農泊ビジネス起業実践研修の様子をご紹介します。

秋田県主催による「令和6年度農泊ビジネス起業実践研修」を、10月にリモート講義、11月に現地研修として仙北市と北秋田市の農家民宿を会場に実施しました(運営:当協議会)。今年度は、県内外より農泊による起業を本県で目指す方を対象に募集し、選考の結果7名の皆さんで実施しました。
(集合写真:すべての行程を終えた了月舎農園にて。皆さんいい笑顔です。)

<リモート講義>

10月、オリエンテーションと講義(概論他)をリモートで実施しました。
主催である県農山村振興課・大越菜々子主査(写真左:上段・右)より挨拶、その後、当協議会・藤原絹子事務局長(下段・左)が、「ここからはじめるグリーン・ツーリズム~概論からはじめるまで」と題した講義を担当しました。また、現地研修でワークショップを担当する「まちづくりファシリテーター」の平元美沙緒さん(上段・左)にファシリテーターをご担当いただき、研修前の準備や心構えなどを共有してもらいました。

現地研修<1日目>事例紹介・見学

11月、農家民宿が点在する仙北市で現地研修をスタートしました。
初日の講師は、平元さんにご担当いただき、それぞれの起業について想いを書き出したり、そのためには何をすべきかを、ワークショップ形式でまとめました。

会場は、Vacation House KAWARAYA。オーナーで、宿泊やツアーガイド等の事業を行う株式会社遊名人代表の東風平蒔人さんにも宿についてお話していただきました。研修生は、先輩オーナーにあたる東風平さんのお話に背中を押されたようです。

その後、一行は宿泊先となる4軒の農家民宿を巡回しました。各宿の造りや雰囲気、オーナーの皆さんそれぞれの魅力を感じ取る機会にできました。

現地研修<2日目>講義・ワークショップ

研修2日目は、星雪館のミーティングルームを会場にして、講義・ワークショップを実施しました。講師は、株式会社141.&Co.代表の石井宏典さんです。起業にあたっての大事なポイントと起業プラン作成にあたってのポイントを押さえました。

さらに、講義の内容を自分のプランに落とし込み、夢や想いという段階から具体的にビジネスとして考えるトレーニングを行いました。個別の相談タイムも設け、一人ひとりの計画について助言をもらいました。ワークの合間のリフレッシュには、星雪館からの眺めが最適だったようです。

現地研修<3日目>事例紹介

最終日は、北秋田市の阿仁小様地域を訪ねました。事例紹介をしていただいたのは、令和4年度の本研修受講生で、令和6年、農家民宿を開業した木村望さんです。

生い立ちから移住、開業、これからに渡る木村さんのお話の端々に熱意があり、圧倒されるような感覚すらありました。現在、木村さんは奥様と一緒にネギやさつまいもの栽培をするほか、加工販売、農家民宿開業と精力的に活動しています。その忙しい日々を楽しみ、地域に根差した活動は研修生の刺激になったようです。

◆関連レポート:あきた里地里山だより 北秋田市阿仁小様地域


おいしいもの、いろいろ

研修中、たくさんの考えを巡らせましたが、その合間、合間に研修生をホッと和ませてくれたのが農家レストランや宿のお食事。栽培方法の聞き取りや食材調達、盛り付けなど食事から得られる情報も学びになったようです。

同じ機会を得て研修生となった皆さんは、リモート講義を含めた4日間を通してご自身の方向性を見出すことができ、さらにお互いに仲間意識が芽生えたようです。グリーン・ツーリズムの概論から始まり、想いやテーマを掘り起こし、起業にいたるまで大事なポイントを押さえるといった、盛りだくさんな内容となりました。

以下、研修生の皆さんが撮影した思い出の一枚と感想(抜粋)です。

  • (リモート講義は、)自力で調査するには多大な労力を要する法律関係の事項を簡潔にまとめて伝えて頂けて、大変ありがたかったです。地元にこんなに頼もしい支援団体があることが嬉しくなりました。
  • (ワークショップは、)自己完結する言語化でなく、他者との相互作用をもっての言語化であったのが、「自分はなぜゲストハウスを開きたいと思っているのか」という問いの答えを整理することができたし、考えを深化することができた。独学では得られない学びにつながった。
  • 農家民宿の見学はとてもよかったです。建物、間取り、装飾など、それぞれに工夫されていて、いろんな可能性を感じました。何より、営む方のお人柄、存在感が素晴らしかったです。しっかりした暮らしと熱意があってこその魅力なんだな、それが肝心なんだな、と思いました。
  • 石井さんの講義は、理想から現実へ向けての学びになりました。ペルソナの設定から資金調達まで、じっくりと時間をかけて考えていきたいと思いました。
  • 了月舎農園はいかにコストをかけず、できるかぎり自作するスタイルに若い方なのに尊敬できました。見習います。白い壁をスクリーンにして、そばに薪ストーブの見せ方も素敵でした。木村さんがガイドをされているだけあって、説明の一言一言が丁寧でわかり易く、包み隠さず、なんでも話してくれているところが地域にも受け入れられる人柄だと感じました。
  • 皆さんのお話しなどや、助言などを聞きながらイメージが段々と明確になっていき、やりたい気持ちがより高まっていきました。
  • 農泊ビジネスに関係のある方々とのご縁や温かい応援を心強く感じ、背中を押していただいた気持ちになりました。これからも壁にぶつかると思いますが、頼ったり相談したりできる人がいると思えたことで、頑張ろうと思えました。

「農泊ビジネス起業実践研修」に関するお問合せ

秋田県 農林水産部 農山村振興課
TEL:018-860-1851 FAX:018-860-3815
E-mail:nosanson@mail2.pref.akita.jp