マタギとは
秋田県の山にはマタギと呼ばれるひとが住んでいます。マタギとは里山で田畑を営み、山の中に入り、猟をしたり、山菜などを採って生活してきた人々のことを指します。昔は、マタギの獲って来たクマの皮は重宝され、肝臓などは薬として使用されてきました。単にハンターとしてではなく、自然の偉大さに畏敬の念を持ち、大自然と人間社会の調和を保って来た人々として、今でも秋田の人々はマタギを尊敬しています。
マタギ神社
マタギが入る山の近くにはそれぞれ神社があります。山に入る前、必ず山の神様にお祈りをして、自らの身を清めます。
マタギが歩くみち
マタギが住む山の中はとても綺麗に保たれています。彼らは山を歩く時、自分たちの通り道に落ちている枝や、石などを払いながら進みます。一見すると、手付かずの大自然の中に入り込んだような気分になりますが、実際はマタギが手入れしていることで歩きやすい道ができています。
*実際に熊などを狩りにいく際は、もっと険しい、獣道を歩きます。
熊の痕跡
木に残る亀裂は熊の跡です。これは子熊と一緒に木から降りた親熊の傷だそうです。マタギは山に残る小さな痕跡から、様々な環境を分析し、動物達の行き先や位置などを予測することができます。
秋田県ではマタギと一緒に山に入る体験も可能です。山を知り尽くしたマタギと一緒に山に入ることは、普通に山をトレッキングすることとは全く異なり、歩き方から、動物の痕跡探し、山の食材を採るなど山の知識を学ぶことができます。
マタギに出会って、私たちはまだまだ日本を知らないと思いました。東京や大阪では全く想像できないくらいの大自然の中で人々が暮らしている姿を秋田県では感じられました。シンプルな木の棒と、ナイフで作る槍に驚きました。また、私たちが見ると、何も変わらない山の光景でも、マタギは小さな変化を察して、山菜や熊の痕跡などを見つけていました。山での生き方を学べるとても興味深いツアーでした。(タイ)