秋田花まるっグリーン・ツーリズム推進協議会ブログ

大館市 北鹿ハリストス正教会 降誕祭(クリスマス)前夜

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2010年12月23日(木・祝)
大館市曲田にある北鹿ハリストス正教会 曲田福音聖堂で降誕祭(クリスマス)前晩祷が開かれ、
地元の人たちなどおよそ15人が集まり、クリスマスを祝いました。
北鹿(ほくろく)ハリストス正教会 曲田(まがた)福音聖堂は、日本ハリストス正教会の聖堂のひとつで
明治期 聖ニコライによってもたらされたロシア正教からはじまっています。
大館市曲田地区は協議会会員である陽気な母さんの店のある地区。
お店にうかがうたびにこの教会に一度行ってみたいなと思っていたのです。
今回は信徒でなくても中を見学できるということで、歴史ある建造物と素敵なイコンを観に行ってきました。

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聖堂の歴史などについて話をする釜谷神父      曲げわっぱの技巧を用いたドーム
曲田福音聖堂は現存する国内最古の木造ビザンチン様式教会堂建築として昭和41年県の文化財に指定されました。
明治25年、曲田に生まれ縁あって洗礼を受けた畠山市之助は、東京復活大聖堂(通称ニコライ堂)を訪れ、
「これをふるさとにも」と願いニコライ堂を模して曲田の自宅敷地内にこの教会を建てました。
自らの山に植わる天然秋田杉を贅沢に使った木造の教会。
象徴的なドームは曲げわっぱの技術を用いており、すばらしく美しい歪曲を成しています。

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また、この教会の文化的価値を高めているのが中に飾られた18点のイコン。
日本の油絵とくに聖像画の先駆けとして知られる山下りんの作品です。
これも聖堂建設の際、畠山市之助が山下りんに依頼して書いてもらったものなのだそうです。

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この日、教会を訪れる前にある一人の女性に会いました。
曲田に生まれ、今は市内の別の地域に嫁いでいった70歳を過ぎるその女性は、
昔の日曜学校の様子を今も鮮明に覚えているといいます。
「子どもの時は日曜学校が楽しみでねぇ。じいさんに、うちはキリスト教じゃないから行けばだめだって
言われたものだから、かくれて行ったもんだ(笑)子どもだものやっぱり行きたいじゃない。
家のおやつがイモとかだった時に、行けばチョコレートだのアメだのもらえるんだものね。
ある時、黒い車に乗って外国の人が来たことがあってね。
アコーディオンを持って曲田のつり橋を渡ってきてさ。今でもちゃんと覚えてるよ。
クリスマス会も楽しみだったなぁ。プレゼント交換をするのよ。手作りのお手玉とか色を塗ったコマとかね。」
よっぽど楽しい思い出なのでしょう。昔の話をする女性の顔はまるで子どものように楽しそうでした。

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そうして親しんでいたのも小学生くらいまでだったと女性は言います。
時代が流れ、集落にも人が減り、いま北鹿ハリストス正教会の信徒もずいぶんと減ってしまったそうです。
「むかしこの辺で大火があった時、この教会は柿の木に守られてほぼ無傷で残ったんです。
ここは何かに守られているってその時はとても信徒さんも増えたんだけど」

出席されていた釜谷神父のお母さんが教えてくれました。
その柿の木は今も教会の玄関前に立ち実を成らせ教会を守り続けています。

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明日はクリスマス。
どこで誰とどんな風に過ごしていても、この世界のどこかで誰かが自分のことを大切に思ってくれている、
そんな幸せを感じる日になりますように…

事前に連絡をすれば教会内を見学することもできます。
その際は、ぜひ陽気な母さんの店にもお立ち寄りくださいね。

                                      県北担当 やっつ

2010年12月24日13:24 | 県北情報 | Trackbacks (0)

能代市 植木屋さんが伝えたいこと~街路樹の在り方について考える~

いま、能代市の市民プラザで、とある写真展が開かれています。
パネル6面に渡り展示されている能代市や五城目町、東京都の街路樹の写真。
この写真展を開いているのが能代市二ツ井で造園業を営む福岡徹さん(左)です。
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↑ 左:写真展を開いている福岡徹さん。
  右:電線に触るからと樹高を極端に下げられたイチョウ。福岡さんは景観としての街路樹の役割も大切と話す。
「子どもに言われたんです。どうしてあの木は腕がないの?って。
子どもは絵本の中でよく目にする、顔が合って枝(腕)を広げた姿こそが木だとイメージしている。
自分はこういう仕事をしているのに答えられなかった。」
子どもの指さす方向には四方八方の枝を無造作に落とされ、幹だけになってもなお“街路樹”として
立ち続ける木の姿がありました。
「街に落ちる葉は邪魔にされるけど、白神山地に落ちる葉は宝もの。白神山地の木も街路樹も同じ木なのに。」

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街路樹が剪定される大きな理由は落ち葉の問題です。
秋、落ち葉となって庭先、玄関先に舞いこむ街路樹の葉はそこに住む人にとっては少し迷惑です。
高齢化も進み、住民にとっては落ち葉掃きや葉の片づけも簡単な作業ではありません。
福岡さんはそういった住民の声にきちんと耳を傾けた上で、
街路樹のあり方についてみんなで考えようと投げかけています。
「落ち葉を集める仕組みや活かし方を地域活動として進めていけかなければと思っています。
いま、能代市では集めた落ち葉を腐葉土にして再利用しているんだそうです。
それをもっとちゃんと住民に伝えればいい。
そうすれば落ち葉集めがただのゴミ拾いじゃなくて意味のあるものになる。」


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↑ 左:交差点のプラタナス。
            
信号の支障になるための剪定だか、必要最低限の剪定でいいはず、と福岡さんは言う。
   右:12月になっても青葉のままの秋田県能代市のプラタナスの木。
        真夏の強剪定で次の季節までの栄養を蓄えるのが間に合わず紅葉できずにいるという。
福岡さんはこうした街路樹の現状を行政や市民に関心を持ってもらうため、
5年前から新聞や雑誌へ記事を投稿するなどの啓発活動を行ってきました。
「この5年でいろいろ勉強し発見もたくさんしています。
“美しい樹形”というのは人間の傲慢さ。もっと木のことを考えなければいけないんです。
ハサミひとつ、のこぎりひとつが木の生き方を決めてしまうんです。」


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↑ 福岡さんが理想とする人と街路樹の在り方 
  (左:東京都神宮外苑のイチョウ並木、右:秋田県五城目町ケヤキの街路樹)
イチョウは、木が柔らかく、葉も分厚くて水分をたくさん含んでいるため防火樹の役割を持っているのだそうです。
かつて大火の多かった能代市で、イチョウが並木を作っているのにはちゃんと理由がある。
この写真展を通じ、これから街がどうなってほしいと考えていますかと聞くと、福岡さんはこう答えてくれました。
「木が木らしく生き生きとして、
木が木陰とかの街路樹としての役割をきちんと果たせるようになってくれればいい。
まだ間に合う。1歩進んだと思ったとたん5歩も10歩も下がっているような気がする時もあるけど、
誰かがやらないといけないことです。」

“木が木らしく生きる”。
当たり前のことのように聞こえるこの言葉も、実はそう簡単なことではないのかもしれません。
この写真展をきっかけにみなさんも身近な“自然”や“木”について、今一度一緒に考えてみませんか?
福岡さんの写真展は28日まで能代市 能代駅前の市民プラザで開かれています。

■福岡さんのブログ 「紅の葉の木陰」
                                            県北担当やっつ

2010年12月22日17:42 | 県北情報 | Trackbacks (0)

鹿角市 大湯小学校田代分校のクリスマス会

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12月18日(土)鹿角市十和田大湯田代平にある鹿角市立大湯小学校田代分校で、
毎年恒例のクリスマス会が開かれました。田代分校は県内唯一の冬季分校で、
今年は田代地区に住む5人の子どもたちが12月1日から元気に通っています。
クリスマス会は50年ほど前から続いていて、これまで一度も中止になったことはないそうです。
酪農が中心の田代地区の子どもたちに、
乳業会社からお菓子がプレゼントされたことから始まっています。

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クリスマス会は学校行事ではなく田代地区の青年部、つまり子どもたちのお父さん、お母さんたちが
中心となって企画した地域の行事です。校舎は地域の公民館の役割も果たしています。
数日前から本格的な雪が降りとても寒い一日でしたが、
メリークリスマスと書かれた垂れ幕とツリーの飾られた体育館には児童や父母、祖父母のほか、
以前分校に勤務していた先生たちなど学校にゆかりのある人たちおよそ70人が集まりました。

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お母さんたちが用意してくれたあったかいうどんを食べていると、2人のサンタさんが登場。
今年も子どもたちに乳業会社から届いたお菓子のおっきな袋がプレゼントされました。

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田代分校のクリスマス会の見どころはなんといっても凝りに凝った“余興”にあります。
まずは、司会者曰く“劇団四季もビックリ”の抜群の演技力を見せた子どもたちのコント。
宿題が分からない子どもたちが、3人で電話を掛け合いながらも結局すれ違ってしまうという物語(左)と、
先生に化けたタヌキのポン吉くんと、そこに面談にやって来たちょっと勘違いが多いお父さんタヌキとの
チグハグなやりとりが面白い物語(右)の2つが演じられ、会場からは大きな笑いが溢れていました。

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みんなすごいなぁ~と感心していると、突然始まったクイズ大会。
出題はなんとコントの内容について。しかもわたしも「お客さんチーム」で参加させていただきました。
こんなことならもっとちゃんと見ておけばよかった…と後悔したのは言うまでもありません。
「一番のしっかり者はだれでしょう?」や「ポン吉くんのお父さんが持っていたものは何でしょう?」など
ちゃんと見ていれば分かるけど勘では当たらないというなかなかの質問。
一番苦戦していたのはOBチーム=お父さんたちチームでした。

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子どもたちのコントに続き、先生たちの三線(さんしん)の演奏とお父さんたちのロシアンルーレット的クイズ大会。
子どもたちはどの大人がハズレを引いたのか手を挙げて当てます。

そして…
そろそろ会も終わりかなと思っていた、その時!

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ピンクのマントを翻しながら悪者が現れたんです!(すごい!すごい!)
あっという間に悪者 タイサイボンが手下のジョッパーと共に分校の先生たちを人質にとってしまいました。
こりゃ大変です!

そんな先生たちのピンチを救うべくミルクのように真っ白な姿で現れたのが
田代が誇る正義のスーパーヒーロー カウミルダー
(わくわく♪わくわく♪)
ついに始まる カウミルダー VS タイサイボン の戦い!
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・・・とまぁ詳しくあらすじも書きたいのですが、長くなるので想像してください。
とりあえず素晴らしい。とても素晴らしい。
田代にはなんて芸達者な人たちばかりがこんなにいるんだろう、と感動すら覚える時間でした。

このカウミルダーのショーは、6年ほど前に田代地区にU-turnで戻ってきた男性が
クリスマス会で何か面白いことができないかなと考えた末に生まれた、いわば田代のご当地ヒーローです。
衣装やシナリオを考え、地域のお父さんたちに声をかけ実現。
毎回シナリオも変え、3回目の今年はなんとカウミルダーもタイサイボンもパワーアップする進化を遂げています。

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一度離れたふるさとに戻り、自分が学んできたことや培った技術で地域の人たちを喜ばせる、
こんな素敵な恩返しができるのもふるさとがちゃんと残っているからこそ。
50年以上一度も休むことなく行われてきたクリスマス会は
今暮らす子どもたちに楽しみを与え地域の絆を繋げるためだけではなく、ここを巣立っていった人たちが
いつかちゃんと帰ってこれるように、居場所を守り続けていくためでもあるのかもしれません。

最後にみんなで灯したろうそくの火は、その小さなひとつひとつに、
これからもこの場所を残していきたいというみんなの願いが込められているかのようでした。

県北担当やっつ

2010年12月22日04:16 | 県北情報 | Trackbacks (0)

神の魚・鰰「秋田ハタハタ」

P1120747   「男鹿半島・冬の味覚!~ハタハタ番屋が期間限定で復活~」(花まるっ元気通信)でもお伝えしましたとおり、ただ今男鹿市では、ハタハタ漁が最盛期を迎えています。
 「魚」に「神」と書いて「鰰(ハタハタ)」。
 この呼び名は、雷が鳴る11月頃に獲れることから、カミナリウオとも呼ばれ、雷の魚=神の魚=鰰になったと云われています。
 また、通常は全く姿を見せないのに正月の頃突然、産卵のため大群で押し寄せてくることから、「神様からの恵みの魚」であるとして敬意の念を表したのがはじまりと云われています。
 秋田県内各地には、そんなハタハタ漁を支えている漁師さんがたくさんいらっしゃいます。

 「男鹿半島・冬の味覚!~ハタハタ番屋が期間限定で復活~」(花まるっ元気通信)でお世話になった「戸賀浜のかあちゃん」らが所属している、「秋田県漁業協同組合北浦総括支所」の、原田光生総括支所長にお話を伺ってきました。
 
「漁の間は、徹夜どまではいがねくても、連日寝不足だ。そのための番屋なんだども。でも、最盛期を知ってるがら、収量は若干少ねぇな。」
 原田さんは一昨年総括支所に赴任してきてから、約一年の準備期間を経て“戸賀浜のかあちゃん”の加工所を再発足させ、見守ってきました。
 「今回の“番屋の復活”は、とりあえず様子を見てのイベントだったけれど、一過性のものであって欲しくないな。加工所の存続も含めて、いずれ彼女達には自立してほしいと思っている。そのための支援は、もちろん今後も続けていくつもりだし、サイドビジネス的な意味でも応援している。」
 と、番屋復活の裏話を教えて下さいました。
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佐藤業務課長と原田総括支所長
 今の時期、産卵のために大群で押し寄せる秋田県の「季節ハタハタ」は、その大きなお腹に蓄えられたたくさんのブリコのおかげで、他の産地に比べ身が大ぶりなことが特徴として挙げられています(3歳以上のものは、体調約23cm程!)。
 その理由として、秋田県沿岸は、卵を産みつけるのに都合がいい海藻や、ふ化した稚魚が食べるプランクトンが豊富。ハタハタにとって好条件な場所だからです。

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 秋田音頭でも「秋田名物八森ハタハタ♪男鹿でおがぶりこ♪」と謡われているくらい、国内最大のハタハタ産卵場となっています。
 そのくらい、長い歴史のうえで県民の生活に深く、密接に関わってきた魚。
 「ハタハタなしでは、正月を迎えられない」という秋田県民も多いです。
 ちなみに、平成14年には秋田県の「県の魚」に制定されました。
 最近は魚屋さんでもスーパーでも、以前のようにハタハタが大量に並ぶ光景が増えてきました。
 塩焼き、醤油煮、そして「しょっつる鍋」(ハタハタを塩漬けにして2~3年発酵させた魚醤「しょっつる」を使用した、秋田県を代表する鍋)・・・昨日は焼いて食べたから、今晩はしょっつる鍋かな?それとも、味噌漬けやハタハタ寿司を漬けようか―。
 
秋田県民の、いつもの冬をいろどるハタハタ。
 食べる時には、冬の荒海と格闘しながらハタハタ漁に精を出している漁師さんがいるのだということを、ぜひ思いだしてくださいね。
            明日はハタハタかやきの予定・県央地区特派員:よどぎみ。

2010年12月21日18:00 | 県央情報 | Trackbacks (0)

大館市 陽気な母さんの店「新そばを食べる会」

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12月11日(土)大館市の陽気な母さんの店で今年の新そばを味わう「新そばを食べる会」が行われました。
中山ナシで知られる同市内の中山地区で栽培される中山そばを味わいます。
毎年行われる人気のイベントで、今年の定員は30人。寒空の下、市内外からお客様が足を運びました。

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店では朝から30人用の食事の準備で大忙し。
参加費は1000円ですが、あたたかいそばと冷たいそばのほかバイキング形式で
天ぷら、山菜いため、温野菜、さんまの竜田揚げなど10品目が食べられると~っても贅沢な内容です。

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今が旬で陽気な母さんの店一押しのほうれんそうをタネに練り込んだ「揚げほうれんそう餃子のあんかけ」

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市内から参加した女性たちからは、
「とてもおいしい。とくに十割のざるがこしがあっておいしいです。
以前に長野県でとてもおいしいそばを食べたが、それを思い出しました」
「あたたかいそばもそばの香りがしっかりしていておいしいです」と満足の声が聞かれました。

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そばは、陽気な母さんの店の会員 石垣一子さん率いるそば部会の手打ち。
現在年末にむけて年越しそば(きりたんぽ、のし餅も)予約も受け付けています。電話 0186-52-3800
いますぐ新そばを食べたいという人は、店内の食堂でいつでも味わうことができますよ。
右写真はてんぷらそば 580円。
お近くにお越しの際はぜひ一度お立ち寄りください。営業時間 午後3時まで

             ★★★おまけ★★★
毎月一回 ふるまいの日

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この日、朝10時30分頃からお客様にやまのいも汁がふるまわれました。
さすが大館。やまのいもにとんぶりが入っています。

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雪のチラつく天気でしたが、あたたかいサービスにみなさん喜んでいるようでした。

■年末年始の陽気な母さんの店(協議会会員)■
12月31日 正午まで(食堂は休み)
1月1日~3日 正月休み
1月4日~6日 初売り・通常営業時間
                                            県北担当やっつ

2010年12月11日16:03 | 県北情報 | Trackbacks (0)

男鹿半島・冬の味覚!~ハタハタ番屋が期間限定で復活~

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 ハタハタの本場・北浦にハタハタが到来!
 一年で一番男鹿の海が活気づき、漁師が熱くなる季節。
 今年も、待ちに待った季節ハタハタを味わうことのできる時期がやってきました。
 男鹿市では、今年から観光客にハタハタ料理をPRする「ハタハタまつり」が始まり、男鹿市戸賀では「戸賀浜のかあちゃん」たちが腕によりをかけて作った「しょっつる鍋」を、観光客に気軽に味わってもらおうと「ハタハタ番屋」が、今月12日(日)までの期間限定で復活しました。

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 番屋とは、地元の網元が所有し漁の期間中漁師が食事・休憩などした木造平屋の宿のこと。観光用に一部改装をしたものの大漁旗や漁具を飾るなど、当時の雰囲気を残しています。
 そして、この外観。軒先に吊るし干してあるのは、戸賀漁港で獲れた塩サケ。秋田では「ぼだっこ」と呼びます。右の写真の切り身は、「鮭とば」。

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 そして番屋の目印ともなっている手描きの看板は、泉椿魚さん(九州の出身で詩画の創作家。日本海沿いを北上の旅を続け、現在男鹿温泉郷に在住。各地に居を移しながら、地元の人々とのふれあいの中から地域おこしや観光振興などの活動に協力をしている)による作品が、内装に華を添えています。
 よく見ると、左側には名前のようなものが書かれています。これは戸賀に53あるという「屋号」を、地元の人々に訪ねて書き記したものだそうです。

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 お待ちかねの「しょっつる鍋」!
 初めの一杯は、ぷりっぷりの「ぶりこ(ハタハタの卵」が相当入ったメスハタハタが味わえ、二杯目は白子入りで、柔らかな身が楽しめます。
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 しょっつる鍋と合うのはやはり、手作りがっこ。
 大根を鉈で切り、もち米や砂糖酢などで漬けた「なたづけ」や、梅の風味が爽やかな「ままづけ(まま=ごはんのこと)」、酢漬け大根のがっこ(秋田弁で漬物のこと)は、10日程前から準備をしていたそうですが、足りなくなりそうなほど大盛況です。

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 まるで「おかわりリレー」です。
 ハタハタ寿しに至っては、11月8日に漬け込んだものです。冬の男鹿のかあさん達の仕事は、計り知れない量なのです。

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 湯沢市からお越しの佐藤タキ子さんは、「今日は、お友達とドライブがてら来ました。塩分ひかえめで、ちょうどいい。うちで作るのとはまた違った味わいです。」と話してくださいました(写真左より:佐藤タキ子さん、小川稔さん、鈴木幸子さん)。
 また別のお客さんからは、「これで御飯がつけばいいね。定食とかなら食堂もできるんでないの」といった声も聞かれました。


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 旬の味に腕を奮う「戸賀浜のかあちゃん」は、主に秋田県漁業組合北浦総括支所女性部・戸賀支部の皆さんで結成された、期間限定の「料理人」です。
 繁忙な一日が終わり「戸賀浜のかあちゃん」たちに、ようやくお話を聞くことができました。
 「昨年11月から、ここを海産物の加工所として活用してきましたが、今回のはそれとは違い、連日お客さんがやってきて、目が回りそう。」
 「初めての経験で戸惑いもあり、せっかく来ていただいたお客さんには至らない点もあって、心苦しいけれど、皆さんに“おいしい”って言ってもらえて、素直に嬉しい。来年もし同じことができたら、もっとテキパキとやりたい」と語ってくださいました。
 中には、「真心を込めて作ったから、おいしいのは当たり前!」なんて本音を漏らすスタッフも(笑)。

 (写真は、代表の飯沢栄美さんほか「戸賀浜のかあちゃん」たち。)


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 イベントを企画した社団法人男鹿市観光協会の横山俊基さん(男鹿の食誘客推進員リーダー)は、「男鹿のハタハタは、冬の風物詩ということで、直売所などで購入をする方は多かったのですが、観光としてはこれまで特別な動きはしていませんでした。男鹿に根付いている食材を活用し、観光客に足を延ばしてもらえるようなイベントを継続的に企画していこうと考えています。こちらは昔からの「男鹿のA級グルメ」ですから」と、意気込みをみせていました。
 今回の企画が、男鹿の「食」へと誘客する足がかりとなればいいですね。

県央地区特派員:よどぎみでした!

2010年12月10日15:55 | 県央情報 | Trackbacks (0)

農家民宿のキラリ★と光る魅力発見!

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現在、秋田県では“農家民宿”の軒数が着々と増えてきています。
県南部だけでも、その数は仙北地域(仙北市、大仙市、美郷町)で25軒、平鹿地域(横手市)で2軒、雄勝地域(湯沢市、羽後町、東成瀬村)で3軒になりました。
(※平成22年12月9
日現在)

田舎の原風景に誘われ、そこで過ごすには最適の農家民宿。
人の温かさ、目にも贅沢な景色、受け継がれてきた郷土料理…。
農家民宿がもつ魅力はその宿それぞれ。
 

今回、県南部3地域の振興局による合同企画で、地域の魅力をさらに探るべく、
秋田県立大生の皆さんに
農家民宿魅力マップを作成していただくことになりました。
農家民宿で過ごす1泊4食の贅沢な時間。学生の皆さんの心に届いたものとは。。。


つづきはコチラ

県南担当 けこさん

2010年12月9日18:00 | 県南情報 | Trackbacks (0)

あきた農山村 旬を感じるツアー第4弾!内陸線の旅

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2010年12月4日(土) 秋田内陸縦貫鉄道の車内と沿線集落を舞台に、
「あきた農山村旬を感じる日帰りモニターツアー
とっておきのスイーツとあったか郷土料理づくりを楽しむ阿仁歴史散策ツアー」
行われました。雪景色を眺めながらゆったりとした列車の旅。
おいしい食事にスイーツ、地元住民とのふれあいなど、
阿仁地区のみならず秋田の文化の豊かさを再認識した“とっておき”の一日です。

つづきは、美の国秋田 桃源郷をゆくから。

県北担当 やっつ

2010年12月7日00:05 | 県北情報 | Trackbacks (0)

秋田地区看板スウィーツ誕生間近!

 
  月曜日は比較的空いている遊学舎(おそばやさんの「ゆとり庵」が定休日だから?)。
 でも遊学舎の調理実習室「食工房」では、直売所を運営しているお母さん達が秋田地区の直売所の新商品を完成させるべく、熱く燃えていました。

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 秋田地区地場農産物直売連絡会では、「秋田地区の看板スウィーツ」づくりを進めていて、今日はその技術習得と販売方法の相談でした。
 今回のスウィーツには、秋田県立大学の学生も企画に参加。「若者にも直売所に足を運んでもらいたい」という思いから参加してもらっています。そして、いろいろな条件をクリアして採用されたスウィーツは・・・


「フィナンシェ」です!

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 技術指導は、パティシエの船木桃子さん。(写真右)大潟村で「ココティエ」というケーキ屋さんです。本協議会ブログでも紹介させていただいたこともありますよ。

 秋田地区で作られている素材を中に入れています。その素材は・・・食べてのお楽しみ!

 参加した方は、菓子製造の加工所を運営している方やこれから取得しようとしている方々で、手際がすばらしい!いつも台所に小人さんが来てくれて手伝ってくれないかなと思っている私にはうらやましい限り・・・)でも、そんなお母さん方も「調理実習と違って、商品開発だから緊張する~」と言っていましたが、「農家のお母さんが作った洋菓子として、おしゃれにいきたい」と意気込んでいました。

 そんな「フィナンシェ」の試食販売の予定は・・・

12月25日(土)11:00~16:00、アルヴェ(秋田市)の「クリスマスイベント」で行われます。

 クリスマスのごちそうの一つに、ぜひどうぞ!そして新しいスウィーツを応援してくださいね!

 

焦がしバターの香りに誘われて・・・「ふくふく(やわらかい)したお菓子」大好き・代打・GT小鳥がお伝えしました。

2010年12月6日15:29 | 県央情報 | Trackbacks (0)

 市指定無形民俗文化財 “岡本新内”

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横手市雄物川町に継承され続けている、民俗芸能・『岡本新内』
私と岡本新内との出会いは、一年以上前に遡ります。
それが、2009秋田県中山間ふるさと・水と土現地見学会』でした。
見学会の目的の一つである、伝承されてきた文化への出会いは、
私にとって忘れられない恩師との再会でもありました。


岡本新内 踊り

写真左)雄物川町岡本新内伝承会 鈴木多喜子会長
   岡本新内伝承会へのメンバー集めに奔走し、今もなお、その継承にご尽力されています。


岡本新内とは、明治、大正、昭和初期にかけて秋田県内に広く流行した日本舞踊で、
江戸の市川団之丞が安政の頃(1854~1860)に、平鹿郡今宿村(現・横手市雄物川町)に
おいて創作されたと言われています。


「岡本っこ」の愛称で親しまれた舞踊でしたが、繊細で至難な技巧を要する場面もあり、
次第に愛好者が減少し、衰退。現在も雄物川町西野地区に「岡本新内保存会」が存在しますが、
会員の高齢化や後継者不足により、平成9年に中学生への伝承を中心とした「雄物川町岡本新内伝承会」が
発足しました。教師をしていた経験から若い世代への人脈を活かし、岡本新内の継承・普及に努めているのが
私の恩師でもある鈴木会長です。

三味線・唄
伝承会のメンバーは小学3年生から60代まで、計22名の構成。
舞踊、三味線、唄…。どれをとっても、若い世代には縁が薄いと感じてしまいますが、
話を伺った誰もが「楽しい」と口を揃えて答えてくれました。平成9年発足当時、中学生であった方が
今は20代の社会人となり、後輩を育てる立場である姿には「誇り」を感じずにはいられません。

「みんな働いているからあまり時間が取れないけど、こうして若い世代の人が頑張っている。
すぐにバトンタッチはできないけど、岡本新内がずっと残り続けられるように私たちも頑張りたい。」
鈴木会長と二人三脚で活動に取り組む、事務局の佐藤克子さんがお話し下さいました。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

今週末4日(土)と5日(日)、
秋田ふるさと村第5回横手市民ステージ祭が開催されます!
岡本新内伝承会も5日のステージに出演します。
どうぞ、身近に生きた文化を体感してください。
詳しくはコチラ(PDF)


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「ステージ発表が近いし、踊りの練習があるから来てみない?」
一年以上前の再会以来、私と鈴木会長はたびたび連絡を取るようになりました。
中学時代の恩師の姿は当時と変わらず、凛としていてカッコいい。
多喜子先生、今度、アルバム持って遊びに行きますね。

 


再会のきっかけとなった、グリーン・ツーリズムに改めて感謝。
県南担当 けこさん

 

2010年12月3日17:10 | 県南情報 | Trackbacks (0)

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