令和2年8月19日(水)実施

 

第2回グリーン・ツーリズムサロンについて

詳細はこちら(クリックして開く)

第2回グリーン・ツーリズムサロンの報告

今年度2回目のサロンは、「羽後町田代地区の取り組みを、味と雰囲気で体感する」をテーマに、同地区を周遊するコースで実施しました。残暑厳しいの中での開催となりましたが、食べる楽しみやオーナーの皆さんのお話を聞いて充実した1日となりました。写真は、オリエンテーションを行ったかやぶき山荘格山。

鎌鼬美術館と旧長谷山邸

館内を案内してくれたのは、NPO法人鎌鼬の会の菅原弘助理事長(写真左・中央)。当時の田代村で二人が撮影した様子等をまとめたDVDを見せてもらい、さらに理解を深めました。菅原理事長の説明からもこの地区の皆さんが地域や美術館に寄せる想いや誇りを感じ取りました。

旧長谷山邸も見学しました。明治15年に建築された旧田代村の地主、長谷山家の邸宅で、現在は羽後町の総合交流促進施設として利用されています。3階まで上れば、のどかな夏の田舎風景が一望できました。暑さも忘れて、ずっと見ていられるような景色です。格山のかやぶき屋根の姿も美しい。

農家キッチンあるもんで(かやぶき山荘格山)

さて、本日のメインとも言うべきお楽しみは、農家のお母さんたちが腕をふるって作る「農家キッチンあるもんで」のランチです。「あるもんで(あるもので)」作るといっても、お膳に並んだ料理の品数は、10品を数えます。町の名物「冷がけそば」とお客様から好評の「小豆汁」は定番メニューにして、その都度、季節の野菜を取り入れたメニューとなっています。優しい味付けにホッとする品々です。

オーナーの阿部雄太さん(格山)、阿部祥代さん(あるもんで)やお仲間の皆さん、そして彼女たちを開業に向かわせサポートし続けている、羽後町地域おこし協力隊の小森一太さんのお話を聞きました。今年6月に開業した「あるもんで」ですが、祥代さんの「コロナに負けない、生きがいができました」の言葉が印象的で、この活動が自分たちの張り合いになっているとも話されました。続けて、「20年がんばります」の言葉は、その生きがいから生まれた言葉なのでしょう。「元気をもらえた」と話す参加者もいました。たった3人で始めたように見えますが、陰でサポートする息子の雄太さんや小森さんたちの存在は大きいように聞き取りました。謙虚に飾らない話し方をする祥代さんですが、新しいことに挑戦する姿勢は力強く、楽しそうに話す様子はとてもキラキラしていました。

阿専

今回のサロン、行程の最後は、同地区で農家民宿とカフェを営む阿専へ。阿専は、明治初期の建築物で国登録有形文化財「阿部家住宅」としても大変貴重な建物です。時代を経たものしか出せない雰囲気を残しつつ、かつての馬屋をおしゃれなカフェスペースに改装するなど、阿専でしか体感できないものを感じます。
丁寧に淹れてくれたコーヒーやケーキをいただきながら、英之さんのお話をお聞きしました。一度は田代から離れた英之さんですが、建築に携わるご友人の声によって、自分の生家の価値を初めて見直したと言います。単身で羽後町に戻り、普段はひとりで営業をしているとのことですが、英之さんを開業に奮い立たせたものはご両親やご先祖からのバトンを受けて、「今度は自分が家を守る」という気持ちの強さなのだと感じました。

参加者の声(一部抜粋)

  • この地域にすばらしい建物がたくさんあり、若者たちがトライしているのがいいな。「あるもんで」の母さんがたが、あと20年頑張ると言っていたので、私も頑張ろうと思った。
  • 田代地区は初めてでしたが、興味を持てる場所、空間が複数あれば楽しめることがわかりました。また近いうちに訪ねてきたいと思います。
  • 色々な人が頑張っている姿に勇気をもらい、自分もまだまだ頑張らなくてはと思いました。
  • やはり住んでいる私たちは秋田のことを知らなすぎる。良いところにあって、当たり前と思っているので、他県から意見を聞いて、発見することが必要だと思う。
  • 小さな地区だけど、頑張っている人がいっぱいいて魅力的なところだと思う。応援したくなるところだと思います。みんないい笑顔していました。
  • 地元のことですが、あらためて楽しいなと思いました。もっと繋がってゆきたいですね。

お世話になった皆さん

次回のグリーン・ツーリズムサロンは全体講義:10月21日(木)の開催です。

詳しくは、「令和2年度 グリーン・ツーリズム花まるっ大学」のページで告知いたします。