大湯の春も、もうすぐです。
鹿角市大湯箒畑。自宅前の小さな畑を耕す女性の傍らに立つその桜は、
腰を曲げて鍬を振る主を、上から優しく見守っているかのようでした。
今から25、6年前に庭先に植えた一本の桜の木。
山で植林の仕事をしていた夫が特別に譲ってもらった苗木です。
「剪定もなにもしないから、こんなにこんもりしちゃって(笑)
畑の日当たり悪くなるかなっても思うども、咲くとやっぱりきれいだからね。」
秋田の桜は散ったことを告げると、
「この桜は今が盛り。写真だばなんぼでも撮ってけれ。」と、笑顔で腰をひと伸ばし。
小さな畑には食用菊を植えるのだそうです。
大湯箒畑の桜
女性の家から2軒ほど先の庭先に咲くしだれ桜。
ここ箒畑は、かつて菅江真澄が泊まり、旅の疲れを癒した場所です。
小坂から毛馬内を抜け箒畑へ。
真澄が訪れたのは旧暦9月なので桜の季節ではありませんが、
成田正吉という人を訪ね、箒畑の人たちと夜遅くまで交流した様子が
「十曲湖」に記されています。
中滝ふるさと学舎の桜
箒畑から車で5分。中滝ふるさと学舎にも少しずつ春の気配。
中庭の山桜は八分咲きといったところ。
校庭の桜並木はまだ三分咲き。今週末が見ごろだとか。
おばあちゃんのチューリップ
大湯ストーンサークル近くのチューリップ畑。
畑の持ち主のおばあちゃんがせっせと植えているそうです。
つぼみはまだちょっと固め。こちらも今週末に期待です。
春の歩みも今年はゆっくりですね。
もうちょっと春を味わいたい人、鹿角ならまだ間に合いますよ。
県北担当 やっつ
2010年5月12日00:32 | 県北情報 | Trackbacks (0)