- 令和3年11月5日(金)~7日(日)
- 仙北市:ガーデンカフェ&デリカkimoto、農家民宿一の重、農家民宿泰山堂、農家の宿星雪館
秋田県主催による「令和3年度農泊ビジネス起業実践研修」を、仙北市にある農家レストラン1軒と農家民宿3軒を会場に実施しました(運営:当協議会)。今年度は、農泊ビジネスの起業を目指す方を対象に県内外より5名の方々にご参加いただきました。ワークショップや講義、実践者との意見交換、実務体験等を通し、 農泊ビジネスの起業について学びました。
※今年度は、農家レストランコースの参加者も募集しましたが、選考の結果、農家民宿コースのみ実施。
<1日目>事例紹介・見学
kimotoのランチ、事例紹介
はじめに、ガーデンカフェ&デリカkimotoにて、主催・担当者の県農山村振興課・宮田技師と運営を務める当協議会・藤原事務局長より研修生の皆さんに挨拶がありました。
kimotoの「秋の味覚ランチ」をいただきました。kimotoの畑から運ばれた里芋やカボチャ、そしてガーデンの草花がプレートを華やかに演出します。秋田の農家レストランの食事を味わってもらう機会としました。
デザートは、仙北市西木町の特産、西明寺栗をたっぷり使ったモンブラン。贅沢で手の込んだ一品に自然と笑顔がこぼれます。おいしい食事が初対面同士が集まる研修を和やかな雰囲気にしてくれました。
コーヒーをいただきながら、オーナーの木元千恵子さん(写真左列、手前から2番目)のお話を聞きました。研修生には得意な料理から今後できることを模索する方もいたことから、ランチに対する質問を皮切りに木元さんの経営に対する考え方や地域への想いなどを聞くことができました。笑顔で気さくな人柄であり、しかし経営理念や10年後、20年後の自分を描く軸がしっかりした木元さんに研修生は刺激を受けたようです。
農家民宿の見学
次に研修中、研修生が分宿する農家民宿3軒を全員でまわって宿の見学、オーナーのお話を聞きました。
【一の重】
- 先にオープンしている泰山堂、星雪館の先輩たちがお手本。共力(ともぢから)にして自分も頑張っている。
- 宿を始めたことで、生産者と消費者がつながることができてよかった。
【泰山堂】
- お客さんは、人との関わりを求めてやってくる。
- 木曜日、日曜日は近所に住むシェフが泰山堂で腕を振るうランチ営業日としている。泰山堂が会場として利用され、今は地域の若い人の夢を見守る気持ち。
【星雪館】
- 宿の一階をリフォームして、料理提供がしやすくなった。これまで以上に星雪館がミーティング会場として利用されたり、予約制で気軽にランチを楽しんでもらえたら。
見学後、最後の会場となった星雪館にて一日の振り返りを行い、各宿に分散しました。研修生は、宿泊先のオーナーとゆっくり語らう時間を過ごしました。
<2日目>講義・ワークショップ
研修2日目は、星雪館のミーティングルームをお借りして、講義・ワークショップを実施しました。
講義①「ここからはじめるグリーン・ツーリズム」/②「起業にあたっての大事なポイント」
①「ここからはじめるグリーン・ツーリズム」と題して藤原事務局長が講話しました。起業に当たり必要となる法律や経営に係る知識のほか、県内の農泊ビジネスの状況を事例紹介を交えながら学びました。
②「起業にあたっての大事なポイント」と題して、秋田県立大学 地域連携・研究推進センターの泉牧子コーディネーターより講話をしていただきました。泉さんが思う大事なポイントとして「家族、地域、環境」を挙げ、またご自身が立ち上げから関わっている「JAンビニ ANN・AN(ジャンビニアンアン)/三種町」を事例に、「食」について詳しくお話していただきました。
ワークショップ①開業する自分をイメージする/②起業プラン作成にあたって
まちづくりファシリテーターの平元美沙緒さんによるワークショップをスタート。「開業する自分をイメージする」をテーマに、研修生に事前に提出してもらったワークシートを使って自分の考えを説明してもらいました。
次は、「起業後のビジョンづくり」の作業を実施。平元さんが用意した、たくさんの「ことばカード(NVCカード)」をワークに取り入れました。自分自身が思うビジョンをシンプルな言葉に言語化することで、目指したい方向性が見えてきたようです。
後半は、自分のフィールドにある魅力や課題を「資源」と捉えた資源カードづくりをしました。できるだけカードを多く書き出してもらいます。次のワークとして、カードを組み合わせ、新たなコンテンツが考えられないかを検討しました。それをもとに藤原事務局長、泉コーディネーターに相談タイムを設けました。
最後に、じっくりと考えてまとめたシートを一人ずつ発表しました。一日を通して、みんなが自分の考えが明確になったり、課題がはっきり見えてきたり、それぞれの収穫があったようです。発表後、他の研修生から感想や激励の言葉を付箋に書いて手渡される場面では、仲間意識も深まったように見えました。
星雪館のランチとおやつ
昼食は、星雪館のもちランチ!彩り豊かで、見て楽しく、食べて大満足なメニュー。
ピンクに透き通る梅寒天で思考もスッキリ。
<3日目>実務体験
最終日は、各宿にて農家民宿のお仕事や畑仕事を手伝う実務体験を行いました。
秋晴れの中、農繁期の作業を締めくくる大事な作業を体験していただきました。お客様の受入をしながら、家の仕事をこなす、日々の暮らしの時間を一緒に過ごすことで、研修生の皆さんのプラン作りのヒントになったのではないでしょうか。
【一の重】
大豆の脱穀作業。晩秋の晴れ間を狙って行う大事な作業です。
【泰山堂】
畑で採れた野菜を漬物に。材料の適期を逃さずに作る保存食づくりも次にお客様を迎え入れる大事な準備です。
【星雪館】
食用菊を畑から摘んだら、調理しやすいように花びらをがくから外す作業です。ひなたぼっこしながら、「無限に花占いができるね」と、楽しい時間です。
以下、研修生の皆さんの感想です。
- ワークショップでたくさんのワークを実施したり、相談させていただいたことで、自分がどうしていきたいのかという方向性が見えてきたことは研修に参加して得た大きな収穫となりました。
- 同じ夢を見ている者同士、話を聞いていてわくわくしました。情報も得たように思います。口に出してみると以外と答えが返ってくるものだと思いました。 私の場合はまだまだ考えが甘いと実感しました。夢に向かって学ばなければならない事が沢山あることに今頃気づきました。情報を収集することから始めていこうと思います。
「農泊ビジネス起業実践研修」に関するお問合せ
秋田県 農林水産部 農山村振興課TEL:018-860-1851 FAX:018-860-3815
E-mail:nosanson@mail2.pref.akita.jp