今年2回に渡って活動を紹介してきた藤里町の「白神ぶなっこ教室」。
今回は、代表の佐尾和子さんを陰で支える
パワフルで思いやり溢れるステキな女性たちを紹介します。
最初の質問は、これ。佐尾さんってどんな人?
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■佐尾さんはすごい人
「すごい人だよね~。」
質問をした途端に口々に出てくる「佐尾さんはすごい」の言葉。
「普通だったら逆でしょ。普通は都会の疲れを癒しに田舎に来る。
でも違うの。佐尾さんは疲れにここに来てるみたいなものだもの。
いつも『今日はこれで良かったかな。』って子どものことを考えてる。
佐尾さんにとっては生きがいかもしれないけれど、
ちょっと心配なとこもあるよね。だってほとんどボランティアだもの。
子どもに伝えたいっていう一心と責任感だけよ。ホントにすごい人。」
こう語るのは、
中心スタッフとしてみんなをまとめる中嶋厚子さん。
白神山地の自然に魅せられた佐尾さんが藤里に別荘を建てる時、
工務店である厚子さんの家が注文を受けたのを縁で出会いました。
「出会ったのは10年以上前。
『岳岱いいわよ?。』って
しきりに佐尾さんが言うの。
わたしも
山とか好きだったんだけど、
行ったことがなかったのね。
そうこうしてるうちに、ちょうど機会があって行ったのよ。
それで、これじゃぁ(佐尾さんが)惚れるのも無理ないなーって。
地元の人間なのに都会の人にその良さを教えてもらって。
ほんっと恥ずかしい話だよね。」
■佐尾さんの気持ちに応えたい
白神ぶなっこ教室は、
廃校になった旧坊中小学校の校舎を利用しています。
白壁に赤い屋根のかわいらしい校舎です。
(厚子)「佐尾さんがね、この学校を見るとホッとするって言うの。
東京から来る時、車で走って来てカーブを曲がると小学校が見えて、
そうするとあぁ帰ってきたなーって思ってホッとするって。」
大好きな学校の廃校・解体を
知った佐尾和子さん(右写真)が、
校舎を子どもたちのために
活かせる体験施設にしようと、
町から建物を買い上げ、
そして、一緒にやらないかと
厚子さんに声をかけました。
厚子さんには、白神の素晴らしさを教えてくれた佐尾さんの気持ちに
応えてあげたいという想いがありました。
(篤子)「佐尾さんの気持ちは、ずっと話を聞いて知っていたから、
何にも出来ないけど、でも食事の支度とかならできるかなって。
それからいろいろみんなに声かけて。
都会から来た佐尾さんに(山の良さを)教えてもらって、
申し訳ないなっていうかありがたいっていう気持ちがあったから、
できるだけ手伝いたいって思ったのよね。」
■厚子さんの存在
こうして、ゼロから佐尾さんと共に歩んできた厚子さん。
佐尾さんのいない時には佐尾さんに代わって学校の世話をし、
予約が入れば、みんなの都合を伺いながら声をかけています。
そんな頼もしい厚子さんに、スタッフもみな厚い信頼を寄せています。
「厚子さんは、
私たちのことを
すっごく気遣ってくれるの。
都合悪かったら
無理しなくていいよーって。
ホント厚子さんだから、
こうして来てるんだよね。」
それを聞いた厚子さんは、ちょっと照れながらも
「(お願いするのは)毎日ってことではないからね。
んも~、なんかあったらちゃんと話してよ?!」と
嬉しそうに笑っていました。
■残してくれたから今に繋がる
かつて藤里町には6つの小学校がありましたが、
平成19年 米田小学校が廃校になり1校に統合されると、
町内で廃校後校舎が残っているのはこの坊中小学校だけとなりました。
坊中小学校の卒業生である佐藤アヤさんが、
こうして残し活かされる母校への想いをお話してくれました。
「壊すって聞いていたんだけど、
でもなんか東京の人が
買ったらしいって聞いて。
ここに(スタッフとして)誘われて
久しぶりに学校に入ったら、
いろいろ(宿泊用に)
変わったとこもあるけど、
やっぱり懐かしい。
こうやってちゃんと手をかけて残してくれたのを見てたら、
なんか感謝で涙が出てきちゃった(笑)」
娘もここの卒業生。今では孫娘もぶなっこ教室に参加していて、
佐藤さんは、親子三代に渡ってこの校舎に通っています。
「壊さないで残して使ってもらってるからこそ、愛着も増えるしね。
孫も、ぶなっこあるっていうと、行きたい!行きたい!!って(笑)。
全部繋がってるんだよね。」
■学校が与えてくれた人とのふれあいと楽しみ
白神ぶなっこ教室ができて、今年で6年。
スタッフのみなさんもその間多くの人と触れ合う中で、
たくさんのやりがいと自信を感じてきました。
「ふれあいがいいのよね。
ありきたりな料理なのに、
特におとなのお客さんに
美味しいなって言われると、
『やっぱり自然なものって
美味しんだ』って
考えさせられちゃう。
自分たちは(この暮らしに)
もっと自信もっていいなって
思うよね。」と話すのは
加茂谷舛さん。
石田ミオさんも、
「美味しかったーって
褒められれば、
よし、もっといいもの作ろう!
って思うんだよね。」と
楽しそうにお話してくれました。
■藤里の子どもたちへ
ぶなっこ教室には、地元からもたくさんの子どもたちが参加して、
それはそれは楽しそうに過ごしていきます。
地元の子どもたちは、
お客様の案内係としても、
ぶなっこにとっては大事な存在。
佐尾さんは、
地元参加の子どもたちの
参加費を少し安く設定し、
たくさん参加してもらえるよう
心配りをしています。
(厚子)「佐尾さんがね、
なるべく地元の人に
喜んでもらいたい、
藤里の子どもたちに
来て欲しいんだって言うの。
山に連れて行って
地域を知って欲しいって。
そういうの聞くと、わたしも
頑張らなきゃって思うよね。」
以前、佐尾さんにぶなっこ教室に込めた想いを聞いたことがあります。
佐尾さんはこう答えてくれました。
「白神の森を歩いて、(中略)たくさんのことを感じながら、
自然のしくみやつながりを知ってほしいの。
一つでも良いから、
大好きなお友達と思えるような自然と出会ってほしいの。
どうしてかというと、大好きな人が死んだら悲しいでしょ。
それと同じように大好きな自然が失われたら、
きっと悲しいと思うから。」
(抜粋 協議会フリーペーパー「moi(創刊号)」より)
格安の参加費は、
未来の白神を託す地元藤里の子どもたちへの希望の表れなのです。
■全ては佐尾さんの人柄
佐尾さんと出会い、学校に訪れるたくさんの人と触れ合うことで
みなさんはふるさとに対する大きな自信と愛情を改めて感じています。
毎回ぶなっこ教室を楽しみにやってくる子どもたちの姿も、
やる気を支えているに違いありません。
でも?。
彼女たちがここに通い続ける、本当の理由。
それはやはり「佐尾和子さん」という存在そのものに他ならないのです。
「佐尾さんはね、会った時から
悩みを聞いてくれたり、
すごく親身になって
人の話を聞いてくれるの。
都会の人だとは思えないよ。
ホントに気持ちが癒される。
ここで働けることが
本当にありがたいなーって。」と芹田レイ子さんが、
優しい瞳でお話してくれました。
芹田さんもまた、
ここ坊中小の卒業生です。
芹田さんのお話を聞いて、
「やっぱりこういうのは全部人柄だよね。」とみんながうなずきました。
「佐尾さんだから協力できてるのよね。」
「心も広いし言葉使いも丁寧だし。
わたしなんか、いまだにちょっと緊張しちゃうのよ(笑)」。
そして、「なんか不思議な魅力のある人なんだよね?。」と。
■感謝の心溢れる学校
全ては人柄。
佐尾さんを含めここに集まる人を見ていると、本当にそうだなと感じます。
そして、それを結んでいるのは「感謝の心」ではないでしょうか。
お互いがお互いに抱く「ありがとう」の気持ちが、
優しさとなって学校中に溢れているからこそ、
訪れる人は安心して身を任せられるのだと思います。
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こんなにも優しくてあったかい「白神ぶなっこ教室」に
みなさんも遊びにきませんか?
ありきたりだけど美味しくて、愛情たっぷりのお料理をご用意し、
みなさんのお越しをお待ちしております。
県北担当 やっつ
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協議会会員情報 白神ぶなっこ教室
2010年4月18日21:12 | 県北情報 | Trackbacks (0)