秋田花まるっグリーン・ツーリズム推進協議会ブログ

農家民宿にナマハゲがやってきた!~重松の家の小正月・餅つき体験~

農家民宿「重松の家」での餅つき体験
 1月15日、秋田市上新城の小正月行事として、農家民宿「重松の家」で餅つき体験が行われました。
 それに合わせて、秋田市の農村資源活用促進事業の委託を受けた「太平山観光開発㈱」が「お気軽♪グリーン・ツーリズム」として参加者を募集し、市内在住の親子6家族が身近な農村風景の中での体験交流を楽しみました。

佐藤重博さん・祐子さん夫妻 農家民宿「重松の家」での餅つき
 さ~、始めるよ!ぺったんこーぺったんこ。最初は、「重松の家」の佐藤ご夫妻が見本を見せ、その次に参加者の体験となりました。

 今回は、県外から秋田市に転居した家族が3家族、参加されていました。中でも、昨年の5月に愛知県より赴任し、秋田の冬は初めてという山中崇雅さんは、「もともと私は千葉の出身で、実家にいた頃はよく親父が正月前に餅つきをしていました。懐かしいです。その頃手伝った感触は残っているのに、思うようにいかないもんですね」と言いながらも笑顔。奥様の恵子さんは、「夫がつくタイミングに合わせたつもりが、難しい。あいの手、よほど相性が良くないと…」と苦笑。すると祐子さんが「夫婦は、仲良くしないと前に進まねで~」とはっぱをかけているのが面白かったです。「重松の家」の佐藤さんご夫妻のようになるには、後何年必要なのでしょうね。
 娘の望瑛(のえ)ちゃんも、ニコニコ笑顔。「餅つきも雪遊びも、楽しくって仕方がないみたいです」と、お母さん。「温かい地域からいらして大変でしょう」と言うと、「寒いです!」と笑いながら、「ですが、せっかく秋田という地に来たんですから、子どもが小さいうちこういった体験をさせてあげようと思って」とのこと。お子さんの思い出の1ページに加わることでしょう。

秋田の餅
 餅つきの後は、ついた餅の試食会。「重松の家」の佐藤祐子さんのご厚意により、巻きずしやがっこなども一緒に振る舞われました。

つゆもち 農家民宿「重松の家」のがっこ
 小エビでダシをとったつゆもち(写真左)と、祐子さんお手製のがっこ(写真右)。

農家民宿「重松の家」と、その仲間たち 臼を洗う佐藤洋子さん
 今日のように大人数の体験受け入れを行う時には、いつも手伝いに来てくれる地域の仲間たち。祐子さんは、常々「私は彼女たちに助けられて、こうしてできるんだ」と言います。この日も、参加者にいつものように紹介をすると、恥じらうお母様方(写真左)と、餅つきの後片付けで臼を洗う佐藤洋子さん(写真右)。

太平山観光開発のスタッフら 上新城のナマハゲで泣きだす子ども
  「太平山観光開発㈱」のスタッフが、農業についてのクイズを子ども達に出題。和気藹々と盛り上がりを見せてきた頃…(写真右)、「ウォー!」と言いながら、3体のナマハゲが!包丁を持って玄関から土足で座敷に上がりこむと、その迫力に泣きだす子どもたち(写真右)。
 この場合、「ナマハゲに会えるよー」なんてあらかじめ言わない方が、効果があるかもしれませんね。

上新城のナマハゲ
 即座に祐子さんが奥の部屋からお神酒や馳走の入ったお膳をナマハゲの立ち位置まで運び、退座すると、ナマハゲがどっこらしょと腰をおろします。次の瞬間、正面切って重博さんが身を乗り出し、土下座。「まぁまぁ、まずはこさ休んでけれ。うちには悪さする子どもはいねんでもって」と、酒と食事を勧めました。

上新城のナマハゲと共に 上新城のナマハゲ
 お膳に手を付け機嫌を直したナマハゲはこの後、次の家を目指して帰って行く…筈ですが、本日は特別に、ナマハゲに長居をしてもらい、写真撮影会となったのでした。何というか…ナマハゲと笑顔で写真を撮るって、すごく不思議な気分。本来の意味からしてもナマハゲには怖い存在でいてもらいたいなぁと思ったよどぎみ(写真左)。
 帰ってゆくナマハゲ(写真右)。

 秋田市上新城に古くから伝わる「上新城のナマハゲ」も、男鹿のナマハゲ(男鹿市真山)、能代のナゴメハギ(能代市浅内)、象潟のアマノハギ(にかほ市象潟町小滝)、豊岩のヤマハゲ(秋田市豊岩前郷)、雄和のヤマハゲ(秋田市雄和平沢)、他に遊佐のアマハゲ(山形県遊佐町)など、東北の沿岸各地域に点在する厄除け行事と同様、藁のケサに深く掘られた面をつけ、今年一年が無病息災であるよう家々を周って歩きます。
 こちらでは年の瀬ではなく、毎年1月の15日と決まっているそうで、そのため今年はタイミング良く日曜日に重なり農村体験イベントと合わせることができたというわけです。
 「重松の家」のお父さん・佐藤重博さんによると「俺の爺さんから聞いた話では、上新城のナマハゲも他地域のナマハゲ同様古くから存在していた。代々、家の長男が受け継いていく大切な小正月行事だったが、現在は小又と白山の二集落が『双葉親交会』としてやっている。まぁそもそも、子どもがいねば必要のねぇ行事だども…」。
 近年の少子化によりその存続が危ぶまれている「上新城のナマハゲ」ですが、観光化されていないぶん、年に一度の出現に人々は畏敬の念を抱き、古き時代の面影を残してきたともいえます。

雪で遊ぶ子どもたち 雪あかりと家のあかりで照らされる庭
 雪のたまった庭で遊ぶ子どもたち(写真左)。
 雪あかりと家のあかりでほのかに照らされる庭。この雰囲気がとっても好きです(写真右)。

県央地区現地特派員 よどぎみ


農家民宿「重松の家」   ★☆★☆ 会 員 情 報 ☆★☆★
農家民宿「重松の家」

 住  所 秋田市上新城小又字田中13
 電話番号 018-870-2345
 オーナー 佐藤重博・祐子
 宿泊料金 1泊2食 6,000円
      朝食のみ 5,000円
 定  員 7名(1日1組のみ)・全予約制
 そ の 他 客室数は2部屋。
      部屋割りに関しては要相談。
      団体受け入れなどにも対応。

   

 

  

 
 

2012年1月19日09:30 | 県央情報 | Trackbacks (0)

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