留学生が西木町の農家民宿へ 

する・聞く・語る秋田の農業 in 西木町

農業体験ツアー編

農業体験ツアー

2011年 

10月15日~16日

テーマ 「秋田の農業の魅力と苦労」

1日目はグループ毎に農家民宿に宿泊。農業体験や郷土料理作りに挑戦。2日目は農家の方からテーマについて聞き取りを行う。

収穫感謝祭ツアー
11月12日

テーマ 「留学生と秋田の農業」

料理体験を兼ねながら、農業体験ツアーの結果を受け、グル―プで「留学生は秋田の農業にどのように貢献できるか/貢献したいか」を探る。

異国の地、日本。そして、秋田。

そこに住む農家のお父さん、お母さん。
そこで引き継がれている農業、息づく文化。


知らない土地で出会い、迎えてくれた日本人の温かい家族が「農業」について
教えてくれました。実際に自分たちも体験する中で、農家が考える「農業の魅力、苦労」に迫り、自分たちがどのように貢献できるかを考えました。


日本を含む11カ国からやってきた留学生が仙北市西木町に大集合。テーマに沿って学び得る中、言葉の壁を払いのけて育まれた、彼らと家族の様子をご紹介します。

 

主催:秋田地域留学生等交流推進会議

企画・運営:秋田大学国際交流センター

協力:グリーン・ツーリズム西木研究会

(本協議会会員:星雪館泰山堂のどか里の灯くりの木一の重一助

 
農業体験ツアー
*1日目 農家民宿 くりの木

交流会第1弾となる10月、私は本協議会会員である、農家民宿くりの木(代表:佐々木弘子さん)にお世話になりました。

 

こちらはその名の通り、栗園を営む農家民宿です。ここ西木町は日本一大きな栗・西明寺栗の特産地。この時期、佐々木栗園にとっては繁忙期になります。学生のみんなに手伝ってもらうぞ、と大きな期待を込めてお出迎えしました(^^)

 
栗の渋皮むき 
栗の皮むきは、佐々木家にとって日課のようなもの。農家民宿オーナーの佐々木弘子さん(写真左)がお手本を見せてくれました。お孫さんのほのかちゃん(6歳)も上手にお手伝いできるそうです。ひとつ剥くのに、気が遠くなりそうなほど時間がかかる作業。これを全て手作業でこなすことをお母さんから聞いて、ただ驚くことしかできません…。渋皮を残したものは渋皮煮に、渋皮を剥いたものは甘露煮に。
 
お昼ごはん 

(写真左から)ケイさん、プーイさん、ターニャさん、かおりさん、カドウさん。

作業を終えた後は、お昼ごはん♪作って頂いた、カレーの具材やおかずのほとんどは畑から直送。それに、つやつやのご飯は、精米したての新米です。みんなで食べる楽しさも美味しさの一つに加わりました。

 
だまこもち作り 

夕食の一品となる、郷土料理・だまこ鍋の下準備として、メインとなるだまこもちを作りました。だまこ鍋は、きりたんぽとよく似ているお鍋です。


炊いたご飯を粒がなくなるまで潰し、食べやすい一口サイズに丸めていくと完成!美味しいお鍋になりますように。

 
栗拾い 

農家民宿くりの木から車で間もなくの佐々木栗園へ。ここは、春になるとかたくり群生地として紫色の花が絨毯のように咲き、多くの観光客で賑わう場所でもあります。

素人の私たちには、たくさんの栗が園内いっぱいに転がっているように見えるのですが、「今年の栗は不作で…」と、熊に倒された栗の木を見せてもらうとその深刻さが伝わってきました。

初体験となる栗拾いを楽しんだみんな。

完熟し、自然と実を落とした栗を腰を曲げて拾い集めました。
指導してくれたのは、ほのかちゃんのお母さん・美樹子さん(写真右から2番目)。

 
栗の選別・選果
収穫してきた栗を、まずは選別機にかけて、大小のサイズごとに分けていきます。大小の網目の上を、栗が踊るように流されていき、最後まで辿りついたのが3Lサイズ(写真右下)。

サイズごとに分けられた栗は、虫食いなどがないか手作業で更に分けられました。
栗は、そのまま販売されるほか、加工品など様々な形で消費者のもとに届けられます。

陽がすっかり傾き、電気を灯して作業をしていると、「そろそろお家に入ろう」とお母さん。しかし、大事な行程を任されたみんなは、「あともう少し」となかなか手を休めようとしませんでした。

 
夜ごはん 

みんなでテーブルいっぱいに並べられたお料理を囲み、カンパーイ! 栗ご飯やだまこ鍋。みんなが頑張った成果も夕食に並べてくれました。美味しいお料理、ありがとうございました。
 
ゆべし作り 
夕食後、午前中に途中の行程まで進んでいた“ゆべし作り”の続きを体験。きな粉とゴマを餅に良く練り込んで、2色の餅を作ります。それを棒状に伸ばし、2色をうまく絡ませていくとマーブル状の餅が完成。ゆべし作りが大好きというお母さんは、まさにその手作りの楽しさを教えてくれました。もちろん、その味も万国共通に「おいしい」という高評価(^^)
 
*2日目 農家体験(農家民宿くりの木)~意見交換会 
障子の張替
2日目の朝もあいにくの雨。畑に出る予定を変更して、佐々木家の障子の張替を手伝いました。農作業だけが農家の暮らし体験とは限らないですよね。日本人であっても滅多にしない障子の張替は、学生のみんなにとって日本の文化にも触れられる貴重な体験となりました。真っ白な障子が和室の雰囲気をキリッと引き立てるような出来栄えに。
 
昼食~意見交換会
それぞれの農家民宿で貴重な時間を過ごしてきた留学生が、かたくり館に集まり昼食をとりました。また、感想を発表し合い、お世話になった農家さんから農業について聞き取る時間に。

農家民宿のどかでは、豆腐作りに挑戦したそうです。その際に出てくる豆乳が話題に。

他国でも豆乳は売っているそうですが、その値段は高いそう。今回の体験で、自分たちでその豆乳を作れたことをとても喜んでいる学生さんが印象的でした。この2日間、天気にはなかなか恵まれませんでしたが、どの民宿でも日本らしく、農村らしい暮らしを体験出来た様子。

 

1班 星雪館

(代表:門脇富士美さん)

2班 泰山堂

(代表:藤井けい子さん)

3班 のどか

代表:高橋由希子さん)

4班 里の灯

代表:佐藤由井さん)

5班 くりの木

代表:佐々木弘子さん)

6班 一の重

代表:佐藤郁子さん)

7班 一助

代表:澤山節子さん)

今年3回目となる留学生と西木町の農家民宿との交流ですが、一昨年の1回目こそ「言葉」の心配をしていたお母さんたち。しかし、今回はもうすっかり慣れたご様子でした。


「伝えたい」「理解したい」

きっと、そういう気持ちを大切にしていれば、「言葉」は壁にならないのでしょう。


さて、この2日間を通して感じたこと、聞いたことを活かして

「留学生は秋田の農業にどのように貢献できるか/貢献したいか」の考察に入ります。それは、第2弾となる収穫感謝祭のメインテーマに!


この記事も第2弾へと続きます!収穫感謝祭ツアー編をお楽しみに☆

 

県南担当 けこさん