秋田の初夏といえば、やっぱりじゅんさいをつるんと一口頂きたいところ。
日本一のじゅんさいの里・三種町山本の阿部正子さんのじゅんさい沼でも摘み取りが盛んに行われています。
今回はわたしも摘み取りを体験!小さな船に乗って右往左往しながら4時間30分。850gのじゅんさいを摘み取った後はなんとも爽快で、しかし陸に上がった後は膝がガクガクしてしまいました。
☆じゅんさい☆
じゅんさいは、澄んだ淡水の湖沼に生息するスイレン科の植物。
三種町では全国のおよそ9割を栽培しています。
小さいほどに高価とされ、
5月から9月が最盛期。
減反作物として推奨され日本一の
面積と収穫量を誇りますが、
高齢化などから年々じゅんさい農家は減少傾向にあり、
町商工会では摘み取りの担い手育成にも力を入れています。☆☆☆
■初!じゅんさい摘み取り体験!!
三種町山本志戸橋。
当協議会会員である
「やまもと百姓大学」のメンバー
阿部農園を営むのは、
阿部隆一さん、正子さんご夫婦。
10年前に減反の田んぼを
じゅんさい沼に転作しました。
今月中旬、天気も良く風もない
絶好の「じゅんさい日和」の一日。
摘み取り初心者の私に
ご指導くださったのは、
正子さんの妹である
笹村加代子さん。
「入る時に気をつけてね。
こうして左手に棒を持って
バランスを取りながら、
右手の親指の爪で、
こうして…プチっと、ね。
プチっと。やってみて。」
何度もテレビで見た光景に心躍る私はさっそく挑戦!
次第にじゅんさい独特のぬめりにも慣れ、
少しずつ上手になっていったような…いかないような。
「体験を受け入れるようになってから、いろんな人と会うのが面白いよね。
ある時来た男の人は、
『おれ、今度からじゅんさい食べる時は拝んでがら食べる!
こんたに大変だどは思わねがった~。』って言ってね。
子供なんかおもしろがっちゃって、先生が『あがれ~』って叫んでるのに
『聞こえませ~ん』って(笑)。人との交流がやっぱり一番楽しいかな。」
■秋田名物じゅんさいを支えるのは地元お母さんたち。↑左から、阿部正子さん、袴田まゆみさん、渡部トミさん
摘み取りの時期になると妹の加代子さんのほか、地元から2人の
女性にお手伝いを頼んでいいます。
例年の最盛期は5月下旬から6月にかけてですが、今年は気温の
低い日が続いたため2週間ほど収穫期が遅れているそうです。
小さくて若いほど
高い値がつくじゅんさい。
この日のじゅんさいは葉も少なく、
沼を覗くだけで、
30cmほど下の小さなじゅんさいを
見つけることができました。
■やりがい
阿部正子さん夫婦が
自分のじゅんさい沼で
摘み取り体験の受け入れを
はじめましたのは、
今から5~6年ほど前のこと。
(体験で訪れていた
渡部一登志さん→)
沼を広げながらも
管理にはなかなか手が回らず、
また、じゅんさいは摘んだ後からわき目が出て増えるため、
毎日摘み取りをしなければすぐに葉だけが大きくなってしまう。
それならいっそ体験を受け入れて採ってもらおう、と思いついたそうです。
やりがいはなんですか?と聞くと正子さんはこう答えてくれました。
「うちはね、田んぼはお父さん、
じゅんさいはわたしって
一応分けてるのよ。
だからじゅんさいのお金は
わたしが管理できる。
女性が自由に使えるお金を持てる
っていうことはいいのよね。
それがやりがいかな?。」
午後になって少し出てきた風が頬にあたりながら沼の上を通りぬけ、
沼の上に浮かんだ5隻の船をユラユラと揺らします。
水面がキラキラと輝いて、思わずぼーっとしてしまう午後の時間。
風が出てきたら抵抗せずに流されるまま進んで(笑)と正子さん。
計らずも一か所に集まった阿部さんたちを記念撮影して一休み。
バケツに入った850gのじゅんさいを「丁寧できれい、これは上物だ!」と
褒められたことを素直に受け入れ上機嫌で家路につき、
夜は正子さんおすすめのじゅんさい鍋を堪能したのでした。
県北担当 やっつ
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
協議会会員情報 やまもと百姓大学
2010年5月24日12:39 | 県北情報 | Trackbacks (0)