雅庵のふるさとをたずねて「食の寺子屋」
~農家レストラン雅庵~(2011年9月 秋田市・北秋田市)
農家レストラン「雅庵」と「食の寺子屋」 | |
秋田市将軍野にある農家レストラン「雅庵」。 オーナーである福岡雅子さんが普段お店を開ける際は、早朝にお住まいの北秋田市合川から店がある秋田市将軍野まで通い、合川産の蕎麦粉を打ってお店で提供しています。 「私の地元・北秋田市(合川)の新鮮な食材を使用したお料理を楽しんでいただきたい」という願いから、遠く離れた場所から通うことも厭いません。 お客さんが多い宴会等の時は、前日から泊まり込みで料理の仕込をしています。 「食の寺子屋」とは、周辺地域の方や普段から農家レストランを利用してくださっているお客さんなどが集い、毎月29日に自身のお店にてお茶を飲みながら「食」についての情報交換をする場です。 |
|
移動・食の寺子屋 | |
6月に行われた「食の寺子屋」でのメンバー同士の打合せの際、「雅子さんの地元・合川のそば畑や自然、地域の宝などを巡り、農家レストラン「雅庵」で提供している蕎麦のふるさと・北秋田市合川をたずねてみよう!」ということになり、移動式「食の寺子屋」が、9月17日実施されました。 よどぎみは初めて参加させていただきましたが、3年ぶり2回目の開催となった今回は少人数ということもあり、和気あいあいと楽しいひとときとなりました。 |
|
● 鎌の沢で正法院を見学
|
|
正法院楼門。 |
正法院の住職ご夫婦と。 |
正法院の創建は明暦3(1657)年頃だそうで、もともとは山岳信仰から民間仏教へと移行したものと言われています。 |
「汗かき地蔵」にお祈り。戦時中、この地に戦争の弾丸が落とされなかったことから、別名「弾避け地蔵」とも呼ばれ、地域住民に信仰されています。 |
旧合川町指定文化財ともなっている地蔵堂には、木造の半迦地蔵尊像が安置されています。こちらは県内で最も古いとされている「丈六延命地蔵菩薩像」です。 |
本堂に安置された「鎌の沢の大仏様」。後ろには大きな空洞があり、大仏様の頭まで登れるようです。「昔、子どもたちはここを遊び場にしていたのよ」と、雅子さん。 |
● 翠雲公園でタマアジサイの見学
翠雲公園で、珍しいタマアジサイを見学。 |
|
|
|
翠雲公園は、広々としていて遊び場もあります。お散歩するにも、ちょうどいい! |
今回の参加者は、「雅庵」の常連である渡部さん・森澤さん・戸島さん・小室さん。 |
● 三里転作蕎麦畑の見学
雅子さんは、地元(自治会)の仲間3名で委託を受け、三里地域で転作蕎麦畑を維持管理しています。 この蕎麦畑はもともと、米を作付していた田んぼを昭和40年代から大豆畑として利用、雑草に強く日照りの影響や栽培の手間がかからないことなどの管理面を考え、その後蕎麦畑として転作させた場所です。 「作付しているのは山蕎麦と言い、黒っぽい風味のある蕎麦です。畑の広さは約6.6ha、収量は2,700kgと(乾燥後はその約6~7割程しか実とならず、更に粉砕すると実際使用される量は)少ないものの、契約栽培・無農薬栽培のため安心・安全です」と、蕎麦畑の説明をしてくださった福岡昌樹さん。彼は雅子さんの本家でもあり、地域の自治会長も担っている方です。 |
|
説明をしてくださった昌樹さん(右)と雅子さん。 |
三里転作蕎麦畑にて。 |
4日間で播種(種蒔き)が終わり、およそ75日で収穫が可能とのことで、10月15日には契約をしている(農協などの)団体により刈り取り・乾燥が行われました。 今年は長雨が続き、収量は例年通りとはいかなかったようですが、それでも日照りに強い蕎麦。「俺は、蕎麦の味どがってよく判らねども、先日上小阿仁の高橋旅館で、石臼で挽いてもらった色んな地域の蕎麦を試食した中では、三里の蕎麦が一番美味く感じた。合川という大地の味わいを感じられる蕎麦だった」と昌樹さんは言います。 農家レストラン「雅庵」で提供する際には、100%十割の蕎麦粉に木綿豆腐を入れ、卵をつなぎにした、コシのある手打ち蕎麦となります。
✿そんな古里への深い想いを感じることができる新蕎麦は、秋田市にある雅子さんのお店、農家レストラン「雅庵」にて12月10日頃から食べることができます。また、毎月29日に開催している「食の寺子屋」は、どなたでも参加することができます(日程の変更がある場合もありますので、必ずご予約ください)。 |
夜の部 17:30~20:00 ※1日15名様まで ※三日前までにご予約下さい。 ざるそば・焼き魚・煮付け、茶碗蒸し・ ※ざるそばは、温かい蕎麦に変更可。 |
● 福岡さんの自宅へ
メインの蕎麦畑の見学を終えた後は、雅子さんの自宅にて休憩。それぞれ得意のがっこやお菓子などを持ち寄った皆さんは「これ、お裾分けね~」とお互いに交換、作り方等の情報交換で和気あいあいとしたひとときを過ごされました。 |
|
戸島さんお手製のいちじくの甘露煮は、ほんわりとして美味しかったです。 |
もち米のモチモチ加減と、くるみの食感が止みつきになりそうな、小室さんお手製のくるみゆべし。 |
● 北欧の杜公園にてパークゴルフ交流会
さて、適度にお腹が満たされた後は、北欧の杜公園にてパークゴルフ交流会です。ルール無視の、わりとアバウトなゲーム運びとなりましたが(笑)、私も含め皆さんほぼ初めてということで、ご愛嬌。しかも途中で雨のため、ゲームは中盤の白熱した盛りに中止。残念! |
|
まずは、北欧の杜パークセンターへ移動。 |
「お食事処 杜のおにぎり屋さん」のおにぎり弁当。 |
店頭には、朝採り産直コーナーも。 |
北欧の杜公園パークゴルフ場。 |
「パークゴルフ、初めてだけど楽しいね」 |
入りそうでしょ!でも入らないんですね~これが…。 |
「ナイスショット!いいね~」…コツをつかむ能力と、運動神経の良さか一際光っています。 |
「みんなでナイスショット!」後ろでは、指導してくださった北欧の杜スタッフの方が苦笑しております…。 |
北欧の杜公園内。 |
北欧の杜公園内を散策。 |
北欧の杜公園内お野立所。 |
北欧の杜公園内御製碑前で。 |
北欧の杜公園内には、平成20年に開催された「第59回全国植樹祭」の式典会場となった際、天皇皇后両陛下がお入りになられた「お野立所」と、天皇陛下が植樹祭の情景を詠まれた和歌が刻まれている「御製碑」とがあります。 |
気になった方は「秋田県立北欧の杜公園」へ!
(総合窓口 0186-78-3300) |
今回、福岡さんの案内で北秋田市合川を散策、蕎麦畑の見学等をすることにより、農家レストラン「雅庵」が考える「食」の原点を知る上で大変参考となり、有意義な時間となりました。 「今は、本当に後継者が減ったね。若い人でも50代。農家は、サラリーマンを定年退職した人が現役みでったもんだ。でも、荒れた土地を放っておくよりは、こうして生かせれば、なんぼでも地域に貢献できるでしょ」という福岡さんの言葉に、「この地を、私たちが何としても守り、生かし、次の世代に繋げていかねばならない」というような決意が感じられました。地域に住む「人」と「人」とのつながり、仲間とともに協働する意義を、改めて考えることのできる良い機会に恵まれたと思います。
県央地区現地特派員 よどぎみ |