5月15日と16日、東京都渋谷区と大館市の子どもたちが交流する
「渋谷・大館グリーンツーリズム2010」が行われました。
これは、「忠犬ハチ公」で結ばれた
双方の青年会議所が
両地域の交流を目的として
企画したものです。
渋谷区の公立小学校の
学校給食には、
大館市産のあきたこまちが
使用されているそうです。
そこで昨年から
田植えやきりたんぽ作り体験などのグリーン・ツーリズムを
企画に取り入れて、昨年は収穫したお米を渋谷へ送り、
渋谷の子どもたちがきりたんぽを作って食べたということです。
■大館市比内大葛
グリーン・ツーリズムの会場となった大館市比内大葛地区は、
国道285号線から30分ほど車で入り込んだ場所にある、
240戸あまりの集落です。
小さな集落ながらも「大葛の将来を考える会」などを立ち上げ、
お祭りなどを計画し地域住民同士の絆を強く結んでいます。
■きりたんぽ作り
大葛地区への滞在は
1日目の夕方から。
まずは秋田犬と触れ合った
子どもたち。
秋田犬って大きな体のわりに
意外と大人しいんですね。
そして子どもたちはきりたんぽ作りへ。
今回、NPO男女共同参画センターの協力で非常時炊飯を体験する
試みが行われました。
非常時炊飯は、
家庭用のビニール袋で
お米を炊くというもので、
コップ一杯の水と、それよりも
少し少なめの米を袋に入れ、
鍋に入ったたっぷりの水に入れ
火にかけます。
そうしておよそ30分。
少し芯が残るくらいの状態で
立派に炊きあがりました。
指導してくださった鵜木さんも
「初めてだから緊張する」と
お話していましたが、
上手に仕上がったご飯を見て
ほっとした様子です。
そのビニールで炊いたお米で
秋田名物きりたんぽを作ります。
指導は、協議会会員でもある
陽気な母さんの店のみなさん。
40人の子供たちに
5人のお母さんが
ご飯の潰し方から教えます。
「ねちゃねちゃする」と言う子や
「はじめてやるけど面白い」と
言う子までいて、
出来上がったきりたんぽも
デコボコしていたり、
細長かったり、
はたまたデブっとしてたり…と
個性たっぷり。
炭火でこんがり焼いたあとは
陽気な母さん自慢のみそで
「みそつけたんぽ」にして
美味しく頂きました。
■あきたこまちの田植え
翌日は、
大葛地区の嶋田ヨシ子さんの田んぼにあきたこまちの苗を手植えします。
最初こそおそるおそる
足を入れていた子供たちも
次第に泥の感触に慣れた様子。
苗の準備や手植えの指導は、
JAあきた北青年部のみなさんが
協力しています。
5月も半ばとはいえ
水は相当冷たかったはずですが、
1haをおよそ1時間かけて
上手に植え終えました。
渋谷から参加した子供は、
「楽しかった」、「また来たい」と
笑顔でお話してくれました。
また、地元大葛のこどもの中にも
田植えは初めてという子もいて、
貴重な体験となったようです。
田植えの後は、
大葛のお母さんたちが作った
「こびり」を頂きます。
「こびり」とは、
農作業の最中に食べる
おやつのことを言うのだそうで、
わたしも初めて聞いた言葉でした。
この日の「こびり」は
赤飯と切干大根の煮つけ。
切干大根を手によそって頬張る
田舎ならではの食べかたに
子供たちも楽しかった様子。
味ももちろん美味しくて、
なんと残った煮物を
紙コップに入れて持ち帰った
渋谷の子供もいたんですよ。
朝から「こびり」を用意して子どもたちを迎えた大葛のお母さんたちは、
嶋田さんを含め4人。
「小学生を受け入れたのは
初めてだったけど、楽しかった。
言葉とかが通じないかもって
思っていたけど、
みんなとっても素直でね。
美味しいって食べてくれるから
嬉しいです。」
↑田んぼを貸した嶋田ヨシ子さん。
孫のような子どもたちが可愛くてしょうがなかったようでした。
みなさんは、大館市の比内グリーンツーリズム協議会の仲間です。
■交流で育まれる地元愛
今回、渋谷と大館からそれぞれ20人の子どもが参加し交流をしました。
地元大葛の女の子は、
「渋谷の子がこんななんにもないところに来るなんて理解できない!
でも全然いやな顔してないから不思議だし、それはとても嬉しい。」と
笑顔で話してくれました。
自分たちの暮らす土地の素晴らしさや価値を理解するのは、
大人だって難しいことです。
しかし、こうした経験から地域外の人の意見や反応に接することで、
子供たちは土地に対する理解を深め、愛着を育んででいくのでしょう。
こうした交流がこれからも長く続いていって欲しいなと思います。
県北担当 やっつ
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協議会会員情報 陽気な母さんの店
2010年5月24日11:33 | 県北情報 | Trackbacks (0)