秋田花まるっグリーン・ツーリズム推進協議会ブログ

鹿角 中滝ふるさと学舎 開舎

      「中滝ふるさと学舎」に寄せる
          人々の想い



以前ご紹介した、鹿角市大湯の旧中滝小学校の校舎を利用した
中滝ふるさと学舎」が、このほど開舎式を迎えました。
25日からは一般公開が始まり、懐かしさを求め多くの人が訪れています。
不思議なことに、訪れた人は必ずこうつぶやいていくんですよ。
ここ、いいとこだなーって。
☆☆☆「中滝ふるさと学舎」☆☆☆
平成20年度で廃校になった旧中滝小学校舎を改修した観光交流施設。
市が全面的に改修を行い、
運営は「NPO法人かづのふるさと学舎」(湯瀬政弘理事長)が行う。
木工や食の体験のほか、市がすすめる森林セラピーの拠点としても活用。
                               ☆☆☆☆☆☆☆
■卒業生や地元住民が集った開舎式


開舎式には、卒業生や歴代の先生たち、
地域住民などおよそ100人が出席。
鹿角市の児玉一市長が
「歴史と伝統が受け継がれた
この学校に、新たな歴史が加えられ、
ますます地域が発展していきすように。」
とあいさつし、


学舎を運営する「NPO法人かづのふるさと学舎」
理事長の湯瀬政弘さん
「開舎にあたり、各方面から写真などを
提供してもらいました。
それは私の知らない歴史でした。
そこには、厳しい時代の中にも笑顔があり、地域の輪がありました。
訪れる人に来てよかったと思っていただけるよう、
支援してくれた人たちの期待に応えられるよう努力していくことを
誓います。」
と述べ、
無事に開舎を迎えた安堵と共に決意を強く心に抱いているようでした。
■記念セレモニー
開舎式の記念セレモニーでは、旧中滝小学校に通った児童を含む
大湯小学校の子どもたちが中滝小校歌や呼びかけを披露しました。


大湯小学校4年の佐藤遥さん「(一昨年度の廃校で)学校がなくなったのは寂しかったけど、ここには、
思い出がたくさん残っているし、
これからはいつでも遊びに
来られるので嬉しいです。」

お話してくれました。
また、廃校までの4年間中滝小学校に勤め、
子どもや地域住民とともに最後の小学校を見送った泉谷徹さんも出席し、2年ぶりに聞く子どもたちの歌う校歌に目を細めていらっしゃいました。


「最後の時に身を置いていて、
最後は本当に悲しいような
はがゆいような気持ちで
過ごしていましたから、
こういう形でスタートをしたのを
見ると感慨深いですね。


4年間は全てが思い出です。
我が家同然でしたからね。
中滝小は、
自分の教師人生の分岐点、
教師像を
見つめ直した場所です。
子ども1人1人に寄り添って
家族も地域も一緒になって
子どもを育てていく。
ただ勉強のためだけに学校に通うのではない、
ふれあいの大切さを教えてもらいました。
校舎がきちんと思い出を振り返られる残され方をしているので、
嬉しい気持ちはきっとみんな同じだと思います。」

☆゜・*:.。. .。.:*・゜☆゜・*:.。. .。.:*・゜☆゜・*:.。. .。.:*・゜☆゜・*:.。.。.:*・゜☆
■開舎にむけて?。
開舎式まで10日をきっていた4月中旬、準備が進む学舎を訪ねました。


案内して下さったのは、
NPOの総務委員長である
佐藤博久さん
ここの卒業生であり、
遥ちゃんのおじいちゃんです。
学舎事務局のみなさん
←(前列右から時計まわりに)
門下さん、佐藤さん
奈良さん、平塚さん。

佐藤さんが小学2年生の時に中滝小学校が独立。
3人の子どもと2人の孫もここに通い、
孫の恭輔くんは中滝小最後の入学生となりました。


開舎式で子どもたちに
校歌を歌わせてはどうか、と
市側に提案したのも佐藤さん。
大好きな校歌は、
佐藤さんが中滝小を卒業した後に
できたそうですが、
子どもや孫の成長と共に歌い、
親しんできました。
「この学校は、自分も子どもも孫も通った学校だから
思い出のかたまりみたいなものです。」



展示室に飾る写真は
全て佐藤さんが整理をしました。
開拓当時の
とても古い写真が多い中、
ひとりひとりの顔が分かるので
偏らないように写真を選ぶことが
できるのだそうです。
一枚一枚切り取られた瞬間の中に、
中滝の人々が生きてきたたくさんの思い出と物語が詰まっています。
「特に卒業生は、これ見たら懐かしい?って言うと思うよ。」
と話す顔には笑みがこぼれていました。
廃校にはもちろん反対でしたが、子どもがいなくてはどうしようもない。
大好きな学校をどうにか活用して残したいとNPOに参加しました。


「ここに来る子どもたちには、
思いっきり好きなように
遊んでほしいね。
観光客が来ても、
地元の人が草むしりしてたり、
校庭で子どもが遊んでたり。
そういうのが
ここには一番合ってる。
ここの基本はやっぱり『学校』なんだよ。
地域の人の姿があって、子どもの姿があって。
それでこそここは活かされるんだ。
それを見て、いいな、懐かしいなって思ってほしいね。」

■行政と住民 共に歩んだ3年間
中滝ふるさと学舎に強い想いと期待、愛着を寄せているのは、
佐藤さんたち地域住民だけではありません。
計画から3年余り、
鹿角市観光交流課の加藤卓課長は「なんだか卒業する感じ」と言い、
「副市長は“嫁に出す気持ち”だと言っています(笑)」と、
自分たちの手を離れる学舎に名残惜しさを隠せない様子でした。


「いろいろ苦労もありましたが、なんとかうまくできたなと。
合格点ですね。
運営など今後は自分たちの手を
離れて行きますが、
NPOのみなさんには、
地域の人の半世紀の歴史を
きちんと継承し、それを上乗せしていけるよう、
その重みを感じながら携わってもらえればと思います。
これからは外から見守りますよ。」
とお話して下さいました。
■みんなに愛される憩いの場に
NPO総務委員長の佐藤さんに
「どんな人に来てほしいですか」と尋ねるとこう答えてくれました。


「みんなに遊びに来てほしい。
卒業生にも来てほしい。
そして、昔のように
たくさんの人が集まる
憩いの場にしたいです。」

みんなの記憶の中にある中滝小学校の姿。
いつも子どもたちの笑い声がして、地域の人がそれを見守り、共に育て、
そうやって繋がってきた中滝の半世紀の歴史が、
今再びこうして時を刻み始めました。
開舎式を終え、NPO理事長の湯瀬さんは言います。「これからですよ。」
そう、中滝の未来はこれからますます輝きを増して進んでいくことでしょう。
みなさん、ぜひ遊びに来てください。
そしてこの「愛」に溢れた学校を体中で感じて、つぶやいて下さい。
ここ、いいとこだなーって。
                               県北担当 やっつ
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
中滝ふるさと学舎 HP
午前9時~午後4時・月曜定休・問い合わせ 0186-30-4012

2010年4月27日05:16 | 県北情報 | Trackbacks (0)

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