令和元年11月22日(金)~24日(日)
秋田県では、「ウェルカム秋田!農泊ビジネス起業応援事業」として、農泊ビジネスに興味のある本県への移住希望者の掘り起こしと、農泊ビジネスの起業による移住・定住を応援するための研修等を次のスキームで実施しています。
- 移住・起業希望者の掘り起こし
首都圏等において、移住関連セミナーに参加し、秋田県の取組・現状を紹介 - 農泊ビジネス現地体験研修
秋田でのグリーン・ツーリズムのある暮らしをイメージできるようGT実践者との交流や農業体験などを提供 - 農泊ビジネス起業実践研修
農泊ビジネスを起業するための基礎知識の習得や起業プラン策定を行う「起業研修」とGT実践者の元で仕事内容を学ぶ「実践研修」の2本立てで実施。
今回は、3.令和元年度「農泊ビジネス起業実践研修(2回目)」の実施状況を報告します。
(1)はじめに
今年の「起業実践研修」は全2回の行程となっており、4名の方が受講しました。
この4名は、全員昨年度の「現地体験研修(短期研修)」の受講生です。
皆さん、昨年度の研修を契機に秋田県のグリーン・ツーリズムの楽しさを理解し、グリーン・ツーリズム実践者及び研修生間との交流を通じて、秋田県を移住先の最有力候補に選んでくれております。
(2)研修内容及び狙い
「農泊ビジネス起業実践研修」の狙いは、起業プランの立案や既移住者とのネットワーク構築、移住地域(市町村)の検討などです。
1回目では、農泊ビジネスの起業に必要な資格や許可関連の基礎講義や起業プラン策定ワークショップ等を実施しました。
2回目では、農泊ビジネスのうち「農家民宿」の実践者の元でインターンシップを実施し、市町村による移住相談を行いましたので研修の様子を紹介します。
<1日目>
そば処 すが家
皆さんで集合後、まずはそば処 すが家で昼食です。地粉を使用した十割の手打ちそばや二日かけて打った手打ちうどんの他、自家の野菜や漬物、季節の天ぷらなど、農家ならではの料理を味わいました。
食後はすが家の菅原さんから、農家のそば屋を開業したエピソードや経営のアドバイスについてお話して頂きました。
情報提供:仙北市役所 田沢湖庁舎にて移住担当者と面会し、移住・定住について情報を頂きました。
<2日目>
もちっこバイキング
2日目は、星雪館で例年開かれている「もちっこバイキング」にスタッフとして参加し、農家民宿の経営者として、おもてなしをする体験を行いました。
イベントはとても華やかですが、会場準備や食事(餅や漬物)の用意など、訪れる人をもてなすためにするべきことは数多くあり、人手が必要であることを痛感しました。
11時の開店から14時の閉店まで、たくさんのお客様にお越しいただきました。調理場のスタッフも、接客のスタッフも怒涛のような作業が一段落して、ホッとした表情でした。お客様にも楽しんでいただいたお餅や漬物で昼食タイム。受付スタッフは11月も下旬に入り、寒くなり始めた外での仕事だったため、「どんぶく(綿入りのどてら)」を着ながらの接客でした。なかなか暖かかったそうですよ。休憩後はみんなで片付けもしました。準備をして迎え入れ、後片付けをする。言葉にすれば簡単ですが、実際の仕事に触れることで、自分が開業した後のイメージができたのではないでしょうか。
農家民宿の取り組みについて(講話)
夕食後、星雪館のオーナーの門脇さんから農家民宿の経営についてお話をして頂きました。元は門脇さんのご両親の代で始められた星雪館は、開業してから22年になります。「なんとかなる」と前向きな気持ちとタイミングが重なったことが開業のきっかけとなったことや、農家としての仕事と農家民宿の具体的な仕事内容について、また実際の収支の話を交えた現状の課題を率直に話して頂きました。具体的な数字を交えた収支の話を聞くことで、参加者の皆さんは自らのプランをよりいっそう現実的なものとしてとらえられたようでした。
<3日目>
農業体験
雪国秋田での冬の農業を学ぶため、ビニールハウスで栽培しているほうれん草の収穫を体験しました。 収穫体験をしながら、経営面積等の基本情報から収穫時期をわざとずらして通年販売する営農の仕組みなどについて説明を受けました。 研修生からは、農地の大きさや作業内容等を肌で感じることで、自分が経営可能な面積を意識することができたとの声がありました。
3日間の研修は、農泊ビジネスでの起業を目指す皆さんにとって、より実践的な経験を積む機会になり、参加者の起業ビジョンはより具体的なものとなったと思います。今後は起業プランに磨きをかけ、同事業の開業補助金等を活用しながら、秋田県での農泊ビジネスの起業に向かって行くことになります。以下、参加した研修生の感想です(抜粋)。
- 起業プランを具体化することができ、2回目にふさわしい充実した時間であった。
- 昨年の体験研修に続き、県内のいろいろな地域に出向き農泊ビジネスを学ぶことができ、とても良かった。この研修をきっかけに、これまで会ってきた方とは個人的にお会いし、移住・起業に向けて今後も勉強していきたい。
- 移住・定住に力を入れている行政と、本人のやる気で存続できている自営業ということを感じた。生活していく上での不都合な点や悩み、困っていることを勉強したいと思った。
- オーナーの方から農家民宿や農業について、収支や作業内容を具体的に聞くことができたし、他の研修生の起業プランも大変刺激になったことから、自分の起業プランを具体化するのに大変参考になった。
- 現状の課題などをお聞きして、民泊が軌道に乗るまでに時間がかかる覚悟と補填できる本業を持つ必要性を強く感じました。
「農泊ビジネス起業実践研修」に関するお問合せ
秋田県 農林水産部 農山村振興課
TEL:018-860-1851 FAX:018-860-3815
E-mail:nosanson@mail2.pref.akita.jp