人々の貴重な水源となっている小貫山堰があります。その案内板は、佐々木さんが書いたものです。
     
下田の水神社(志茂田神社)
   

最後は、下田地区にある、通称「下田の水神社」を訪ねました。なぜ、志茂田神社とあるかは定かではないそうです。祭神は、水波能売神(みずはのめがみ=水をつかさどる神)と宇気母智神(うけもちのかみ=五穀をつかさどる神)とあるそうです。

 
 この神社の特長は、拝殿玄関が唐破風造り(中央部は弓形で,左右両端が反りかえった曲線状の破風)になっていることです。   奥殿のある神社で、背面の左右の柱には、脇障子が建てられていました。唐破風造りと脇障子は珍しいそうです。
     
   

村の歴史と里歩きをテーマに神社を訪ねた一日を終え、参加者の方から感想をいただきました。

 

●和気あいあいで楽しかった。道中バスでの時間が多いが、心地よく余韻が残った。
 ポツポツの雨のみで天気にも恵まれたストレス解消の旅だった。

●神社の造りの見事さにホオーッ!普段は見られない、知らない場所を見学できてよかった。

●いものこ汁がとっても美味しかった!大根の漬け物も。以前レシピを聞いたけど、
 やっぱり素材がちがうのか今日いただいたのが最高だった。神社のいわれ、造りなどを
 聞いて、自分の目で見て確認することができてとてもよかった。

●地元のガイドさんが地域に誇りをもち、愛している様子が伺えた。

 

古くより、地域住民のたくさんの願いが信仰となって大切に守られてきた神社。

実際に歩いてみて、ガイドである佐々木さんのお話を聞くと、見た目だけでは分からない

時代背景や歴史を知ることが出来るツアーでした。皆様、お疲れ様でした!

 

日本一美しい村づくり東成瀬協議会

(公式ホームページは、こちら