秋田花まるっグリーン・ツーリズム推進協議会ブログ

その一枚に挑む!第50回花輪地区子ども会対抗かるた大会

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1月10日(月・祝) 鹿角市花輪の花輪市民センターで、第50回花輪地区子ども会対抗かるた大会が
開かれました。いわゆる百人一首かるたを1チーム8人で2人ずつ選出し、リレー形式で対戦するチーム対抗戦。
子どもたちはこの大会に向けて百人一首の上下の句を覚えお正月も返上で猛特訓に励み、
一年で、いや、たった数日で大人も驚く成長ぶりをみせました。

■練習風景
大会4日前の1月6日(木)わたしは以前取材でお世話になった方のご厚意により
2つの町内の練習場所にお邪魔することができました。
【結成3年目 小坂子ども会】
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小坂(こざか)地区の練習場所は地区内の旧保育所。
午後6時を回っていましたが、玄関にはたくさんの小さな長ぐつが並び、
緑色の絨毯が敷かれ暖房が焚かれたあたたかい室内に、およそ25人の子どもたちが集まっていました。

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小学校1年生から中学校1年生までの子どもたち。
4人1組となって100枚の札に向かい小さく腰を上げて、目はかるたに耳は詠手の声に向けられていました。

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初心者(もちろんわたしも)という方のために少しルール説明を。
まず並べるかるたは自分たちの陣地に50枚ずつの計100枚。
詠手が上の句を詠みあげたらそれに続く下の句を取ります。
例えば、近年マンガで有名な在原業平の
「ちはやぶる かみよもきかず たつたがは からくれなゐに みつくくるとは」の場合。
詠手が上の句「ちはやふる・・・」を詠みあげるとそれに続く下の句は「からくれなゐに・・・」の札です。
相手側の陣地の札を取ると自分たちの陣地から1枚相手側に渡します。
25枚ずつで選手を交代して4回対戦。取った枚数で競うのではなく、自分たちの陣地の札が無くなれば勝ちです。

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小坂地区はいわゆる新興住宅地で子どもの数に比べ、指導できる大人の数が少ない地域でもあります。
なかなか後が続かず一時途絶えていた小坂地区のかるたが、親の会の有志によって再開されたのが3年前。
「子どもたちも1年目は無我夢中で参加するだけでしたが、2年目には学年もひとつ上がるし集中力もついて
一生懸命に“勝ちに行く”姿勢がみえるんですよね。1、2年生なんか去年は親の膝から離れられなかったのに、
いまではこうしてちゃんと札に向かって座っている。目に見える進歩ですよ。
今年は出場するDクラスで1位を狙っています!」と話すのは親の会会長の伊藤亨さんです。
このかるた大会はA~Dクラス(一番上のランクがAクラス)に分かれ、その中で順位を決めています。
今年は総勢27チームが参加しました。

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お兄ちゃんのかるたをみて覚えたという小学1年生のゆいちゃんは、
「上の句で取れるようになったことが嬉しい。難しいのはお手付きをしてしまうところ」と教えてくれました。
また、2年生のさきちゃんは今年の目標に「10枚くらいとれるように頑張りたい」と抱負をお話してくれました。

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保護者のおひとりでかるたの再開に携わった女性は、
時折子どもたちに厳しい声をかける一方、とても優しい表情でこう話してくれました。
「かるたはわたしが子どもの頃には当たり前にあったものでした。
小坂は一度途絶えてしまっていましたが、やろうと声をかけたら他のお母さんたちもすぐに集まってくれました。
親も子どもと一緒に札とルールを覚えたり、親同士もとてもよく協力し合っていけていると思います。
花輪はかるたの里だと思うので、子どもたちには子ども会にいる間は続けてもらって、
自分が親になったら今度は自分の子どもに伝えてくれるようになってくれればいいなと思いますね。」

【昨年Aクラス優勝チーム 六日町子ども会】
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2か所目にお邪魔したのが、花輪商店街のある六日町地区。
ここは、小坂地区とは反対に子どもの数が少ない町内です。
指導している大人で、この中に自分の子どもがいる人はいません。
子ども2~3人に大人が1人ついて、初心者や低学年の子どもに細かく丁寧にかるたの取り方を教えています。

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例えば、さきほどの「ちはやぶる・・・」。
百人一首の中に「ち」ではじまる句は三首、そのうち「ちは」で始まる句は一首です。
そのため詠手が「ちは」と詠みあげた瞬間に、下の句「からくれなゐに…」を取ることができます。
こうした取る札を決定させる文字を「決まり字」といいます。指導してくれる大人たちは下の句を指さしながら
「この札の決まり字は“たき”」だとか「この札は“なげ”」だなどと、丁寧に決まり字を教えていました。
試合の時、経験の浅い低学年の子どもが自分の手もとにある札だけでも確実に取れるようにするのは
チーム戦で勝つためには非常に大切なこと。子どもたちも1枚でも多くの札の決まり字を覚えようと必死です。

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六日町は、毎年8月鹿角が誇る夏祭り・花輪ばやしが行われる地域で住民同士の絆がとても強いところです。
また、50年ほど前にこのかるた大会ができる礎となった「花輪かるた同好会」結成時に
中心となった町内でもあります。
かつて花輪中心部の六日町や舟場町などの町内では、人々が各家々を訪問しかるたを楽しんでいました。
人々は競技のためではなくごく自然と生活の中で百人一首を覚え、かるたをしていたそうです。
そのため、かるたを伝統の遊びとして大人が子どもに伝えるという“気持ち”が六日町には連綿と息づいてきました。

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しかし、どの市町村でもそうであるように中心部の少子化は深刻な問題。六日町も例外ではありません。
今年、六日町子ども会の子どもは5人。大会出場可能な高校生を入れても6人しかいません。
1チーム8人で出場するためにはほかの町内から応援を頼むしかないのです。
六日町では近隣の町内から2人が加わっています。2人の住む町内ではかるたをしていないのだそうです。
昔はやりたくても他の町内の子どもが参加することはできなかったそうですが、
今ではそうしたかるたをしたいという子どもを優しく受け入れ、分け隔てなく指導しています。
なんと今年は八幡平(車で10分はかかる場所)に住む2人の兄弟も練習に訪れています。

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詠手として練習を見守っていた花輪かるた同好会の前会長武石佳久さん(右写真)は、
「かるたをする子どもはいい子ばっかり。負けて悔しくて泣いて、でも一生懸命に練習して。
六日町は夏は花輪ばやし、冬はかるたを通じて子どもを一生懸命育てれば、子どももずっと楽しめるじゃない。
ここで育った子どもが大学で競技かるたを始める人もいる。後継者を育てて2段、3段と腕を上げて行ってほしい」
と話してくださいました。

■大会当日
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さて、たくさん頑張った子どもたちの気になる大会の結果は・・・!

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じゃじゃ~ん☆
六日町子ども会 Aクラス優勝(左写真)!2連覇おめでとう!!
小坂子ども会A Dクラス優勝(右写真)!さらに小坂子ども会BはDクラス準優勝!! すばらしいっ!

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今回圧巻だったのが、Aクラスの優勝決定戦 六日町 対 舟場Aの試合。
3番手終了時、六日町は10枚ほどの差で負けていました。誰もがこのまま舟場の勝利かと思っていた最終番。
左写真 左端の高校生の杉江瞬くんがプレッシャーと大勢の観衆の中、
驚異の集中力でジリジリと舟場を追いつめ結果3枚差での大逆転勝利☆
相手側の札を払い取ったその瞬間、
詰めかけたこの大観衆から「お~っ」、「すごいっ」という称賛の声が上がったのは言うまでもありません。

六日町の練習にお邪魔した時、中学1年の高村美希子さんに
かるたを通じてどう成長していきたいですかと質問すると、即答でこう話してくれました。
「かるたがすごいってことを誇れるようになりたいです。今年の目標は2連覇です!」
花輪の人々が半世紀かけて育ててきたかるたへの情熱と誇りは確実に次世代に受け継がれています。

県北担当やっつ


※この場をかりて、お世話になった大勢の方々にお礼申し上げます。本当にありがとうございました。

2011年1月11日18:51 | 県北情報 | Trackbacks (1)

草木谷からの恵み~純米酒「草木谷のしぶき」完成!

 以前、「草木谷を守る―地域住民の里山保全活動~石川理紀之助ゆかりの棚田で稲刈り体験~」でお伝え致しましたとおり、2010年10月11日に収穫された酒米(秋田酒こまち)を使った純米吟醸酒「草木谷のしぶき」が、おととい(2011年1月5日)、五城目町にある福禄寿酒造株式会社にて完成しました!P1120095

 それに合わせ、谷津田再生プロジェクト(※)の一連の活動の様子を、昔ながらの脱穀体験(於:潟上市郷土文化保存伝習館前)田んぼの学校大収穫祭(於:大久保小学校体育館)草木谷からの恵み~純米酒「草木谷のしぶき」完成!~の3部構成でお伝えします

   詳しくは、草木谷の恵み~八郎湖の水源地・草木谷―里山保全活動のその後~をごらんください!

 県央地区現地特派員 よどぎみ。


 

2011年1月7日17:51 | 県央情報 | Trackbacks (0)

鹿角市 第50回花輪地区子ども会対抗かるた大会 1月10日(月・祝)

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10日(月・祝)鹿角市花輪で「第50回 花輪地区子ども会対抗かるた大会」が行われます。
今年で50回目を迎える歴史あるかるた大会。いま、市内の各公民館で子どもたちが楽しみながら、
そして自らできちんと目標を立てて10日の大会に向けて練習に励んでいます。
先日わたしもその練習風景にお邪魔してきました。後日その様子をご紹介しますね☆

ぜひ子どもたちの雄姿を見に来てください!
日時 1月10日(月・祝) 午前10時~/場所 花輪市民センターこの週末寒くなりそうです。あたたかくしてお出かけください。
                                       県北担当 やっつ

2011年1月7日16:40 | 県北情報 | Trackbacks (0)

仕事始め

今日から仕事始めという方も多いのではないでしょうか。
かくいうわたしたちも今日から本格始動です!
「秋田花まるっグリーン・ツーリズム推進協議会」は、
秋田県内のグリーン・ツーリズムの振興と発展を目指し、起業支援や情報発信を行っている団体です。
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そして、この「秋田花まるっ元気通信」を主に書いているのが、わたしたち現地特派員です。
県内各地をくまなく回り、農家のお父さん、お母さんたちにめんこがられながら(訳:かわいがられながら)、
日々グリーン・ツーリズム情報、地域資源情報を発掘・発信しています。
左から県北担当やっつ、県央担当よどぎみ、県南担当けこさんです。
もしかしたら、みなさまのところに不意に現れるかもしれません。
どうぞこの顔を覚えておいてくださいね。そして見かけたらどうか優しくしてください。

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まだまだ精進の身ではありますが、これからも一生懸命頑張って参りますので、
今年も花まるっ3人娘をどうぞよろしくお願いいたします!

                                      やっつ、よどぎみ、けこさん

2011年1月4日16:33 | GTのPR | Trackbacks (0)

鹿角市 大日堂舞楽

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鳥舞
2009年にユネスコ無形文化遺産に登録され、
国内はもとより世界的にもその名を知られるようになった鹿角市の大日堂舞楽。
風もなく穏やかな夜明けとなった1月2日。どうしても一目見たくて早起きして行ってきました!

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大日霊貴神社                  お守りを売る巫女はボランティア
大日堂舞楽は鹿角市八幡平にある大日霊貴(おおひるめむち)神社の養老例祭で奉納される舞のことです。
大里、小豆沢、長嶺、谷内の4集落にそれぞれ独自の舞いが伝わっています。
今年も小学生から大人までおよそ80人の能衆が舞台がきしむほど迫力ある舞を奉納しました。

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神名手舞                    駒舞
午前8時頃から始まった祭には早朝にも関わらず県内外からたくさん人が訪れていました。
底冷えして身体の芯から震えてくる寒さでしたが、みなさんカメラを片手に夢中で伝統の舞に見入っていました。

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                                                                              五大尊舞
鳥舞(冒頭写真)がはじまると「さあ、みなさん思う存分写真撮ってください!」とはやしの太鼓を叩く男性が
観光客に声をかけていました。会場ではマイクによるアナウンスがなされたりと観光客への配慮が随所に。

なによりも能衆との距離がとても近く、それは能衆の吐く白い息がわたしたちにかかるほど。
寒さの中でもキリリと引きしまった表情を崩さない能衆のみなさんの真剣なまなざしには、
敬服するほどの厳かささえ漂っていました。詳しくは後ほどHPでご紹介します。

                              早起きして本当に良かったと思った
                                           県北担当やっつ

2011年1月2日19:24 | 県北情報 | Trackbacks (0)

2011年もよろしくお願いいたします!

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あけましておめでとうございます。
協議会HP「美の国秋田 桃源郷をゆく」と特派員ブログ「秋田花まるっ元気通信」を
みなさま2011年もどうぞよろしくお願いいたします。

協議会事務局一同

2011年1月1日18:15 | 秋田県全域 | Trackbacks (0)

JA秋田やまもと ふるさとの味でお正月をむかえましょ。

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みなさま大晦日いかがお過ごしでしょうか。正月料理の仕度に忙しいという方も多いことでしょう。
JA秋田やまもとでは8年前からふるさとの味を詰めたおせちの重箱を作り県内各地に発送しています。
今年も地元新聞に掲載したその日のうちに限定150セット(重箱1セットでおよそ5人分)が完売する人気ぶりです。

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伊達巻には全部で400個以上の卵を使う       でっかいタイは一の重に
30日、三種町鹿渡にあるJA秋田やまもとの仕出しセンターでは朝からスタッフのみなさんが
準備に慌ただしくしていました。スタッフはチーフの伊藤優子さんをはじめ9人。
みなさん三種町琴丘地区や八竜地区に住む主婦たちです。150セットを寝ずの作業で翌31日朝までに仕上げます。
地産おせちは、2002年JA秋田やまもと女性部の中でも郷土料理名人が集まる「グランママシスターズ」を中心に、
地元の味を詰めたメニューを考案してはじまりました。当初はグランママと女性部とが集まって作っていましたが、
数年前からグランママたちは煮物や巻き寿司などの自慢料理を自宅で作って仕出しセンターへ届け、
最後の仕上げと重箱詰めを仕出しセンターのスタッフが一手に担うようになりました。

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グランママのひとりで当協議会会員の「やまもと百姓大学」でも講師を務める巻き寿司名人の小山内恵子さんは、
もみじを模った36cmの巻き寿司を作りました。それをスタッフが当分に切りわけひとつずつ包んでいきます。
仕出しセンターチーフの伊藤優子さんは「出来上がったものを詰めるのは普段の仕出しの作業で慣れているけど、
おせちはきんとんをひとつずつ包んだり、巻き寿司を切ってひとつずつ包んだりと手間がかかる。
グランママたちから届いた料理はやっぱりキレイに仕上げたいのでやはり大変です」、
「グランママたちにはいつまでも元気で頑張ってと、この間も声をかけてきました」と笑顔で話してくれました。

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グランママ中田良子さん作の黒豆         グランママ工藤クニヱさん作の“えにょ”の煮つけ
30日から31日の朝にかけて続く徹夜の作業。もちろん30日だけでなく下ごしらえは何日も前から続きます。
そのためみなさんここ数年ご自宅の正月準備にかける時間はほとんどないのだそうです。
「家族の理解があるからやっていけてるんでしょうね。スタッフみんなまとまりよくやっていますよ」と
仕出しセンターチーフの伊藤さんが話してくれました。

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美しい金色の芋きんとんは、女性部部長 伊藤ユウ子さんの手作り  使用したサツマイモは20kg
ひとつずつ丁寧に小分けにして中に栗の甘露煮を包み、およそ800個作る

JA秋田やまもと営農生活部の内藤美幸さんは、「けっして派手なおせちではないけど、
買ってくれた人たちは“残すものないね”と言って全部おいしく食べてくれます。
ただ、グランママたちの腕に頼っている部分もあるので、元気で頑張ってくれているうちはいいけど、
今後この味を継いでいく後継者の問題はもちろんあります。女性部のメンバーも年々減ってきているので、
やまもと管内の女性たちには気軽な気持ちで女性部の活動に参加してほしいですね。
いっしょに楽しみながら勉強していきましょう!と言いたいです」とお話してくれました。

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グランママのみなさんとJA秋田やまもとの内藤さん(後列右2番目) 重箱料理は豪華のひとこと(今年11月)
そのグランママシスターズのみなさん、実は今年11月に参加したツアーでお世話になっています。
グランママシスターズは、最高齢78歳の袴田フチヱさんを筆頭に現在19人。
現役バリバリ、1泊2日の研修旅行にも元気に出かけちゃうパラフルおばあちゃん軍団です。
11月のツアーの時にごちそうになった重箱料理も“おばあちゃんの味”が満載で本当に美味しかったのです。
JA秋田やまもと営農生活部の内藤美幸さんに
「お願いすればこういった団体向けにお料理を作ってくれるんでしょうか…?」と尋ねたところ、
人数や形態(お弁当がいいのか、ちょっと贅沢にお重にしたいのかなど)をリクエストしてくれれば
できる限り対応します、との嬉しいお応えが!みなさんも機会があれば一度味わってみてくださいね。
JA秋田やまもと営農生活部ふれあい課 電話0185-87-4250

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雪がしんしんと降る31日の明け方、150セットの三段お重がようやく出来上がりました。
今年は遠くは湯沢市秋の宮まで届けられるこの地産おせち。注文の多くはお年寄りなのだそうです。
仕出しセンターチーフの伊藤優子さんは「11月のうちから楽しみにして“予約はいつから?”という電話がきます。
わたしたちのおせちは本当に普通の田舎の味だけど、それがいいのかもしれませんね」
と眠い目をこすりながらお話してくれました。

さて今年もあとちょっと。来年がみなさんにとって幸せな一年でありますよう。よいお年を!
                                          県北担当 やっつ
■会員情報 やまもと百姓大学

                                          

2010年12月31日10:20 | 県北情報 | Trackbacks (0)

横手市平鹿町高畑集落・女性加工グループ『菜女(さいじょ)』

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12月28日、私が日頃お世話になっている平鹿地域振興局は、この日が仕事納めとなりました。
農林部 農林企画課は昨年に引き続き、仕事納め当日のお昼は地産地消弁当。
今年、同課が選んだのは、横手市平鹿町高畑集落を拠点に活動を展開する
女性加工グループ「菜女」です。

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朝8時。冷たく澄んだ空気の中、白い息を吐きながら代表・佐々木とみ子さん(写真下)の
自宅隣にある加工所へ。3名の女性がすでに作業を始めていました。
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菜女は、平成17年7月に設立した、農家の女性6名からなるグループです。
JA秋田ふるさとの組合員で、イオンスーパーセンター横手南店内の「安心畑」や、
JA秋田厚生連平鹿総合病院内で野菜や加工品(お惣菜、漬け物、お菓子)を販売しています。
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菜女は、集落の道路脇に花の苗を植えたり、給食センターに野菜を卸すなどの活動から始まり、
以前は秋田市へ出向く移動販売で消費者との交流を楽しんでいたそう。
「お客さんとの会話も楽しかったけど、みんなで秋田市に向かう車中が
またおもしろくってね。」
とみ子さんが楽しい思い出を話してくれます。

その後、冬の農閑期に何かできることは? 規格外の野菜をなんとか生かす方法は?
そのような考えもあって、加工所の設置に踏み切ったそう。

菊地勝子さん(写真右)は、
とみ子さんに言わせれば「野菜の先生」
節子さん(写真左)に言わせれば、「畑の怪物(!)」
なんと、勝子さんは50種類以上の野菜を生産しているパワフルな女性でした!
市内の園児たちが勝子さんの畑を訪れ、農業体験をすることもあるそうです。

「畑に情熱を注いでいる人。」
そう言って、仲間である勝子さんを尊敬のまなざしで見ているのは、佐々木節子さん。(写真左)
「不思議なことに、6人のメンバーは野菜農家や果樹農家がうまい具合に揃ってるんだよ。
ここに来て知らなかった料理のこと、野菜のことたくさん覚えたよ。6人もいれば知識がすごいよね」
節子さんの言葉の端々には、このグループへの愛情が溢れています。 

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他の女性グループと異なる大きな特長は、メンバー全員が食品衛生責任者の資格をもっていること。
「全員が責任と自覚をもって、勉強していこうって。
そういう意識で仕事ができるように、みんなで資格を取ったのよ」
勝子さんの言葉に重みと誇りが感じられました。

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11種類に及ぶバラエティ豊かなおかず作りの合間に、菜女の中でも人気の高い
米粉入りシフォンケーキとお菓子をごちそうになりました。
(写真右:かぼちゃムース、たまご三杯もち、煮豆)
シフォンケーキはふかふか。ふわふわ。こちらは平鹿病院内で購入できます!
本当においしくて贅沢なおやつでしたよ、ごちそうさまでした。
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それにしても、とみ子さん、勝子さん、節子さんの3人は本当におしゃべりが大好き。
楽しい会話をよそに、手はてきぱき動いています。
会話の途中で「大根はイチョウ切り?乱切り?」なんて、言葉もはさみつつ…。
「何年かやってると、細かい打ち合わせをしなくても、
 自然と役割分担ができてくるんだよ。」
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「菜女の収入は、この加工所の設備にかかった費用の返済と、
菜女のみんなで旅行にいくことに使うの。残ったお金は孫のために使っちゃうんだよねぇ」
お金のことは二の次。まずは自分たちが楽しむこと。

「私なんて、本当にここに来るのが楽しいから、わざと仕事の日と間違ったふりして
加工所に遊びに来てしまうもんね。」
と話すのは、節子さん。今回、私は3名のお母さんたちにしかお会いできませんでしたが、
仕事のパートナーとして、お互いが尊敬し合い、そして一緒に前進することが楽しい…
そのような雰囲気を感じつつ、ビシッと仕事に向き合う姿がかっこいい皆さんでした。
50代~60代の皆さん。キラキラ眩しいほどの笑顔が素敵でしたよ。 

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(写真左から:菊地勝子さん、佐々木節子さん、佐々木とみ子さん)

最後に素敵なお話をもう一つ。
「菜女」は野菜を作る女性たち、という意味で付けたそうですが、
その菜女の理解ある旦那様達のことを、彼女たちはなんと呼んでいるか。



妻を助けると書いて「妻助(さいじょ)」

家族の理解があってこそ、できる仕事。
影ながら支えてくれる旦那様達がいなければ、この仕事はやっていけないそうです。

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とみ子さん、勝子さん、節子さん。
平鹿地域振興局 農林部 農林企画課の皆さんでボリューム満点のお弁当をおいしくいただきましたよ。
おいしかった~!!ごちそうさまでした。

年の暮れ。私も今日が仕事納め。
一年の最後に、こんなに素敵な皆さんにお会いできたことが今年最後の思い出になるのかな。
いつまでも輝き続ける女性たちとの出会いでした。

                                          県南担当 けこさん

* 加工所「菜女」 *
秋田県横手市平鹿町樽見内字高畑37
tel:0182-24-1826
営業時間 8:00~17:00(年末年始、盆はお休みします)
一口5,000円以上から受付、横手市内のみ配達いたします。
 お弁当1人分:平均額500円~600円に設定。ご要望に応じます。
 今回、平鹿地域振興局に作った分は豚汁付きで1,000円です。

1230()2100~日テレ系「秘密のケンミンSHOW」を見ましょう!
 横手市のある食材が注目されました!菜女メンバーの佐々木節子さんが登場予定です。

2010年12月28日19:15 | 県南情報 | Trackbacks (0)

現地特派員が選ぶ 2010年県内グリーン・ツーリズムニュース☆

けこさん(県南)、よどぎみ(県央)、やっつ(県北)の3人の現地特派員が
今年一年県内をびゅんびゅん飛び回って、スイスイ駆けずり回って感じた
印象的なグリーン・ツーリズムニュースです。一緒に2010年を振り返りましょう♪

・仙北市 農家民宿7軒が仲良くオープン!
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後列左から 荷葉の郷・喜四郎 千田明子さん 、農家民宿のどか 高橋由希子さん、一の重 佐藤郁子さん
前列左から 農家民宿のどか 高橋佳子さん、かまど 田口幸子さん、くりの木 佐々木弘子さん、
      里の灯 佐藤由井さん、農家民宿 一助 沢山節子さん
春、県の農家民宿開業における規制緩和を利用し、仙北市西木と田沢湖で7軒の農家民宿が開業しました。
みなさんは、当協議会で開催している開業のための研修会「グリーン・ツーリズム花まるっ大学」の相談員による個別指導を受けて開業の準備を一緒に進めてきました。みなさんはこれまでも修学旅行の民泊受け入れなどを長年続けてこられ、グリーン・ツーリズムはベテラン。民泊から民宿の許可をとったことで一般のお客さんを迎えられるようになり、新しい出会いもたくさん生まれた一年となったようです。

・農家“カフェ”も登場
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従来の農家民宿、レストランのイメージとはちょっと違う「農家カフェ」なるお店が県内にぞくぞく登場しました。
上小阿仁村の「やまぶん」や八峰町峰浜の「しらかみカフェ」、
そして農家ではないけれど農村の田園風景の中に建ち、ゆったりとしたカフェの時間の中で“田舎”味わうことの
できる男鹿市の「珈琲工房 珈音(かのん)」。

グリーン・ツーリズムを求める人のニーズも多様化する中で、こうした自分たちのできる範囲での
グリーン・ツーリズム実践の形はこれからも増えてくるかもしれませんね。

 

・協議会会員120(個人・団体)突破
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ということで、今年県内で新たに開業した農家民宿、農家レストランは24軒(協議会把握軒数)。
この中には協議会に入会いただいた方もおりまして、
おかげさまで協議会会員(正・賛助会員含む)も120(個人・団体)を超えました。パチパチパチ☆
自治体では三種町が新たに入会。開業前から取材でお世話になっている横手市三又の高橋篤子さん宅で
農家民宿 三又長右ヱ門が開業するなど、みなさんの歩みも感じることができました。
協議会では、正会員を含め、グリーン・ツーリズムの活動や推進を応援してくださる賛助会員をいつでも募集しています!
協議会会報紙など県内のグリーン・ツーリズム情報などをお届けしますので、興味のある方はぜひご入会ください。

 

・県グリーン・ツーリズム情報サイト「美の国秋田 桃源郷をゆく」オープン
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今年3月30日、県と当協議会の共同管理による県グリーン・ツーリズム情報サイト
「美の国あきた 桃源郷をゆく」がオープンしました。
それまでの当協議会サイトをリニューアルした形ですが、情報量は100倍になっています!
会員情報はもちろんのこと、祭りや文化など秋田県内の素晴らしい地域資源情報も満載です。
けこさん、よどぎみ、やっつの3人の特派員による特派員体験記などもありますので、ぜひご覧ください。

 

・横手市 大森町グリーン・ツーリズム推進協議会 県内初 棚田オーナー制度
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今年県内初の試みのひとつが横手市大森塚須沢集落が行った棚田オーナーの活動。
集落の大事な棚田を地域外の人たちの力も借りて、これからも守り続けていこうという試みです。
主体となっているのは当協議会会員でもある
大森町グリーン・ツーリズム推進協議会(会長 後藤洋子さん)。
今年、大森町グリーン・ツーリズム推進協議会はこのような活動やこれまでの歩みが評価され、
平成22年度豊かなむらづくり全国表彰事業 農林水産大臣賞を受賞しました☆
 

 
 
 
・鹿角市 中滝ふるさと学舎 廃校利用し地域活性
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県北でも新しい動きがありました。廃校した小学校校舎を利用した地域の拠点施設の開設です。
鹿角市十和田大湯の
中滝ふるさと学舎(運営:NPOかづのふるさと学舎・湯瀬政弘理事長)は
おととし廃校になった旧中滝小学校校舎を利用して、宿泊や食・木工体験、カフェなどを併設した複合施設。
行政、地域住民が一体となって取り組んでいる活動として県内外からの視察も盛んに行われています。

 

・秋田市でグリーン・ツーリズム盛んに
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4月 重松の家 味噌作り体験             7月秋田市太平の果樹園で農業体験
今年「秋田花まるっ元気通信」で県中央地区担当現地特派員よどぎみが、
とくにたくさん取材に行ったのが秋田市で開催されたグリーン・ツーリズムイベントでした。
昨年の秋田市農家民宿第一号「重松の家」の開業や、今年春からの秋田市体験農園のオープンなどを契機に
県内でも農山漁村風景や農作業に触れる機会の少ない秋田市内の子どもや親子が気軽に参加できるイベントが
市内各地で盛んに行われていたように思います。秋田市は秋田空港や秋田駅など交通の便の良さがあるので、
今後県外のお客様を迎える時には秋田市のグリーン・ツーリズム振興は欠かせないものになりそうです。
 
 
 
 

・首都圏向けイベント「おかえりなさい。」開催
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藤里町サフォーク白神の羊肉ホゲットと        中滝ふるさと学舎のクラフト体験工房が出張
大仙市 秋田百笑村のコシヒカリ玄米を使ったカレー
協議会としての今年一大イベントといえば、東京都千代田区で行った首都圏向けのグリーン・ツーリズムPRイベント
「秋田県のグリーン・ツーリズムへの誘い おかえりなさい。」です。
協議会会員のみなさまから多大なるご協力をいただきながらのイベント開催となりました。
当日は7つの会員(自治体・個人・団体)に現地へお越しいただき「秋田の顔」となっていただきました。
カフェでは秋田の豊かな食、写真展では“秋田の母さん”の優しさ、あったかさをご来場のお客様に
感じていただけたのでは。改めまして、ご協力くださいました各方面の方々に心よりお礼申し上げます。
・よどぎみ結婚
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県央特派員のよどぎみが結婚しました。これからもよろしくお願いいたします。
 
 ・まちむら交流機構主催 グリーン・ツーリズムインストラクター研修会 開催
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今月14日から17日、(財)都市農山漁村交流活性化機構主催のグリーン・ツーリズムインストラクター研修に
特派員3人で参加してきました。
大仙市太田町惣行地区を舞台に、グリーン・ツーリズムの体験メニューを作る研修会でした。
無事に合格するとインストラクターの資格がもらえるのです。
県内外からたくさんの受講生があつまり大変熱い、とても勉強になった4日間でした。
どうか年明けには3人そろって合格通知が届きますように・・・
 
 

いかがだったでしょうか。
来年も特派員3人元気に県内を駆けまわりたいと思いますので、みなさんどうぞよろしくお願いいたします!


                               現地特派員 けこさん、よどぎみ、やっつ

2010年12月28日18:50 | GTのPR, 秋田県全域 | Trackbacks (0)

ガーデンカフェタイム・クリスマスキャンドルライブ!

 今年のクリスマスは、みなさんどのように過ごされましたか?
 にかほ市にあるガーデンカフェタイムでは、12月25日、地元・にかほ市出身のフルート奏者・佐藤蘭子さんを呼んでの「クリスマスキャンドルライブ」が開催されました。


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 続きは、「美の国秋田桃源郷をゆく」「ガーデンカフェタイム・クリスマスキャンドルライブ」をごらんください。

                             県央地区特派員 よどぎみ

      

2010年12月28日11:54 | 県央情報 | Trackbacks (0)

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