24日(木)、大館市の陽気な母さんの店(協議会会員)を会場に、
大館市まるごと体験推進協議会によるきりたんぽ作りの研修会が行われました。
これは、大館市内の修学旅行受け入れ農家を対象にして開かれたものです。
きりたんぽの本場大館市では、修学旅行の体験でもきりたんぽ作りが大人気。
そこで、これまでそれぞれ独自のやり方で受け入れてきた農家のみなさんが、
市内で体験受け入れの第一人者でありベテランの陽気な母さんの店の方法を学ぶことで、
みんながある一定の統一感を持って生徒たちを迎えられるようにしようと開かれたのです。
研修会では、本当の修学旅行の受け入れを想定して、5つのメニューが用意されました。
参加するお母さんたちは“生徒”として参加し、陽気な母さんの店のやり方を学んでいきます。
陽気な母さんの店のやり方を参考にするのにはいろいろと理由がありますが、
中でも、長年の経験から学んだ食材の分量は、参加者のみなさんにとって、とても勉強になったようでした。
陽気な母さんの店では、一本のきりたんぽを100gにしています。
きちっとはかりを使って、1升からおよそ30本作れるようにしているのです。
それは、みそたんぽときりたんぽ鍋、さらにサラダ、漬物、デザートを中学生たちが昼食として食べた時に、
腹八分目になるちょうどいい分量だそうです。
今年4月で直売所開設から10周年を迎え、ずっと食の体験に力を入れてきた店の歴史が活かされています。
会長の石垣一子さんは「子どもたちに、『もう少し食べたいな』と思ってもらうことが大事。
そうすると、家に帰ってから自分で作って食べたいと思うようになると思う」と話します。
参加者からは「一本100gというのは、最初小さいのではと思っていたし、
今まではもっと大きなきりたんぽを作って食べさせていた。
でもメニューを全部自分で食べてみて、その加減が分かったように思う」という感想が聞かれました。
現在、大館市内の受け入れ農家は85軒(平成22年度現在)。
実は、来年度から新しい仲間が加わります。比内大巻地区の農家さんたちです。
今回、大巻から参加した藤原ノリさんは、
「もちろん自宅でも作るけれど、その時は彩りとかはあまり気にせず、材料は全部一度に鍋に入れてしまう。
食材の良さを活かすために、入れ方の順番を工夫するというのは初めて気がついたこと。
きっと緊張すると思うけど、5月の受け入れが楽しみ」と優しい笑顔で話してくれました。
また、陽気な母さんの店 前会長の関口カツさんは、新しく受け入れ農家が増えることについて、
「だんだん高齢化しているから人が増えるのはいいこと。店のやり方を参考にしてもらって、
あとは土地土地の物を加えるとか自分たちのオリジナルでアレンジしてくれればいい」と話していました。
その後開かれた意見交換会では、参加者から質問や不安などが出され、陽気な母さんたちが答えました。
会長の石垣一子さんは「なによりも段取りが大事です。そして米や野菜を買わずに家から持ってきたり、
会場に自宅の場所を借りたとしても、ちゃんとみんなでお金を払うことも大切なこと。
最初から立派な鍋がなくても大丈夫。年々少しずつみんなで買って増やしていけばいい」とアドバイス。
さらに畠山市子さんは、「受け入れる時に、メンバー以外の地元のお母さんを“遊びに来て”って誘ってみて。
そうすれば仲間が増えていくはず。気負わなくても大丈夫!」と先輩として激励の言葉をかけました。
大館市役所の高松方純さんは「今のところ来年度は8校の修学旅行生が来る予定になっている。
こうしてみんなで協力して受け入れを頑張れば、来年再来年と反響も来ると思う。
これをベースにしてそれぞれのオリジナリティを出して頑張っていきましょう!」と話し研修会をしめました。
新しい仲間も増えて、またひとつレベルアップした大館市の受け入れ農家のみなさん。
今年の春、北海道の生徒たちを、おいしいきりたんぽとこの満面の笑顔でお出迎えいたします。
県北担当 やっつ
2011年3月28日10:00 | 県北情報 | Trackbacks (0)