鹿角 青様山登山

~中滝ふるさと学舎大感謝祭~

 

「青様山」と書いて「あおさばやま」と読みます。

標高のわりに気温が低くて頂上は木が育たず、そのかわりに笹が生い茂っています。

11月上旬、周囲の木々が紅葉を終え冬仕度をはじめようとする中、

登山道ではカラマツが紅葉する落葉針葉樹の役割をしっかり果たして

 美しい黄金の姿を煌めかせていました。

標高772.7m、十和田湖の入り口、大湯川の水源-。青様山に登りました。

鹿角 中滝ふるさと学舎大感謝祭

2010年11月6日(土)鹿角市の中滝ふるさと学舎で、

学舎を運営する「NPO鹿角ふるさと学舎」の設立1周年を記念した大感謝祭が行われました。

青様山登山はその企画のうちのひとつです。

吐く息が白くなる朝午前9時、学舎にはNPOの会員などおよそ80人が集まりました。

参加者は青様山登山コースと滝めぐり2コースの3つのコースに分かれて散策に向かいます。

青様山登山
 

中滝ふるさと学舎から青様山登山口までは車でおよそ15分。

国道103号を十和田湖方面へ進み、途中紫明亭展望台のほうへハンドルを切ってまもなく。

登山口には看板がないので、個人で行く場合は地元の方に目印を聞くといいでしょう。

   

低木と笹やぶばかりの青様山は

とにかく眺めがすばらしい。

登る途中、おもわず何度も振り返って

眼下の景色を見ずにはいられません。

   

開けた視界から十和田湖と青森側の雪をかぶった八甲田連峰が見渡せます。

誰もがカメラを向けてしまう気持ちよさです。

 

ガイドの渡辺さんが指さす先には十和田高原。

「何を見て何を感じるのか、山の楽しみ方は自由自在です。

 今日は今日なりの楽しみ方があります。五感を活用して山を満喫してください」と渡辺さん。

その中に、県内で唯一の冬季分校がある鹿角十和田大湯田代地区の風車が見えました。

ここに暮らす小学生たちは、春から秋の間は車で20分はかかる大湯小学校へ通い、

冬は近くの冬季分校に通います。もうすぐ分校の開校式。子どもたちの長い冬が始まります。

みんなで記念撮影。

 

 

 

この日、仲良くさせていただいた大館市比内から参加の渡邊さん親子。

「山登りは好きでよく行くんですが、いつも同じ山になってしまうので、

きょうはなかなか行けない山にも行ってみたくて参加しました!」と教えてくれました。

   
下山途中笹やぶの中にキレイなツルリンドウを発見。
炭出し
  

下山後、学舎の炭窯で窯を作ってから初めての炭出し作業が行われました。

今年8月に作り始めた手作りの炭窯。しかし一回目は窯の天井が陥没し大失敗!

「簡単だと思ってたんだけど、やってみると難しかった。」と学舎理事長の湯瀬政弘さん

   

そこで、古くから炭焼き農家の多い集落を訪ね炭焼きを1から教えてもらったのだそうです。

地元の森林管理署の協力を得ながら土作りをし、道具を作り、土壁を作りました。

「いつ火をいれていつ火を止めるのか。昔の人はそれを煙で判断したっていうんだよな。

煙道(えんどう)というそうなんだけど、そういう専門用語も覚えました。

  

この辺には炭を焼いた人がたくさんいたんだよね。

炭を焼くことで出稼ぎに行かなくてもよかったのだそうです。

堀内(ほりない)という地域では、体力をつけるために朝から魚を食べていたんだといいます。

生木でなければいけないから木を切ったりするのにも体力がいるでしょ。

堀内は3つの川が合流する場所にあるからちょうどよかったんだよね。

木だったらなんでもいいと思っていたけど、今になって炭焼きの苦労を勉強しました(笑)」

無事に窯から出た炭を見て湯瀬さんもやっぱり嬉しそうです。

食の体験
  

昼食はバーベキューと豚汁、泡雪こまち玄米入りの炊きたてごはんです。

バーベキュー用の炭は、先ほど窯から出したばかりの炭をさっそく使いました。

   

決して気温の低い日ではありませんでしたが、

それでもお母さんたち手作りの

あったかい豚汁が身体にしみます。

食事を待つ間も飽きることはありません。

木のぼり用のロープは昔から学校に

あったものだそうです。

   
初めて会う人同士“同じ鍋をつつく”ではなく“同じ鉄板をつつく”仲で心もほっこり。

ぐんぐん歩いて、いっぱい遊んで、たっぷり食べて-。

自然の力と学舎を取り巻く地域の人たちの温かい心遣いが

参加したわたしたちの心まですっぽり包み込んで優しくしてくれた気がします。

これから長い長い冬を迎える中滝ふるさと学舎。

寒さの中わざわざ訪れる人々をそれはそれはあったかく出迎えてくれることでしょう。

県北担当やっつ