平成30年9月15日(土)~17日(月・祝)
グリーン・ツーリズムに興味のある秋田県への移住希望者を対象に、県内の農家民宿や農家レストランを訪問し、経営者から実際にお話を聞いたり、宿泊や食事、体験活動を通じて「グリーン・ツーリズムに取り組む秋田での暮らし」をイメージしてもらおうと、「農家民宿等グリーン・ツーリズム短期研修」を実施しました。その研修3日間の様子をご紹介します。
<主催:秋田県/運営:NPO法人秋田花まるっグリーン・ツーリズム推進協議会>
<1日目>北秋田市
講話・情報提供
研修は、北秋田市民ふれあいプラザコムコムからスタートしました。主催の秋田県農林水産部農山村振興課の伊藤技師より本研修の説明を受け、講話へと進みました。
「グリーン・ツーリズムと地域資源」というテーマで講話してくださった、国際教養大学の熊谷嘉隆教授。ご自身も秋田への移住者ということもあり、その目線からのお話に惹き込まれました。
研修開催地である北秋田市の移住・定住に関する取り組みについて、市総務部総合政策課移住・定住支援室の鈴木さんにお話をいただきました。
ふみきり野cafe
一行は、北秋田市合川地区に移住し、農家レストラン「ふみきり野cafe」を開業した加藤由美子さんを訪ねました。ご主人と飼育している比内地鶏の卵を使ったシフォンケーキが人気です。先輩移住者の実体験に基づく農家レストラン経営のアドバイスに、研修生は真剣な面持ちで耳を傾けていました。
こちらが加藤さん自慢のシフォンケーキ。ワンプレートに数種類を並べてもらってルンルン♪
ふみきり野花屋として花苗の販売もしている加藤さん。花壇のデザインも素敵です。
羊たちもいます!恥ずかしがり屋さんですが、少しずつ懐いてくれました。
加藤さんを囲んで記念写真。貴重なお話、ありがとうございました。
ホテルフッシュ、阿仁の森ぶなホテル
ホテルフッシュ 菊地純子さん(写真右)
阿仁の森ぶなホテル(山田博康さん)
1日目は、森吉山の麓に隣接しているホテルフッシュと阿仁の森ぶなホテルに宿泊しました。両施設のオーナーに迎えられて、全員で夕食をいただきました。初対面だった研修生の皆さんですが、この頃には同じ興味関心や目的を共有して、すっかり打ち解けていました。
こちらは、男性陣が宿泊したぶなホテルです。オーナーの山田さんとじっくりお話する様子も見受けられました。北秋田市での暮らしや森吉山の魅力、農家民宿の経営方針などを詳しく伺っている様子でした。
<2日目>北秋田市~大館市
森吉山をゴンドラ散策
2日目、宿を出発した一行は、ゴンドラに乗って森吉山を堪能すべく、阿仁スキー場に向かいました。案内人は、北秋田市に移住し、秋田内陸縦貫鉄道と沿線地域の活性化のための事業を中心にすえた企画事務所「くまのたいら企画」代表の大穂耕一郎さんです。大穂さんと一緒にゴンドラに乗り、ゴンドラ降車場所付近をぐるっと散策しました。
深く空気を吸い込んで、雄大な景色を目の前にしばしの休憩。四季それぞれに見所があり、花の百名山にも選ばれている秋田の名山で、冬には樹氷を見ることができます。
陽気な母さんの店 中山そば打ち体験
森吉山を後にし、大館市にある「陽気な母さんの店」に向かいました。石垣一子代表(写真中央)とスタッフの皆さんに歓迎され、早速そば打ち体験に挑戦です。
そばを切る体験は、手切りと機械切りの両方を体験!幅をそろえて切るのが難しい!
打ちたて、茹でたてのそばを生醤油で食べてそばの風味を味わい、お次は天ぷらをのせて天ぷらそばでいただきました。自分たちで作ったそばは、一段と美味しく感じます♪
昼食後は、大館市移住交流課の小松さんより、移住・交流の取組について情報提供をしてもらいました。また、石垣さんからも「大館市まるごと体験推進協議会」と「陽気な母さんの店」の活動についてお話をいただきました。力強い石垣さんの想い・行動は、研修生の気持ちにも届いたようで、たくさんの感想をいただきました。
大館市の農家民宿で体験・宿泊
その後、男性陣は農家民宿松之助(畠山市子さん)、女性陣は農家民宿いち林(石垣一子さん)に分宿しました。それぞれの宿できりたんぽ作りを体験し、夕食としました。さすが、きりたんぽの本場・大館市、一家に一台「たんぽ焼き機」!簡単そうに見えて案外難しいたんぽ作りのコツを習いながら郷土の味を楽しみました。
*農家民宿 松之助
*農家民宿 いち林
<3日目>大館市
最終日。出発前に宿のお母さんとパチリ☆
農家民宿いち林 石垣一子さん(前列左から2番目)
農家民宿 松之助 畠山市子さん(中央)
農業・農家体験
最終日の朝は、「大館市まるごと体験推進協議会」恒例の秋田弁ラジオ体操から始まりました。自然いっぱいのりんご園でのラジオ体操は気持ちがいいですね♪
石垣さんのりんご園地でりんごのもぎ取り体験をしました。真っ赤に大きく育ったりんごに笑顔がこぼれました。収穫体験はもちろん楽しいですが、ここまで育てた農家さんの想いや苦労も聞くことができ、ステキな時間となりました。
豚汁・おにぎり作り体験・昼食
そして研修の最後に、全員で美味しい豚汁とおにぎりを作り、昼食にしました。
3日間の研修時間をともに過ごし、仲間となった皆さん。実際に農家民宿や農家レストランの経営者や地域活動をする方の話を聞き、各市町村の移住に対する情報等からも、秋田への移住をもっと現実的に捉えてもらえる良い機会となったのではないでしょうか。
以下、参加した研修生の感想です(抜粋)。
- 始めは緊張したが、いろいろ体験を共有していくことで、研修生との交流ができた。
- いろいろな人を紹介頂けて、これからの移住・起業の方針をたてる参考になった。個人的にも経営者とつながりも持つことができたので、後日連絡させて頂き、また冬に来県したい。
- 研修を通じて、県内のいろいろな方と交流ができ、さまざまなビジネスの可能性を感じることができた。そのなかで自分がやりたいこと、してみたいことを考えさせられる良い機会だった。
- 良い話だけではなく、苦労話を聞けたのは大変参考になった。貴重な体験をさせていただきました。
- ディスカッションテーマ決めて、グループ・主催者・移住者・参加者で意見を出し合う機会があれば、一層移住へのアイディアも出てくるのでは?
主催(秋田県)より
今回の研修生の年代は20代~50代と幅広く、「北」は岩手「南」は兵庫と全国各地から参加していただきました。 しかも、やる気に満ちあふれた研修生ばかりで、受入先も元気をもらえたことと思います。
近い将来、今回の研修生たちが、県内に移住し、今度はグリーン・ツーリズムの受入側として活躍してくれることを楽しみにしています。
今回、「短期研修」を受講した方の中から、今後、本格的に秋田に移住・農家レストラン等の起業を検討している方は、2019年度以降、起業プランの策定や経営に係る知識習得を目的とした「実践研修」にステップアップする計画です。
また、「短期研修」も引き続き実施していきたいと考えておりますので、2019年度以降、この研修に参加を希望する方は、お気軽にお問い合わせください。
「農家民宿等グリーン・ツーリズム短期研修」に関するお問合せ
秋田県 農林水産部 農山村振興課TEL:018-860-1851 FAX:018-860-3815
E-mail:nosanson@mail2.pref.akita.jp