秋田花まるっグリーン・ツーリズム推進協議会ブログ

羽後町 そばの新品種「にじゆたか」にかける想い

そば屋 彦三  猪岡専一さん

以前、こちらのブログでもご紹介しました、今年、羽後町で栽培が本格化した
そばの新品種 「にじゆたか(東北1号)」
実は、もっと詳しく「にじゆたか」について、羽後町そば栽培研究会・会長であり、
本協議会会員そば屋彦三の店主・猪岡専一さん(写真上)の熱い想いをお聞きしていたので、
紹介します。

にじゆたかとは…
独立行政法人・東北農業研究センター(盛岡市)が開発したもので、従来のそば品種に比べて収量が
多いのと、甘味や香りが強いのが特徴。
試験栽培が羽後町、岩手県滝沢村、宮城県村田町の3か所で2009年から実施されているが、
本格栽培に踏み切ったのは羽後町が初めて。


にじゆたか(圃場) にじゆたか圃場看板
(写真提供:羽後町そば栽培研究会)

猪岡さんのお話。
「そばの栽培を13年やってきて、この品種に出会えたことは、今までにない喜びだった。
秋田県にはそばの品種がないし、雑穀に力が入っていないと感じていたから。
羽後町が他に先駆けて本格栽培に踏み切ったけど、これが集大成ではない。
まだまだこれから。


秋田の米と言えば『あきたこまち』みたいに、秋田のそばといえば『にじゆたか』。
そう言われるように、まずは2年後の販売を目標に、研究と技術を高めていきたい。
俺たちのそば栽培研究会が学んできたことは、他のどこにも負けない自信がある。
なるほど、と思わせるような品質をもっと目指すんだ」


子実の比較
(写真提供:羽後町そば栽培研究会)上段が従来種の階上早生、下段がにじゆたかで実が大きい。

「前に、新品種の名称を決める募集があったんだけど、そのとき俺は、『にじのたくみ』で応募したんだ。
でも、お酒の銘柄で似たようなものがあるらしくて、話し合いで『にじゆたか』に決定した。
俺の想いがみんなにも伝わって、〝にじ”だけでも採用されたときは嬉しかった。感慨深いよ。」


虹(にじ)に込めた想いとは…
「虹は7色。東北6県に新潟を含めた7県でこのそばの品種を大切にしたいという想い。
それに、虹には雨上がりの晴れ晴れとしたイメージがあるから『にじ』にそばへの想いや願いを重ねたんだ」


今は、水面下で栽培が進められている段階で、日の目に当たる販売がもう少し先となる「にじゆたか」。
しかし、研究会メンバーとなる500農家が、現段階から必死に「にじゆたか」の成功に繋がるよう、
研究を重ねています。
雨上がりの空にかかる大きな虹のように、この新品種が更に明るいそばの羽後町へと導くことを願って。
虹を見たときのあの感覚。蕎麦を味わった誰もが晴れ晴れとした喜びに満ちるように。

「でも、今は羽後町でこの『にじゆたか』の成功に向かって頑張っているけど、俺は決して町だけが
成功すればいいとは思っていない。栽培者が交流して作物を共有し、それが農地の再生や地域を

守ることに繋がればいいと思ってる。『にじゆたか』で秋田県が認められるようになれば嬉しいし、
東北全体に広がればいい」


たった一杯の蕎麦にさえ、
たくさんの人の夢、願い、苦労も喜びも詰まっているんですね。
猪岡さんのお話は、私のそばを見る目を変えてくれたように思います。
私に一気にぶつけられた猪岡さんの熱い想いが、皆さんに少しでも伝わってくれると嬉しいです。

「にじゆたか」、皆さん応援して下さいね!

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おまけ
この日、私が食べた彦三メニューです♪

かき揚げそば そばきなこ
そばがすっぽり隠れる、かき揚げそば(700円)とデザートもヘルシーに、そばきなこ(300円)
どちらも美味し~!ぜひ彦三に足をお運びください。

協議会会員 そば屋 彦三
住所 雄勝郡羽後町西馬音内字中町51
TEL 0183-62-1520
FAX 0183-62-5620
営業時間 午前11:30~売り切れ次第終了
定休日 毎週水曜日(農繁期休み有り)

県南担当 けこさん

2011年12月27日16:00 | 県南情報 | Trackbacks (0)

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