最近直売所などでよく見かける「真菰筍(マコモダケ)」という野菜、ご存知ですか?クセのない食感とほのかな甘味は田んぼの竹の子と言われ、最近では減反政策作目として注目されています。
秋田市では主に下浜地区と雄和地区で基盤整備事業や栽培が奨められており、先日「農事組合法人 姫雪白ファーム」が主催する「自然marugoto体験ツアー」内では、このマコモの収穫体験がありました。
(写真左)マコモダケの説明をする、「農事組合法人 姫雪白ファーム」代表理事の加藤薫さん。
実は、彼は農家レストラン「ゆう菜家」のオーナー・浅野育子さんの実家のお兄様です。
昨年、ここ萱ヶ沢に三ヶ年計画で計53アール程作付けするにあたっては、栽培がさかんな新潟県柏崎市や山形県鶴岡市などに視察に行ったそう。「新潟は3mもの丈に育っていた。けど、新潟の株ではうまく成長しなかった。マコモは種子が乾燥に弱いんで、同じイネ科であってもコメのようにはいかんのよ。親株から株分けされ、黒穂菌(くろぼきん)という菌に寄生され、新芽がこのように大きくなるんです。この土壌には、何故か鶴岡の株が合っていたよ。マコモは肥料をよく吸う植物で、今年2年目でやっとこれだけ大きくなったよ」と、栽培マニュアルがなかった当初の苦労を、笑いながら話してくださいました。
また、「いずれは秋田もマコモの消費国・観光源にもしたいね。マコモサミットというものがあるんだども、それを秋田でも開催したい」と、抱負を語ってくださいました。
(写真右)皮をむいたマコモは真っ白で綺麗。癖がないトウモロコシのような香りで、皮を付けたまま焼いたり、天ぷらやキンピラなどにも気軽に料理に使える優れモノ。細かく刻んで餃子やハンバーグに混ぜても美味しいそう。参加者には、レシピが書かれた冊子も配られました。
マコモダケの収穫体験をする参加者ら。土壌は、昨日までの雨で少し泥濘。新鮮なうちは生で食べても良いと聞き、早速その場で皮をむいてかじりつく参加者も。秋田市東通からお越しの佐藤ご夫妻は「マコモダケって、始めて知りました。土壌は生かされるし、これが少しでも秋田の耕作放棄地対策になるのなら、今後もこのような活動に参加していこうと思います」とお話してくださいました。
和名は花勝美(ハナガツミ)といい、古くは万葉集にも登場しているマコモダケ。かつて黒穂菌の胞子(マコモズミ)はお歯黒や眉墨、漆器の顔料なども用いられ、古くから日本人とは切っても切れない関係でした。今また食用として、その存在が見直されつつあります。
マコモダケの収穫体験の後は、「農事組合法人 姫雪白ファーム」の事務所(作業所)へ。ファームのメンバー・工藤さんより、現在作製中だという石窯の説明がありました。「次は、これでピザを焼いて皆さんで食べましょう」とのことで、次回のピザづくり体験は、11月の上旬に予定。詳細が決まりましたらこちらのブログでもご案内致します。お楽しみに!
(写真左)秋田市農林部の斉藤さんと、ファームの向かいの美容室“カントリー”を80代半ばで現役営業されている、名物おばあちゃん。「ここは本当に良い場所。若い頃はお師匠さんさ付いて秋田市(中心部)さも居たけど、今はこござ戻っで来れで良がっだよ。商店街もあるし(?)、住むには申し分ない。向かいの兄さんがだも頑張ってるがら、活気出で来で」
(写真右)「農事組合法人 姫雪白ファーム」は、秋田市雄和萱ケ沢八木山沢のトンテン地内という場所にあります。
県央地区現地特派員 よどぎみ
2011年11月2日14:00 | 県央情報 | Trackbacks (0)