ゆう菜家の自慢!~気軽にできるGT体験~

(2011年10月 秋田市雄和)

ヤーコン掘り体験

 2011年10月13日、秋田市雄和にある農家レストラン「ゆう菜家」で、気軽に参加できるグリーン・ツーリズム体験教室が行われました。今回は、秋田市内の農村資源活用を促進する「農村体験プログラム」のモデルプランも担っている「太平山観光開発株式会社」の協力で、昨年に続いて2回目の開催です。

 ヤーコン掘り体験に今年は、そのヤーコンを使用したギョウザ作り体験も加わりました。2年続けて晴天に恵まれ、和気あいあいとした雰囲気の中での交流となりました。

農家レストラン「ゆう菜家」に集合

20名程の参加者が集合。

農家レストラン「ゆう菜家」

農家レストラン「ゆう菜家」

畑へ移動

畑へ移動。「ね~、畑ってまだ?」「すぐだって」

オーナーの浅野さん親子

オーナーの浅野育子さんと息子の明善(あきよし)さん。

浅野さんの説明

「若葉は、お茶にして飲んでもいいよ」

ヤーコン掘り体験

早速ヤーコン掘り体験。

ヤーコン掘り体験

ヤーコン

●○●○●○ ヤーコンについて(※配布資料から) ●○●○●○

ーコンは、南米ペルーの高地が原産のキク科の植物。インカ帝国(14~16世紀)の時代から、祝祭に欠かせない野菜だったようです。生育した草丈は1m50cm以上になります。イモは一株に2~5kg(10~20個)つきます。南米では葉と茎がお茶として飲用されているようです。

康食としてヤーコンが脚光を浴び出したのはその成分にあります。フラクトオリゴ糖が7~10%、食物繊維は2.6/100g、ポリフェノール203mg/100g、ミネラルも多く含まれており、生活習慣病に役立つ食品と言われています。

ヤーコン掘り

 「天候不順な今年は、昨年ほど生育は良くないね」育子さん自らシャベルを持ち、ヤーコンを傷つけないように掘り起こします。結構力がいる作業です。

ヤーコン掘り体験

ヤーコン掘り体験

カボチャ(雪化粧)

 浅野さんのご厚意で、今年もカボチャをいただく。「品種?元なりか末成りか判らない雪化粧だと思うよ(笑)」と、育子さん。

カボチャの花に、カエル

 カボチャの花、綺麗~と見とれていると、何やら中で蠢くものが…よーく見ると、そこには蛙が。こちらを睨みつけておりました。

カボチャをゲット

カボチャもゲット。ほくほく♪

散策

お散歩しながら、ゆう菜家に戻りましょ。

稲刈り後の田んぼ

 「稲刈りが終わって、何もない~」とガッカリする声が…でも、おかげで今年も新米がいただけるので、この景観も大切な秋の恵み。

ギョウザづくり体験

 さて、農家レストラン「ゆう菜家」に戻り、ヤーコンを使用してのギョウザづくり。レストランで提供しているレシピで体験。

ヤーコンギョウザ作り体験

 佐々木要さん・美以子さんご夫妻(左)は、昨年も参加された方。「今年も楽しいね。僕は今日誕生日なんだけど、良い思い出になったよ」

ヤーコンギョウザ作り体験

 具となるヤーコンは、サイコロ状に刻んだものとフードプロセッサーにかけジューシーにしたものとをミックスし、ヤーコン入りの皮に包みます。

ヤーコンギョウザ

焼き上がったヤーコンギョウザがこちら。

ヤーコン定食

ヤーコンをたくさん使用した、ヤーコン麺の定食。

昼食タイム

昼食タイム。

いちじくの甘露煮

いちじくの甘露煮は、レモン果汁が入ってさっぱりと。

 昼食後の「ふれあいタイム」では、自己紹介を兼ねた交流会です。新屋からお越しの参加者は、「新屋から(「ゆう菜家」は)わりと近いと思うんだけど、こういうイベントとかがないと、我々は知るきっかけがないでしょ。それで知人に『その農家レストランてなんただ名前よ~?』って聞いたら『言うなや!(ゆう菜家)』と言われ、『なして、おせでけねな?』と思った」と、皆の笑いを誘っていました。

 また、「ヤーコンは、調理の仕方が分からなかったので参加した」という多くの参加者らに、育子さんからヤーコンを料理するにあたってのアドバイスがありました。調理はわりと手間かからないよ。皮はむかず、ゴボウのようにこそげれば、すぐ利用できる。アクも旨味だから、水にも漬けない。なますは酢に晒して。他にもきんぴら・炊き込みご飯・天ぷら・味噌漬け・薄切りにして梅漬けの汁に漬けたりしても美味しいよ」

 男鹿からお越しの参加者・キョウ子さんは、ご自身もヤーコンを作付しているとのことで「今回は、その料理の仕方が大変参考になった」と感心されていました。

 下記では、そのヤーコン料理の一例をご紹介。皆さんも、ぜひ試してみてください!

 

●○●○●○ ヤーコン料理の一例(※配布資料から) ●○●○●○

てんぷら皮を軽くむき、輪切りにし、少々衣をつけて揚げます。また、ヤーコンを短冊に切り、たまねぎ、にんじんなどと一緒にかき揚げにしても美味しいです。

豚肉とヤーコンのさっと煮豚肉を5mm幅に細切りにし、醤油・酒・生姜で10分ほど下味をつけます。ヤーコンは薄い短冊に切り、酢水に晒しアクを抜き水気を切ります。鍋にゴマ油を熱し、豚肉・微塵切りしたネギを強火で炒め、肉の色が変わったらヤーコンを入れます。調味料(醤油・酒・お好みの調味料)を入れて汁気がなくなるまで炒めます。

ふれあいタイム

参加者同士和やかに談笑。

ゆう菜家スタッフ

ゆう菜家の皆さん。 

 このイベントは、年に一度でも時間を作って行きたいと思わせるほど魅力的。

 「昨年の10周年記念イベントを機に、今年も皆が集まれる体験を行いたいと思って実施しました」と育子さん。「ヤーコン」という聞きなれない野菜を、当たり前のように農家レストランで提供してくれる「ゆう菜家」ですが、そこに至るまでは、紆余曲折が。

 「まず、栽培に関する知識がない。しかもヤーコンは、冷凍するとグシャッとなってしまうから、保存が難しいの。いかに新鮮に、常温で保存できるかが問題。今は息子が製麺担当、来年は夫が退職して野菜作りに専念してくれる予定。皆に支えられ、10月1日で開業して12年目になりました。最初のうちは、知識のある女性のお客さんに戸惑い、『何としたらいいべ~』の毎日でしたが、ここで生まれ育ち、ここでずっと生きていくのが自分。ここの風景が好きで、良い場所だと思っているから、その断片でもお客さんに感じ取ってもらいたいと、迷いはいつしか喜びになりました。次第に常連さんも増えてきて、恵まれているなと感じます」

 ヤーコン収穫体験、毎年続けばいいなぁ。もし来年も開催されたら、皆さんもぜひ参加してみてくださいね。

ヤーコン掘り体験参加者

 それにしても、農作業と通常のレストラン業務だけで手いっぱいな筈なのに、どうして育子さんはこんなにタフなんだろう?その秘訣を聞くと、「たまに、秋田市に仲間同士で飲みに行くのも楽しみのひとつ」という答えが返ってきました。なるほど、頑張った分適度な息抜きも欠かさない、生真面目ばかりじゃ持たないってところでしょうか…。そんなフラットな人間性も兼ね備えている、浅野さんをはじめとしたスタッフの笑顔は「ゆう菜家」の自慢。人と人とをつなぐ笑顔のパイプ。農家レストラン「ゆう菜家」が長く愛される理由です。

  

県央地区現地特派員 よどぎみ

 

★農家レストラン「ゆう菜家」にもお出かけくださいね。現在は期間限定でヤーコン料理を食べることができますよ(詳しくはお問い合わせください 018-887-2866)。

2010年の様子はコチラ!ゆう菜家10周年感謝祭!

 日増しに秋の気配が濃くなってきた2010年10月14日の晴天日、10月1日をもって開業10周年となった、秋田市雄和にある農家レストラン「ゆう菜家」の記念イベントが行われました!

 午前中は「ヤーコン」の収穫体験となりました。「ヤーコン」とは南米アンデス高地原産のキク科の多年草(根菜)。腸内のビフィズス菌を増やすフラクトオリゴ糖やポリフェノール、豊富な食物繊維やカリウムを含む野菜として、注目されています。

 日本に導入されたのが1985年なので馴染みが薄いかも知れませんが、「ゆう菜家」では、秋になるとヤーコン料理として提供されることもあり、おなじみの野菜です。

9:00、農家レストラン「ゆう菜家」に集合。

朝の日差しが、まるで初夏のように爽やか!

てくてくてくてく、近くの畑まで約1キロ、歩いて移動。「天気良くて、いいお散歩だね♪」

 収穫体験の会場となった、「わくわくEM自然農園(秋田EM活用研究会)」。

  EM(Effective=有用・Micro-organismsbisei微生物群の意)とは、自然界に生息する土着菌を生かし、農薬を最小限に抑え研究栽培することです(EM研究機構)。

 農家レストラン「ゆう菜家」のオーナー・浅野育子さん(写真左)。 

 この農園は、育子さんのお父様がお母様のために、土造りの基本を踏まえ、自然農法栽培地として一生懸命つくりあげたそうなのです。優しいお父様ですね…。

 その「安心・安全」の土壌で無農薬栽培されたヤーコンを、収穫体験させていただきました。

さっそくヤーコンの収穫体験!

朝露がキラキラ光って眩しい。

「どうやって刈るの?」まずは、一列になって、恐る恐る見よう見まねで挑戦(笑)。

「よっこらしょ!」ヤーコンに傷をつけないように掘り起こします。

ヤーコンは、生でも食べることができます。「あ~ん!」(※食べる真似です。)

無造作に積まれたヤーコンは、大根のよう。

お茶としても重宝されるヤーコンの葉っぱ。

「大丈夫~?」と、育子さんが様子を伺いにやってきました。

「ダイジョウブ~v」と言って、ヤーコンを株ごと持ち上げます!

こちらは巨大な株。「重い!!」土崎からお越しの明珍さん。「ヤーコンは初めてだから、食べるのが楽しみ♪」とのこと。

ガラッと並んだヤーコン。虫がつきにくい代わりに、ねずみに食べられ易いそうです。ほのかに甘くておいしいからかな。

作業も終盤になると、口数も減って集中モードになってきます(笑)。

皆で収穫したヤーコンはこのあと、今年の新商品「ヤーコン乾麺」へと生まれ変わります。

 ■秋の味覚の贈り物(吉田さんちの柿の木ほか)

 ヤーコン畑のその奥に、鮮やかな山吹色に染まった柿の木を発見。

 思わず近づいてみると、竹取物語ではないけれど、「もと光る柿なん一本ありける」というくらい、太陽の光を浴びて艶々と光っているようでした(柿取物語になりそう?)。

集落にお住まいで、この辺の柿の木一帯を守り続けている吉田喜代司さんは、今年で88歳。「米寿ですね。おめでとうございます」と言うと、「あ~、んだっけか!」。

上げる程の柿の木の海に見とれ、シャッターを切りながら溺れるようにして中に入っていく。と、「はじっこの木さ付いたのだば、持ってっていいよー」との声が。

ちょっと寄り道して写真撮ってただけなのに、柿もらっちゃった♪

よどぎみ、何の収穫に来たんだか…。

渋柿なので、ホワイトリカーにさわしてからいただきました。とっても美味しかった~ありがとうございます!

カボチャの花が、満開です

そしてカボチャもいただく・・・。

 お手伝いに駆けつけてくれたハナコさんが持ってきてくれたナツメは、りんごみたいなパリパリした爽やかな食感が美味。山栗は、育子さんの飲み友達からの贈り物で、余すことなく皆さんに配られました。

 そしてナツメ(写真上)や、山栗(写真右)もいただく・・・。

 

 収穫させていただいた以上に、これでもかという程に秋の味覚攻撃で、嬉しい限りでした。

 ■ヤーコン料理を囲んで(農家レストラン「ゆう菜家」にて)

 お昼は農家レストラン「ゆう菜家」に戻り、ヤーコンを使った色とりどりのお料理が振る舞われました。

 美味しい季節の味わいに舌鼓を打ちながら、参加者や関係者達は語らい、情報交換に花を咲かせていました。

 秋田県は杉の植林率が高く、広葉落葉樹林が人里から離れていたりするのですが、昔からの山林でなら、何か発見できそう・・・。

 雑木林の中で、枯木の間からたっくさんの「さわもだし」を発見!これぞ秋の味覚です。油揚げと一緒に、味噌汁がおすすめです。

朝顔も、その清楚な顔を覗かせていました。

古い神社がありました。

農家レストラン「ゆう菜家」のスタッフも、大忙し!手慣れた手つきで手際良く、料理が盛られていきます。尊敬。

育子さんの息子さん。いつもは製麺担当の彼ですが、人数が多い時などは心強い助っ人です。

 

 麺、天麩羅、おかゆ、がっこ、なめことの醤油煮・・・すべてにヤーコンを使用した、農家レストラン「ゆう菜家」特製ヤーコン三昧のお昼御飯。

 写真右上はいちじくの甘露煮、がっこの脇に見えるのは、糸かぼちゃとミズのコブのがっこです。こんなにボリュームたっぷりなのに、参加者の皆さんペロッと平らげてしまいました!

12:30頃ゆう菜家の中庭で、ABS秋田テレビの「おはよう秋田市長です」番組のロケがありました。(写真は、穂積志市長と、佐藤美知子アナウンサー。)

その後スタッフ共々お二人が来店、TVの取材に参加者全員が居合わせました。番組は10月31日(日)7:30~7:45の放映予定ですので、皆さんも要チェック!

✿10周年おめでとうございます✿ 

せっかくなので、記念写真を一枚!忙しい中快く応じてくださり、ありがとうございます!

農家レストラン「ゆう菜家」

 

 営業時間:10:00~15:00

        (ラストオーダー14:30)

 定休日:毎週木曜日

       (1・2月は冬期休業です)

 住所:秋田市雄和向野字前開45

 電話:018-887-2866(浅野)

 

 参加者の中には、「オープン当初からファンで、10年くらい通っています。東京にいる子どもたちが帰ってくると、必ず家族で食べに行きます」というご夫妻もおりました。

 こんなにたくさんの方々に愛されている農家レストラン「ゆう菜家」、その秘訣はなんだろう?食事の美味しさ?周りの景色の美しさ?農業体験の内容?・・・いえいえ、それらを上回る浅野さん一家のデッカイ愛情が、人々を出迎えてくれるからでしょう!

 

心もお腹も大満足♪ 県央地区特派員 よどぎみでした。