秋田蕗といえば、秋田音頭で有名な秋田を代表する特産品。
鹿角市は秋田市仁井田と並びその秋田蕗の産地でもあります。
お日さまがさんさんと降りそそぐ一日となった6月1日、
花輪小学校3年生が自分の背丈の1.5倍はある大きな秋田蕗の刈り取りを
体験しました。この秋田蕗、子供にとっては「トトロの傘」なんだそうです。
企画は鹿角市の
「みどりの食材連絡会
(代表 松田誠子さん)」。
子どもたちに地場の食材を
食べてほしいという想いから
結成された女性グループです。
主に学校給食の
食材提供をしています。
刈り取りの会場は
大湯ストーンサークル。
連絡会では、
毎年市内の小学生を招き
蕗刈りをしています。
この日の蕗も
「蕗チャンプルー」に調理され
後日給食に出たそうですよ。
児童たちは、
お母さんたちに
鎌の使い方などを教わりながら
刈り取り、刈り取り…。
2m近くある蕗の森の中に
スッポリ隠れながら、
「おっき?!」
「採った?!!」
「トトロの傘?!!!」
などと話しながら
実に楽しそうに
作業を進めていました。
「JAかづの」の方のお話では、近年では蕗を栽培している家庭もめっきり
少なくなってきているとのこと。
さらに、参加したお母さんは
「“蕗農家”っていうのは
特別なくて、
自宅用とか少し出荷用で
植えてたんだけど、
茹でたり皮をとったりって
蕗は手間がかかるからね。
最近では植えてる人も
減ったんだよね。」
と教えてくれました。
れでも
「おばあちゃんが植えてる。
うちにあるよ。」とか、
「うちでもよく食べる!」いう
児童もいて、
子どもたちにとっても
ごく身近な食材のようです。
刈り取りのあとは、茹でるところから、皮の剥き方までを体験した児童たち。
蕗の皮はとても丈夫で、
茹でた蕗は
その剥いだ皮を使って
束ねていきます。
丈夫さを確かめるように
引き合って遊ぶ
女の子たち。
たっぷり働いたあとは
お母さんたちが準備してくれた
ニシンと蕗の味噌煮を
ご馳走になりました。
これから学校で給食を食べる児童たちなのに、そのほとんどがお代わり!
「おいしいからお代わりする。」「大丈夫、給食も食べる!」という子から、
「ニシンの油がみそとマッチして蕗を引き立たせ…。」と
食通な感想を寄せてくれる児童までいました。
引率した花輪小学校の先生は
「普段の給食がいろいろな
人の苦労を経ていることや
地元にも食材がたくさんある
ということを知って欲しいと
思います。」
と美味しそうに食べる
児童たちの顔を見ながら
笑顔で話してくれました。
最後に
緑の食材連絡会会長の
松田誠子さんが
「きょうは天気のいい中
よく頑張ってくたので、
スーパーマーケットで
売られている蕗が
こうやってお店に並んで
いるんだということを、
家に帰ってお母さんに
教えてあげてください。
きっと知らないと思いますよ。
きょうは、試食もたくさん食べてくれてありがとう。
わたしたちも一生懸命食材を届けるので、みなさんも給食を残さないで食べてください。」
と子どもたちに声をかけました。
会員の女性は「給食を美味しく食べたっていう子供の反応を聞くと、
この活動をやってて本当によかったなー、って思いますね。
それから、
学校給食に食材を提供のは
貴重な現金収入の機会。
それもやりがいのひとつ。」と話してくれました。
(← 帰りのバスを見送る
連絡会の女性たち)
かつで久保田藩主・佐竹義峯が江戸で大いに自慢したとされる「秋田蕗」。
この文化を、鹿角の子どもたちが、ふるさとの誇りのひとつとして感じてくれると
いいなと思いました。
県北担当 やっつ
2010年6月30日22:58 | 県北情報 | Trackbacks (0)