以前こちらのブログでも告知していましたとおり、由利本荘市鳥海町にある農家民宿「開墾の里」にて6月27日(月)、開業2周年記念イベントが行われました。内容は蕎麦打ちとアスパラの収穫体験で、午前は和気あいあいとした蕎麦打ち後に試食を行い、午後は降りしきる雨の中、カッパや長靴・傘などで対処しながら今が旬のアスパラ収穫体験を行いました。
(写真左)昨年の開業1周年記念「笹巻きづくり講習」時、巻き方をご指導いただいた佐々木ナツノさん。再会できて嬉しかったです。「大東亜戦争時から何十年と蕎麦打ちやってるからね」と、昔の生活を折り目正しく、丁寧な口調で語ってくれました。
(写真右)蕎麦打ち作業中に、直根小学校長が訪問。蕎麦打ちの道具を、お借りしたからですって。
(写真左)長雨で、少しくったりとしたアスパラですが、品質には影響ないようです。
(写真右)雨の雫がキラキラと光って、美しいです。
(写真左)「だいたい30cmになるように、根元近くで刈りとってください」和子さんの指示に従って、アスパラの収穫体験をする参加者。「さくっと刈った時の、手の感触が楽しい」と参加者。和子さんは、アスパラの茂みを挟んで向かい側にいらっしゃいます。わかるでしょうか~。
(写真右)「雨の中、お疲れ様でした。天気の良い日にもまた、遊びに来てくださいね」と、和子さん。
(写真左)民宿の後ろ、アスパラ畑に向かう途中の作業小屋ではニワトリを飼っていますが、和子さんいわく「これはペットではなく食用」なのだそう。
(写真右)和子さんの母・サキ子さん。そのニワトリ小屋は、戦後まもない物資の不自由な時、夫である善治さんとともに建てた手作りの家なんだそうです。この鳥海の地に農業開拓者として入植した当時、荒れていた上原地区一帯を開墾し、和子さんら子どもたちを育ててきました。計り知れないご苦労がありながらも、この緑豊かな地を慈しみ続け、農業基盤を確立し、農家としての生活を続けてきたからこそ、現在があります。そして娘である和子さんが一昨年農家民宿「開墾の里」を開業したことで、まさかそんな運命が未来に待ちうけていたなど、当時は想像だにしなかったに違いありません。開墾時代の辛く・苦しいけれども生活の為、夢の為に負けずに奮闘し続けた彼らの体験談を聞き、いかに当時の人々が一生懸命に、実直に、物事を諦めず気概を持ち続けてきたのか、そしてまた、現代に生きる私たちはそこから何を学び、教訓とし、どうして今後を生きていくべきか…歴史が繋がっている、人と人が繋がって、今がある。そんなことを考える良い機会となりました。
県央地区現地特派員 よどぎみ
2011年7月2日18:00 | 県央情報 | Trackbacks (0)