令和元年8月2日(金)~4日(日)
秋田県では、「ウェルカム秋田!農泊ビジネス起業応援事業」として、農泊ビジネスに興味のある本県への移住希望者の掘り起こしと、農泊ビジネスの起業による移住・定住を応援するための研修等を次のスキームで実施しています。
- 移住・起業希望者の掘り起こし
首都圏等において、移住関連セミナーに参加し、秋田県の取組・現状を紹介 - 農泊ビジネス現地体験研修
秋田でのグリーン・ツーリズムのある暮らしをイメージできるようGT実践者との交流や農業体験などを提供 - 農泊ビジネス起業実践研修
農泊ビジネスを起業するための基礎知識の習得や起業プラン策定を行う「起業研修」とGT実践者の元で仕事内容を学ぶ「実践研修」の2本立てで実施。
今回は、3.令和元年度「農泊ビジネス起業実践研修(1回目)」の実施状況を報告します。
(1)はじめに
今年の「起業実践研修」は全2回の行程となっており、4名の方が受講します。
この4名は、全員昨年度の「現地体験研修(短期研修)」の受講生です。
皆さん、昨年度の研修を契機に秋田県のグリーン・ツーリズムの楽しさを理解し、グリーン・ツーリズム実践者及び研修生間での人脈等を築けたことから、秋田県を移住先の最有力候補に選んでくれております。
(2)研修内容及び狙い
「農泊ビジネス起業実践研修」の狙いは、起業プランの立案や既移住者とのネットワーク構築、移住地域(市町村)の検討などです。
1回目では、農泊ビジネスの起業に必要な資格や許可関連の基礎講義や起業プラン策定ワークショップ等を実施しましたので研修の様子を紹介します。
2回目では、農泊ビジネスでも「農家民宿コース」「農家レストランコース」に分かれ、実践者の元でインターンシップを実施する他、必要に応じて市町村で空き家視察や起業相談を実施する予定です。
<1日目>男鹿市
講話・情報提供
初めに、当協議会の藤原絹子事務局長による「ここからはじめるグリーン・ツーリズム」について講話しました。県内の農泊ビジネス状況を学ぶと共に、起業に際して何が必要となるのか、どのくらいの費用がかかるのか、実際の数字を交えて学びました。
続いて、男鹿市企画政策課・村井千鶴子さんより、男鹿市の移住・定住について情報を頂きました。この七月にも地域おこし協力隊として一人、男鹿市に移住して来た方がいるそうです。関東から単身、車で(!)来たという先輩移住者に、参加者も興味津々に質問を投げかけていました。
農家民宿・郷土料理体験
その後、宿泊先でもある男鹿市の里山のカフェににぎに移動しました。郷土料理である「あんぷら餅」づくりを体験します。
あんぷら餅の主な材料は、ふかしたじゃがいも。口あたりがよくなるように、よくつぶします。
夕食を囲みながら、オーナーの猿田真さんからカフェと民宿を始めたきっかけをお聞きしました。猿田さんのアツイ地元愛を感じるお話でした。
最後にセリを入れて「あんぷら餅鍋」の完成です。鍋に入りきらなかったあんぷら餅は、翌朝の朝食につぶあんをまぶしてひと口大のあんこ餅に変身!猿田さんのお母さんの技を教えてもらいました。
<2日目>男鹿市~三種町
ワークショップ
2日目、ファシリテーターの平元美沙緒さんによるワークショップを行いました。「移住後の自分をイメージする」をテーマに、起業プランを作るための考え方についてトレーニングをしました。
男鹿市地域おこし協力隊の大橋修吾さんにお話を伺いました。
起業のテーマを「わたしのテーマ」として紹介し合いました。また、既存のパンフレット等から写真などを切り取りつつ、起業後のビジョンのイメージを制作。私たち運営側から秋田の観光客やグリーン・ツーリズムの現状をお伝えしつつ、それぞれが考える商品やグリーン・ツーリズムのターゲット像が具体的に見えてきました。
浜のそば
一行は、男鹿市男鹿中にある浜のそばに向かいました。ここでは平成27年より同地域の浜間口にあった耕作放棄地を活用してそば栽培を開始。平成29年に店舗をオープンして男鹿産の手打ちそばを提供しています。
海沿いの潮風に吹かれて育ったそばは香りが高く、風味も強いのが特徴です。
そばマスターの進藤由秀さん。自ら育てた蕎麦を自分で手打ちしたものを提供しています。
観光マスターの佐沢さん。お話の後、そば畑を案内して下さいました。
各農家民宿へ
その後、三種町にある農家民宿2軒に分宿しました。それぞれ、女性はしばたん家(柴田千津子さん)、男性は静山荘(森田吉男さん)に宿泊です。しばたん家では夕食づくり、静山荘では森田さんからお話を伺いました。
巻き寿司作り体験
しばたん家の人気体験メニューのひとつ、巻き寿司作り体験。巻きすの使い方、海苔の大きさ、酢飯の使い方などどれひとつとっても「へぇー」と発見の連続です。
教えてくださったしばたん家のオーナー・柴田千津子さん。
巻き寿司の中心部になる花模様を作ります。酢飯や具材の置き方で形が決まることに奥の深さを感じます。
花の模様、カツ巻、納豆巻の3種類ができました。納豆巻は、中に入れる納豆の量を欲張らないのがポイントです。
<3日目>三種町
農業体験
3日目は、田舎ぐらし大学みたねによる、森田農園・じゅんさい沼でのじゅんさい摘み体験をしました。
静山荘のプライベートじゅんさい沼でのじゅんさい摘み体験をしました。
緑の食べるエメラルド・じゅんさい。このぐらいの大きさのものを収穫してもらいます。
1人1船で、いざ出航!
比内地鶏の出汁がきいた熱々のスープにじゅんさいを入れたじゅんさい鍋に舌つづみ。生のじゅんさいを楽しめる地元民お勧めの食べ方でいただきました。
3日間の研修は、GTを取り入れた起業を目指し、構想を練っている段階の皆さんに実践の場を提供する良い機会となりました。
以下、参加した研修生の感想です(抜粋)。
- 3日間の研修で、自分の趣味や特技を生かすなど個性をもった魅力的な人間にならなければと思いました。そうなれるよう自分で自分自身を考えながら勉強を続けようと思います。
- 昨年度受講した短期研修より具体的な研修内容となっていた。具体的な事業計画を考えるきっかけになりました。
- ワークショップでは、ファシリテーターの方がとてもよかったです。改めて、自分が本当にやりたい事を整理して、言語化することが大切であり、その上での起業プランだという事が腹落ちいたしました。
- 農家民宿や農家レストランを起業するにあたって、旅館業法、食品衛生法、消防法などをしっかり学ぶことができました。研修やワークショップを通して、より具体的に起業をイメージできました。有意義な体験もたくさん用意していただき、ありがとうございました。
「農泊ビジネス起業実践研修」に関するお問合せ
秋田県 農林水産部 農山村振興課TEL:018-860-1851 FAX:018-860-3815
E-mail:nosanson@mail2.pref.akita.jp