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‘県北情報’ カテゴリーのアーカイブ

能代市二ツ井 農産物直売所杉ちょっくん収穫感謝祭

農産物直売所「きみまち 杉ちょっくん」主催
      韓国の家庭料理講座

先月中旬、能代市二ツ井の道の駅ふたついに隣接する
農産物直売所「きみまち 杉ちょっくん」で収穫感謝祭が行われ、
特別イベントとして韓国料理教室が開かれました。


講師は、北秋田市合川の文本照子さん
在日三世である文本さんの韓国料理は、在日一世の祖母に習った
“おばあちゃんの味”です。これまで県内各地で料理教室を開いてきました。

◆韓国のおふくろの味 召し上がれ
この日も、新聞で見たことを思い出したからと友人を誘い足を運んだ、
という女性など10数人が集まりました。
「韓国の家庭料理講座(旬の野菜を使って)」と題して開かれた今回、
文本さんが用意してくれたレシピは、
チヂミ、ゴボウのナムル、キムチチゲ、蒸しダコと大根の和えものの4品。
このうち、キムチチゲ以外の3品を実際に目の前で調理してくれました。

 
チヂミは、多目の油で周囲をカリッと焼くと、“ふんわりカリッ”でおいしい。
焼きたてをいただく。海鮮チヂミはあっという間になくなりました。

 
「蒸しダコと大根の和えもの」の大根はしっかり水切り。
薄く輪切りにして千切りにするのがポイントだそう。
ごぼうのナムルは「おいしくな~れ、って念じながら揉みます。」

◆「ひねりごま」
文本さんのお料理にはごまがたくさん登場するのですが、
始めて聞いた言葉で「ひねりごま」という言葉があります。
本来はすりごまでOKですが、「すりごま」は「いりごま」よりも日持ちも悪く、
またわざわざ「いりごま」をするのには手間がかかる…
そうした時に、「いりごま」をそのまま入れるよりも、
親指と人差し指でちょっとひねり潰しながら入れると、
ほどよい香りがでて風味が増すのだそうです。
実際、数m離れた場所でも、文本さんが指をひょいっとひねると、
香ばしい香りが広がって、周囲からは「あ~、いい香り。」と感嘆の声が。
今度挑戦してみようと思います。

◆和韓折衷?

それから、チヂミの材料にちょっと韓国っぽくない材料を発見。
それは、めんつゆ。これって日本の味ですよね?
文本さんに伺うと、
「めんつゆには砂糖も醤油もだしも入っているから便利なの。」とのこと。
日本で生まれ育った文本さんならではの味です。
「韓国料理は焼き肉のように油っぽかったり、
しつこい味というイメージもあるけれど、
実際はお野菜をたっぷり使っているからとってもヘルシーなんです。
秋田には美味しい野菜がいっぱいあるからね。
美味しいって言って食べてもらえるのは嬉しいですよ。」

◆ところ変われど変わっちゃいけない大切なこと。
自宅ではホットプレートじゃなくてフライパン。
ごまだってひねっちゃうし、めんつゆだって使っちゃう。
そんな文本さんを見ていて思ったこと。
それは、大切なのは、材料をひとつ残らず揃えたり、手順を間違わないで作ることじゃなくて、
家族で美味しく“食べ続けていく”ということ。
そこには、日本に生まれ育ちながらも、
韓国人としてのアイデンティティーを失うことなく生きる、誇り高い姿がありました。
「もう作れる人がいないから…」と言って伝統食の灯を消してしまいそうになっている現代、
時代や場所とともにその中身が少しずつ変化をしても、その大きな器は変わらずに残ってほしい。
そして、これは今残さなければ確実に姿を消してしまう。
10年後20年後、食卓の片隅に、祝いの席の膳の上に今と変わらず地域の伝統の味が顔を出しているよう、
絶えず作り食べ続けていく努力が、わたしたち一人一人に必要なことなのかもしれません。

                                 県北担当 やっつ

| 2009年12月27日23:38 | 県北情報 | Trackbacks (0)

三種町 超美味!三種発 なまはげクレープ

なまはげクレープというネーミングに鬼のように辛いのでは…、
はたまた鬼のようなボリュームなのでは…と想像(妄想)ばかりが膨らむ中、
昨日から積もったまだ慣れない雪道を慎重に進む。もうすぐ、話題のあいつに会える。
見えてきました、ショッキングピンクの軽トラック。
うっすら雪景色の中に映えるこのド派手なトラックが噂の「ぴんきぃ号」です。

namahage4 ピンキー号
なまはげクレープのメインはトンカツ。
カツと千切りキャベツの上にタルタルソースを豪快にかけ、なんとその上にいぶりがっこを散らしています。
それをやわらかいクレープ生地が優しく包み込んでいるのです。
一口かぶりつくと、ジューシーなカツとキャベツのシャキシャキ感、ほんのり甘いクレープ生地に癒されていると、
衣のサクサクかと思いきや、突如主張をはじめるいぶりがっこ!
奥歯のでカリカリっとあの独特の風味が広がります。
いろんな食味を一度に、でも全然嫌味なくバランス良く合わさっていて、どんどん食べれてしまうんです。

◇きっかけ
(左)川村さん
「おにぎりとかまんじゅうとかじゃない、何かファーストフード的なものを提供できないか。」、
「高速道路利用も増えたし、県外とくに都会の人に秋田をPRできるものを作れないか。」
こういった想いが募り募ってなまはげクレープは誕生しました。
「ETC効果で県外客も増えたし、ここは営業マンもよく立ち寄る。
また、観光バスで立ち寄る人たちが5分10分の休憩時間で店に入って食事をするのは難しい。
おそばなどの屋台も考えたが、そうすればレストランに影響がでる。
しかも、どうせやるならこの辺にないものをやりたかった」と話すのは産直グループの会長川村さん(左)。
話し合いの末、トンカツはレストランから、キャベツやいぶりがっこは産直から出し、
さらに移動販売車はレストランを運営する観光公社の持ちものとして、
はなまげクレープを共同で販売を行うことになったのです。
道の駅を盛り上げたい、という気持ちが合わさったゆえの実現です。

◇試行錯誤の末の誕生
namahage1 namahage2
販売が決まってからは毎日毎日試食を繰り返しました。中でも苦労したのが、いぶりがっこの使い方。
刻み方や大きさ、タルタルソースに入れたり入れなかったり…。
オープンした今でも試行錯誤の毎日で「みんなすっかり食べ疲れです。」と川村さんは笑います。
最初いぶりがっこを入れるという話が持ち上がったとき、
会員からは「気持ちわるい」、「おいしそう」などと意見もバラバラでした。
しかし、次第に「こういうのはどう?」、「これはどう?」などと会員や隣接する観光公社の職員たちからも
意見が飛び出してくるようになったといいます。
さらに、立ち寄った会員からの、今日は寒いから来たお客さんのために風避けがあるといい、という
アドバイスから、この日急きょついたてが用意されたのだそうです。
開発と販売に関わるみなが、ぴんきぃ号となまはげクレープを大切に思っていることが伝わってきます。

◇気になる次回作 
次は…考えてないわけがないですよね?と聞くと、「あたりまえじゃん!」と川村さん。
なんと餃子クレープを考案中とのこと。このほど新商品として販売を開始した、
道の駅ことおか名物の豆板醤入りの餃子を大胆にもクレープで巻いてしまうのだそうです。
基本理念は「なんでも巻いて混ぜてみる」だそうで、さすがにどんな味になるのかはお楽しみということろ。
でも、きっと美味しいはず。だって食べることが大好きなお母さんたちが食べ疲れながらも、
とっても楽しそうに開発しているんだもの。

きになる餃子クレープ(仮)は、ついに明日18日(金)から販売開始予定!
しかも明日からは18時から琴丘の総合体育館で出張販売を開始。
体育館で部活動に励む子供たちに帰り際食べてもらおうという試みです。
三種発のクレープが、三種の元気の源になっています。

                                         県北担当 やっつ

| 2009年12月18日13:50 | 県北情報 | Trackbacks (0)

能代市 みんなで、未来を想像する。

県山本地域振興局 主催
もっと明るく!!もっと楽しく!!あなたの元気、サポート研修


先月中旬、能代山本管内のファームビジネスを営む人を対象にした研修会
「もっと明るく!!もっと楽しく!!あなたの元気、サポート研修」が
能代市の県山本地域振興局で行われました。
研修には、管内で農産物直売所や農家民宿を営む人などが参加。
魅力的な運営に活かしてもらうための
講演会、テーブルコーディネート、リース作り教室が開かれました。

講演「より魅力あふれる直売所つくりについて」

講演では、テレビなどでおなじみの料理研究家 米本かおりさんが
「より魅力あふれる直売所つくりについて」と題して行いました。


米本さんは今年1月に会社「Y’sキッチン」を設立。
本題の前置きとして、
「起業することで信用が生まれ、多くの人と出会うことができ、
そこからたくさんの繋がりが生まれた」、
「思い切って扉を開けると何かが飛び込んでくる。」と
起業を機にステップアップした自身の現状をお話してくれました。

大人気直売所 その秘密とは?
主題は、どうすれば大人気直売所になれるのか?
農産物直売所として成功を収めて、注目を集めている
長野県上田市丸子の農産物直売所「あさつゆ」と
山梨県道志村の「どうし農産物直売所」の2つの直売所の取り組みを例にあげ、
人々を惹きつけるその魅力を紹介しました。

長野県の「あさつゆ」は、年間売上2億2千万(昨年度)のスーパー直売所。
ここでは、米本さんが実際に足を運んで感じた「あさつゆ」の魅力をご紹介します。

米本かおり的「あさつゆ」の魅力

その1 消費者を意識した陳列
「あさつゆ」では、秋田県内の直売所では主流の生産者ごとの棚陳列ではなく、
スーパーマーケットのように商品ごとの陳列を行っているそうです。
そうすると、例えば自分の商品だけ大量に残ってしまった時、
その人は「今度はもっといいものを持ってこよう」と思い、
そこに競争が生まれ、その切磋琢磨が品物の質を上げるのです。

その2 ニーズに応えた品ぞろえ

例えば今夜はキムチ鍋。冷蔵庫は空っぽ。直売所に行って白菜とねぎを買う。
みなさんなら、この後どうします。キムチ鍋なんだから、
“キムチ鍋の素”を買いにスーパーマーケットへ行きますよね?
「あさつゆ」では白菜やネギと一緒に“お鍋の素”が置いてあります。
お客様が求めているのは何か、それをお客様との会話かわリサーチし、運営に反映させる。
本当の意味での“ニーズに応える”ということなのかもしれません。

その3 閑期のPR活動

「あさつゆ」では客足の遠のく冬場、店舗から離れた市街地でPRイベントを行います。
イベントは会員が普段食べている家庭料理の惣菜などを会場に並べ、
参加者は1人500円で食べ放題。ターゲットは普段足を運ばない人たちで、
格安のサービスで料理を味わってもらい、春になったら今度はお店に来てほしいという狙いです。

その4 お客さまが主役

月に一度必ずイベントをやることに決めているそうです。
それを年間カレンダーに載せてお客様にプレゼント。
月一のイベントは、主催側にとっては大変なこと。
でも、お客様に「あそこでは毎月なんか面白いことやってる」と思わせることが
大事なんだそうです。
お客様の欲求を刺激して、ある程度のハードルを自分たちにも課していく。
それが常に成長できるポイントなのかもしれません。
長野の「あさつゆ」と山梨の「どうし農産物直売所」のお話は、
同じ雪国で直売所を運営する参加者にとって、
学べるところの多いものだったのではないでしょうか。

お店に活かしてくれるかな。

研修会の後半はみんなでリース作り。
民宿や直売所のディスプレイに活かしてもらおうという目的です。

 
講師は、ななんと…農林部長 宮崎一彦氏。
趣味でリース作りをされているとのことですが、
木の実でトトロを作らせたら間違いなく日本一の方です。
日頃農業に励んでいるみなさん。どんなオリジナルリースを作りだすのでしょうか…

 
別名「宝箱」の中から、トトロの材料を探る。思い通りのお宝はやっぱり下のほうにあったりします。
「どんだ?どんだ?」「いいんでねが?」その表情はまるで少女☆なんだか生き生きしてますよ。

 
「こんなの作ったの久しぶりだ。」と言いながら二コリ。
文句なし。傑作です。

みんなで、未来を想像する。

講演の中で米本さんは何度も「みんなで考える」という言葉を使いました。
そして印象的だったのが「未来を想像する」という言葉。
「みんなで、未来を想像する。」
“考える”ということ。自分たちがどうありたいか。どうなりたいか。
「今までは有能なリーダーについていくだけでよかったが、これからはそれではだめ。
参加者みんなが、一人一人考えてその意見を戦わせる。
消費者の視線もより一層厳しくなってきている。
農家と消費者がきちんと向き合い、農家側は10年後20年後、
自分たちの直売所をどうしたいのかをイメージして、
それを実現するにはどうすればよいのかをみんなで考えなければいけないのだと思います。」

フリーの料理研究家として長い年月を経て、一念発起。
起業という、新たな一歩を踏み出して世界を切り拓いてきた米本さんらしい言葉だと感じました。
ファームビジネスだけではない、人生の先輩の言葉として大事に心に留めておこうと思います。


宮崎部長作“トトロ”と共に。
                              県北担当 やっつ

| 2009年12月8日00:04 | 県北情報 | Trackbacks (0)

鹿角市 ノルディックウォーキングに挑戦!

青空の下でフィットネスノルディックウォーキング


先月上旬、心地よい秋晴れの中、鹿角市で「ノルディックウォーキング」に挑戦しました。
いま、… What’s ノルディックウォーキング?と思った、そこのあなた!!!
ただのウォーキングと思って侮ることなかれ。すっごい楽しいです。
しかもこれ、痩せます。

【ノルディックウォーキング】
ノルディックウォーキングは、1930年代に北欧フィンランドにおいて、
クロスカントリー選手の夏場のトレーニングとしてはじまりました。
後に、その身体的効果の研究が進み、それに関わったスポーツ用品メーカーなどが、
これを新しいエクササイズとして広く世間に紹介したのです。
現在では世界40カ国以上に愛好者が広がり、
発祥の地フィンランドでは、実に成人の20%がこれに親しんでいるといわれています。

【その効果】
気になるその効果ですが、ポールを持ち地面を押しながらフンフン進むので、
エネルギー消費量が通常の20%増だそうです。
ポールを使うことで、一見ラクチンかなと思うのですが、とんでもない。
二の腕と背中、太ももの後ろなど普段なかなか使えない筋肉にバシバシ刺激がきます。
しかも、ポールを使うことで膝への負担は軽減され、長時間の歩行が可能なのです。
ほどよく汗をかいて、気持ちのいい疲労感を得ながら、足は痛くならない。
しかもシェイプアップ効果も期待できる!
ね、いいでしょ。やってみたくなったでしょ?
今回は、かづのノルディックフィットネス協会の主催する体験会。
森林セラピーでお世話になった鹿角地域振興局の柳澤さんが、
当協会のインストラクターである縁でお誘いいただいたわけです。


コースは道の駅かづのを出発し、米代側沿いから国道に出て
戻ってくるおよそ10km。「10kmですか!?」と恐れおののく私に、
「大丈夫、5kmの往復だと思えば。」と優しくなだめてくれるみなさん。
やばい、日頃の運動不足がばれてしまう… (自称)若者代表なのに。
準備運動をしっかりして、出発です!

◆いい汗かいたぁっ!
ようは、腕を大きく前後にイチ、二、イチ、ニとすすむだけなのですが、
これが、なかなか難しい。
油断してると足と腕が左右一緒にでて、緊張した人のようになります。
 
そして、そうこうしているうちに、このように集団から
どんどんどんどん離されていきます。
でも、みなさん休憩ポイントで待っていてくれました!うれしいよぅ!
そこで気づく。すごい汗!!!わたしの身体、燃えてます。
一人では味わえない一体感。
一緒に歩いて、いっぱい汗かいて、いっぱいおしゃべりして…なんとも楽しい時間です。

◆森林セラピーロードでノルディックウォーキング♪
このノルディックウォーキング、今後、鹿角市が中心となって行っている
森林セラピーの活動にも取り入れていく予定になっています。
森林セラピーロードにはウッドチップが敷かれている場所も多く、
その上では、ポールもスイスイ動かすことができますよ。
リラックス効果を得ながら、
軽運動によるリフレッシュ効果も感じたいという方にはおすすめです。
また、これからの時期は、スノーシューという西洋かんじきを履いての
雪上ウォーキングも楽しみ方のひとつ。
県内ではまだまだ愛好者の少ないノルディックウォーキングですが、
老若男女問わず楽しめるとは、まさにこれのこと!

わたしもハマっちゃいそうです。翌日しっかり筋肉痛になった 県北担当 やっつ

| 2009年12月7日15:48 | 県北情報 | Trackbacks (0)

八峰町 季節ハタハタ 到来!

  今年も来ました!季節ハタハタ!!

わたしの祖父は、ハタハタの稚魚を育て海に還す仕事をしていました。
あの3年の自主禁漁の間、祖父は仲間と共に、
水槽で孵化する何万匹もの小さなかわいい稚魚を目の前にしながら、
秋田の海に再び大漁のハタハタが、群れを成し戻ってくる姿を夢見ていたのかもしれません。
解禁から今年で15回目の冬。おじいちゃん、今年もハタハタの季節がきたよ。

 

八森漁港へ

12月4日(金)、「来たぞ!季節ハタハタ」の文字が躍る朝刊を握りしめ、
山本地域振興局の伊勢谷さんと川村さんと共に八森漁港を目指す。
海沿い育ちのわたしも、この時期漁港に行くのはこれが初めて。
しかも待ちに待った季節ハタハタ到来のニュースに、
当の港はどれほど活気づいているものか、と私の気持ちも高ぶっていた。
県漁協北部総括支所 支所長の村井さんにご挨拶に伺うと、
これから入札を行うというので、さっそく見学させていただくことにした。

ハタハタの入札

およそ10畳ほどの小さな一室で、
白い紙を持ってあぐらをかいて座る漁港の担当者を中心に、
30人ほどの仲買人たちが円になって座っていた。
だいたい競りと入札の違いもよく分からない素人のわたしである。
どんなものなのか興味津々でその時を待った。
午前10時ちょうど。
入札を取り仕切る担当者が「いぐぞ。」と威勢よく声を上げた。
「300コ ○○ 412」、「200コ ×× 457」などと暗号めいた言葉が続く。
何を言っているのかさっぱり理解できず、淡々と進むその光景に、
「これはもう始まっているのですか。」と
思わず村井さんに尋ねてしまったくらいである。
村井さんが、その暗号の解読方法を教えてくれた。
「最初の300は箱の数、次が仲買人の名前、最後の412はキロあたりの値段です。」
つまり、翻訳すると「キロ412円を付けた○○さんが、300箱ゲット。」となる。
あらかじめ希望の値を申告し、ここで獲得者が発表される仕組み。


みな必死でメモを取りながら、その声に一喜一憂。
中にはその場で取り分を交換する業者もいた。入札は10分ほどで終了した。
即座に品をトラックに運ぶ業者もあれば、携帯電話でどちらかに連絡をとる者もいる。
想像していた競りとは一味違う、珍しい漁港の一場面を思いがけず味合わせていただいた。



ブリコ抱えてやってくる“季節ハタハタ”

↑漁船に積んできた網をトラックにあげる。
ハタハタ漁は、主に「沖合底引き」(主に9月11月)と
「沿岸定置網」、「沿岸さし網」(12月)などがある。
(定置網よりも網が小さく、移動可能な「わかべ網」という漁法もある。)
中でも、わたしたち秋田県民がその到来を待ち焦がれているのが、
11月下旬から12月上旬、水温が12度を下回った頃、
沿岸にある藻場に産卵のためやってきて、
「沿岸定置網・さし網」で引き上げられるハタハタであり、
これを区別して(親しみを込め)“季節ハタハタ”などと呼んでいる。
プリプリ、そしてちょっぴりヌルッとした口当たりのブリコ(卵)と、
淡泊な白身のバランスが抜群にうまいハタハタだが、東京など関東の人は好まないという。
そのため、水揚げされたそのほとんどが県内で消費される。
秋田県民のためだけにやってくると言っても過言ではない、
まさに「県の魚」に相応しい魚なのである。

ハタハタの網外し作業


↑暖かな日差しの中、船着き場に網を広げ手早く魚を外していく。
この時期、港のあちこちで、魚を網から外す人々の姿が見受けられる。
漁港の一角の小さな小屋にも、
10数人の老人たちが集まり、車座になって作業に精を出していた。

 
ブルーシートの上には、まだ魚のついた網が一面に放り出され、
手近なところから一匹一匹丁寧に網から外していく。
網外し歴およそ10年という女性は、エラにひっかかった網を外すのが
一番難しいのだと教えてくれた。聞くとみなキャリアは10年以上。
よその地区から手伝いに来ている人もいるという。


「こんなに天気のいい日は珍しい。いつもはもっと寒いよ。」と
話す男性の顔からは笑顔がこぼれていた。
海が時化て、その嵐と雷鳴と共にやってくる
といわれるハタハタ。いつもより暖かい今年は、
作業をする人々の気持ちも少しばかり穏やかなのかもしれない。

昔懐かし 木船

県北の独特の光景がある。定置網漁に使う木船である。
海上では木船のほうが安定して漁がしやすいという理由で、
未だにこの木船を愛用している漁師も少なくない。
かつては港いっぱいにこの木船が並び、漁に出ていた。
ブナやナラの木で巧みに作られた木船は、
大漁を誇ったかつてのハタハタ漁には欠かせない存在だった。
しかし、木船を作る職人はすでに姿を消してしまっているという。
壊れては自分たちで直しを繰り返し、大事に使い込まれたその船には、
ここで生きていくと決めた、ハタハタ漁師たちの心意気が詰まっていた。

守り育てる 秋田の海
平成7年の漁解禁以来も厳しく守られてきた漁獲量。
すべては、秋田の恵みの海を守り、後世に残していくため。
ハタハタは、ふるさとの味としてだけでなく、
多くの秋田県民が慈しみ守り抜いてきた、郷土の誇りの表れなのである。

決められた漁獲量に達するまで、およそ2週間足らず。
今年の最盛期も今月15日頃までだろう、と村井さんが教えてくれた。
待って待ってようやくやってきたハタハタの季節。
昼夜を惜しまず漁に勤しむ漁師たちとその帰りを陸で待つ人々。
互いの役割と秋田の海に生きる者としての誇りを携え、この一時にすべてをかける。
熱い秋田の冬がやってきた。

ちなみに、村井さんに「八森と男鹿はどっちが本場なんでしょうね?」と水を向けると、
「もちろん八森。本家です。」ときっぱり。血筋が違うのだという。
でも、男鹿の人に聞いたら「男鹿です。」って言うのかもな…
                                   県北担当 やっつ

| 2009年12月6日03:52 | 県北情報 | Trackbacks (0)

上小阿仁村 ほうずき屋はじめました。

ほおずき日和、季節野菜、カフェ 
         「やまぶん」

五城目町から上小阿仁村に向かって国道285号線を走る。
その途中、気をつけてみてほしい。
上小阿仁村名物「山吹まんじゅう」の向かいのちょっとひっこんだ一軒家。
玄関口の暖簾には、トレードマークのほうずき印。
今月初め、ささやかなイルミネーションを施し冬支度を整えたばかりである。
「やまぶん」は、ほおずき農家 鵜野浩一郎さん、幸子さん夫婦が
今年8月に開いたばかりの農産物直売所 兼 カフェ。

 
玄関すぐのたたきには、自慢のほおずきはもちろん、ほうずきジャムに
ほうずきパウンドケーキ、そして季節の野菜が行儀よく並んでお客を出迎えている。
冒頭で紹介したほうずき印の布巾は、「やまぶん」オリジナル。
「特産なのに“ほうずきグッズ”が少ない。」と独自で作ってしまった。
洗うほどに柔らかくなる優しい風合いがこの店らしい。


店内はテーブル席が3つと座敷席が2つ。
幸子さんの祖母の家だったところを手直しして店舗にした。
その店内は、主のぬくもりをそのまま残し、訪れるわたしたちをも優しく受け入れてくれる。

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鵜野さん夫婦は山形で出会い結婚。6歳差の姉さん女房カップルである。
農業をしたいという浩一郎さんの話に、「住む場所ならある」と、
幸子さんの父親の実家である上小阿仁村に2人で越してきた。

 
ほおずきは、浩一郎さんが3年前に受けた村の農業研修で出会った。
「手をかければかけただけいいのもができる。」とその魅力にとりつかれた。
そして、農業研修を受けながら理想像を突き詰めて考えた時、
自分たちで店を構えて、そこで消費者と向き合うのが一番いいのでは、
という思いに達したという。
浩一郎さんが作ったほおずきで幸子さんが丁寧にジャムを煮る。
ほおずきは水分が多くて煮詰めるのにも時間がかかる。
豊作だった去年、「一日中煮てました。」という幸子さんのジャムは、
この一年で地元の老舗菓子店からも太鼓判を押されるほどの腕前に成長した。

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今年8月初旬に産直を、下旬にはカフェをオープン。
農家直営らしさを心がけているという二人のほうずきスイーツは、
ほおずきが蓄えた養分や浴びた太陽の温かささえもそのまま伝えてくる。
夫婦が愛情をたっぷり込めて作ったほうずきを存分に味わえるのが、
看板メニューの「ほおずきタルト」(300円)

土台のタルトは秋田市の知り合いの洋菓子店から取り寄せている。
注文を受けると、その上に自慢のジャムをのせ、
半分に切った生ほおずきをトッピング。
そのわきに、これまた幸子さん手製のミルクアイスを添えて完成だ。
テーブルに運ばれてきた途端に、ほおずきの少し青く甘酸っぱい香りが漂う。
カメラを構える手も、早く食べたい、と疼いてくる。
てっぺんにのった殻つきのほおずきは、
「我こそ主役なり。」とばかりに堂々とした面持ちでちょっと誇らしげ。

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店を訪れる客の6割は地元の人たちだという。

「最初は産直に来てくれるおばさまたちをターゲットに考えていたんです。
ほら、車で来てちょっとコーヒーでも、っていう人多いでしょ。
でも今では地元の人のほうが多いんです。
開店して3カ月で2回3回とリピートして来てくれる人もいて。
本当に近所の人たちに支えられています。」
と幸子さん。
カフェには近所の子供たちもパフェを食べに小銭を持ってやってくる。
値段が手頃だから子供でもお小遣いの中で味わえる。
「自分の農業研修での感覚でこのくらいの値段が妥当かなと。」という
夫婦の優しさがご近所さんを惹きつけているかもしれない。

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もうすぐ上小阿仁村にも本格的な冬が訪れる。
うんと冷え込む日には客足も鈍るだろう。
しかし、それでもいいと夫婦は口をそろえる。
「お店を出して本当によかったと思います。お客さんゼロの日もあるけど、
自分たちで考えて商品を売ることができる。
他に頼んでたらそういうのはできないでしょ。」
と目を輝かせた。
 
最後に今後の展望・夢を聞いてみた。
「カフェについて言えば、商品の完成度はまだまだ低いと思っているんです。
商品の数も増やしたいし、ほおずきの季節以外にも提供できる商品を考えていきたい。
ほおずきはまだまだ珍しい食べ物だけど、それをもっと身近に感じてもらえるようになって、
しかも農業で食べていけるようになればベストですね。」

最後は浩一郎さんがビシッとしめてくれた。

                               
                                 県北担当 やっつ

ほおずき日和、季節野菜、カフェ「やまぶん」(協議会会員)
土日月曜、祝日 営業(10:00~19:00) 駐車場3台あり
住所 秋田県北秋田郡上小阿仁村沖田面字屋布12 
電話 0186-77-2219

【メニュー】


ほうずきタルト 300円
ハニーミルクアイス 250円
かぼちゃプリン 280円
かぼちゃプリンアラモード  500円
ほうずきチョコパフェ  550円
スイーツよくばり盛り合わせ  600円
        
だまこ汁 450円        
コーヒー 350円
紅茶 350円
ココア 380円
ほうずき印が目印です。

| 2009年11月19日03:09 | 県北情報 | Trackbacks (0)

能代市 農家民宿星場台のどぶろく

今年も“どぶろく”できました!
 
農家民宿「星場台」の野村良子さんが経営する
「能代里山酒造」のどぶろくが、今年も完成しました。
ノーマルな白いどぶろくは販売スタート、
県内ではここだけ、紅いどぶろくは来月中旬販売開始予定です。
間もなく紅白とり揃います!

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11月中旬のある日。
能代市桧山の一軒家。青いエプロンにメッシュの帽子とマスク姿。
真剣なまなざしで試験管のメモリをみやる。
「う~ん、にー…、てん、に!誤差があるから2.6か。」。


「能代里山酒造」の野村良子さんです。
農家民宿「星場台」を経営する傍らこうして冬場はどぶろくを作っています。
お酒の香り漂う室内では、3日後に瓶詰めするどぶろくのアルコール度チェックが行われていました。
まだ米の粒が残る白濁液がフラスコの中でグツグツ火にかけられ、
一滴一滴、アルコールが落ちていきます。
☆県内の“どぶろく特区”☆ 
 県内には、国の構造改革特区法に基づいて「どぶろく特区」に指定され、どぶろく作りを許可された地域が、
 ・能代桧山・八峰・仙北・八郎潟・由利本荘・阿仁(マタギ特区に含む) の6か所あります。
 「どぶろく特区」の認可を得ることのできるのは、
 民宿やレストランなど酒類を提供できる場を営み、
 その特区内において、自ら栽培した米を用い濁酒(どぶろく)を製造できる農業者とされており、
 野村さんは能代桧山地区ではただ一人どぶろくを作っています。

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◆常に前進!
野村さんのどぶろく仕込みも今年で4冬目。
女性個人でどぶろくを造るのは県内でも野村さんただ一人。
軌道に乗るまでには様々な苦労がありました。
温度調節が難しく一樽全てダメにして途方に暮れてしまったり、
酒の様子を見る2~3分のために、夜中暖かい布団を抜けるときは
免許なんか取らなきゃよかった、と思うこともあったといいます。
しかし、「おいしかった!」「来年も楽しみ!」「できたら連絡ください!」という
お客さんの声が一番嬉しい、という今ではもう笑い話となりました。
去年からは特別な酵母を取り寄せ、紅いどぶろく「桃こまち」の製造も始めました。
「どぶろく特区が増えたから、常に新しいことで前へ前へとしていかないと取り残されてしまう。
いつも一歩前に出ていないとダメだっていう使命感に駆られるのよ。」
農作業の合間の副業として始めた民宿とどぶろく造り。
決して儲かるものではなく、周囲の期待に対するプレッシャーもある。
それを、野村さんはこうして常に前進することで乗り越えてきたのです。


◆夢は叶う
結婚し桧山に嫁いできた野村さん。
農作業と子育ての毎日に、「つまらない自分の人生をどうにかしたい」と漠然と考えていたといいます。
そんな時出会ったのが“グリーン・ツーリズム”。「変わった生き方もいいかなと思って(笑)」と
起業を決意した当時を振り返ります。
今では、全国から多くの人が訪れる人気の宿に成長しました。
そうした繋がりから、野村さんが育てるお米や酒を心待ちにしている人が全国に大勢いるのです。
「ただの農家の主婦だったら体験できなかったことができている。
今こうして気づくのは“自分の夢は諦めなければ叶う”っていうことなの。
夢が叶うっていうのはそれを叶えたいか、諦めるかっていう2つしかない。
気苦労も多いし、諦めるのは簡単だけど、
わたしは常に挑戦していたいと思う。」


◆すべてに「感謝」
常に努力を重ね、夢を実現させてきた野村さんは、
自分を取り囲む人たちへの感謝の気持ちを忘れません。
それは、寒い中一緒にお酒を詰めてくれる夫、
重い酒の樽を一緒に持ち上げてくれる義母、
健康に働ける身体に育ててくれた両親、
泊り込んで日常のグチを聞いてくれる親友たち、
そして桧山の人々とたくさんのお客さん、そのすべての優しさに対して。
この優しさがこれまで野村さんを支え、またそうした温かい心に応えようと、
野村さん自身も頑張ってこれたのではないでしょうか。
野村さんの一言一言には、その「感謝」の想いが滲み出ていました。
最後に「やってよかったと思いますか」と伺うと、
「もちろん!」とはっきりと即答してくださいました。

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そんな野村さんが今年仕込んだお酒が販売開始になりました!
第一号は大館からのお客様。「社長がどうしても明日飲みたいということで…」と
社員の方がわざわざ大館から車を走らせてきたそうです。
野村さんの使うお米(あきたこまち100%)は、全て自家栽培の有機米。
今年は、さらに天日干しにして手間暇をかけて育てました。
今までにない上等なお米を使った野村さんのどぶろく。
今年の冬は紅白のどぶろくで決まり!

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☆能代里山酒造 どぶろく「雪こまち(白)」☆
    720ml 1200円
    1620ml 2700円   
野村さんの自宅裏の「能代里山酒造」で直接、また郵送(代引き)で販売しています。
※紅いどぶろ「桃こまち」は値段が若干異なります。販売予定は12月中旬です。
【問い合わせ】 能代里山酒造 野村さん
         〒016-0151 秋田県能代市桧山字星場台129 電話/FAX 0185-58-5344 
*秋田花まるっグリーン・ツーリズム推進協議会 会員情報*
                    農家民宿「星場台」の情報はこちら。
                               県北担当 やっつ

| 2009年11月18日03:05 | 県北情報 | Trackbacks (0)

鹿角市 紅葉の森林セラピーを体験!

「森林セラピー」を知っていますか?



2009年10月上旬、そのうちの一つ「八幡平森林セラピーロード」で
「森の力 森林セラピーロードへのいざない Autumn story3 紅葉のブナに抱かれて」
(かづの森林コンダクター連絡協議会 主催)が行われました。
秋田県内では鹿角市で唯一森林セラピーが体験できます。
木漏れ日の中カサコソする落ち葉の上を歩いた気持ちいい一日です。
続きは美の国秋田・桃源郷をゆくの中の
「森林セラピー 秋~紅葉のブナに抱かれて~」をご覧ください。

                                   県北担当 やっつ

| 2009年11月11日21:29 | 県北情報 | Trackbacks (0)

北秋田市 ふるさと料理の会収穫祭

食べて残そう ふるさとの味


2009年10月7日(土)北秋田市森吉で
「第2回 ふるさと料理の会 収穫祭」が行われました。
「ふるさと料理の会」は、郷土料理や家庭料理を持ち寄り、教え合い、
食すことにより、その継承と再発見、地域交流を目的として去年発足。
米内沢を中心に40代から70代の女性が集まっています。

 
会場には、遠くは秋田市から大勢の人が駆けつけ、
お母さんたち自慢の「森吉料理」を味わいました。
参加者には、「うめっすな!」と唸る人や
「去年新聞で催しを知り、今年は必ず来ようと決めて来ました。」という人も。
「来年も来ます!」と次回の開催をリクエストする声まであがりました。

ここからは「☆2009 森吉料理コレクション☆」

 
☆山菜の白和え(左) 

地元のお年寄りから「懐かしい味」と太鼓判を押された一品。
ふんわりとした滑らかさが口いっぱいに広がる。かすかに香るのはくるみ?
☆凍み豆腐の煮物(右)
この地域に伝わる「まし豆腐」という料理をアレンジ。
「まし豆腐」はもう作れる人がいないのだとか。
「時代が変わって材料や味が変わるのはしょうがないこと。
でも、これはこれで地域の味です。」と話すのは、
アドバイザーであり協議会の相談員である福岡雅子さん。

 
☆山菜の煮付け(左)
タケノコ、ゼンマイ、シイタケ、ゴボウ、シラタキ、ニンジンなど具だくさん。
味付けもあっさりで上品。「塩分控えめとってもヘルシー♪」と女性に大好評。
☆いちじくの寒天(右)
でっかいいちじくがゴロっと丸ごと入っています。
いちじくが大好物の私はひそかに狙っていたものの…
大人気で食せず!残念!!


☆コーヒーゼリー
こうして並ぶとなんとなくアート。味はもちろん文句なし!
この他、自家製みそを使ったきのこ汁、山菜ごはん、自慢の漬物たちにデザート山盛り。
いちばん最初の写真が、わたしが頂いたすべて。
欲張りすぎて「もっと食べで。」の優しい声に、
「ほんっとにもう入りません。」と何度お断りしてしまったことか。

会員には、あらかじめ煮物の係など役割分担がされていましたが、
デザート係は自分の割り当て以上に作ってくる人が多く、
品数は去年よりも増えたんだそうです。
 
みなさん「来てくれた人に食べてほしくって。」という心持ちのよう。
参加したわたしたちには嬉しい限りなのでした。

 
会に入って一年ほどという女性は「うちに帰っていろいろ作っています。
お正月やお盆もこうして手作りしたほうが家族は喜ぶみたい。
今までは、母の味を見よう見まねで作っていたけれど、
それではどうしても塩加減なんかが適当になってしまう。
ここでちゃんと覚えることができてすごくためになっています。」と
嬉しそうにお話してくれました。

デザートを2つ作ってきたという女性は、
「来てくれる人に食べてほしくて2つも作ってきました。
おいしそうに食べてくれているからとっても嬉しい。」と
来場者の顔を見て喜んでいました。

 
きょうの出来栄えは?と伺うとみなさん「大成功!」と口をそろえていました。
テーブルに並ぶ料理は本当に普通の家庭料理。
伝統食に限らず「お母さんの味」を受け継ぐ機会って本当に貴重です。
塩加減、煮詰め方、練り方…
そういうちょっとしたポイントが私たちの本当に知りたいこと。
このような活動がどんどん広がって欲しいと思いました。
わたしも母の味を少しずつ教えてもらおうかな。
                           県北担当 やっつ

| 2009年11月10日23:46 | 県北情報 | Trackbacks (0)

北秋田市 内陸線魅力再発見の旅 比立内駅編

内陸線沿線集落散策路策定ワークショップ 2日目。
きょうは、比立内駅周辺集落を歩きます。
昨日のお日様は姿を隠し、空には憎たらしいほど厚い雲…
しかも、比立内とは?と考えても全く思いつかないわたし。
どんな一日になるのでしょうか。
駅を中心にぐるっと一周およそ3時間のコース。
ルートに沿っていうよりは、地元おすすめスポットを点々と巡る計画のよう。
まずは、幸屋(こうや)地区に向かいます。

◇幸屋(大)橋と渓流
幸屋は、駅の北西部にあたり、阿仁川を挟んで反対側。
集落には、東西に架かる幸屋橋と幸屋大橋の二つで行き来しています。

↑幸屋橋からの景色。現在は2代目。手前は1代目の跡。
 奥にかすかに見えるのが幸屋大橋。
幸屋橋についた途端、わたしのテンションはこの日の最高を記録。
「なにここ??なんでこんなにキレイなの???なんでなんで???
まったくこの美しさは、比立内の人たちがもったいぶって今まで隠していたとしか思えません。
眼下を流れるは阿仁川。その両岸では木々が今が盛りと葉を染め、
雨で冷やされた空気が、かすかに霞をつくりなんとなくロマンティック。
昔はこの川で泳いで遊んだのだそうです。


幸屋大橋からの景色↑
数か所に滝が落ちていました。
「あの滝はなんという滝ですか?」とわたし。
「名前は…ねぇよな?」
「んだ、ね。」と地元のみなさん。
そして、「んだ、あんだ付けでけれ。」え、いいんですか?

◇幸屋地区

渓流の余韻に浸りながら歩を進めること5分。
視界は一気に広がり、
正面の高崎山(たかさきやま)が山全体を赤く染めてこちらを見下ろしていました。
道端には、はさがけの木枠が残され、
広大な田んぼは一年の勤めを終え、静かに冬の訪れを待っています。
幸屋地区は、特別な歴史や文化をもつ土地ではありませんが
地元の人にとっては、大事な散歩コース。
この何気ないけれど最高に美しい景色が地元の自慢なんだろうなと、
ここに囲まれて過ごす日常がとてもうらやましく感じました。

◇雨降り様
東側の橋・幸屋大橋を越えると小学校などがある中心部に出ます。
その頃には、朝から少しずつ降り続いていた雨も本降りに。
すると、地元参加の方が「あれが雨降り様。」
と山の方向を指さしているではありませんか。
指の先には、崖崩れか何かで露わになった山肌が。
「雨が降りそうになると、あの場所がうっすらと濡れるんだ。
そうすると雨が降るの。」
「それ、当たるんですか?」と聞くと「あだるよ?。」と自信満々。
雨降り様の向い側の集落を「様向(さまむかい)」というくらいで、
昔から言い伝えのある場所なのだそうです。

◇旧発電所
次の目的地へ向かう途中雨はついに本降り。遠くで雷が稲妻を轟かせていました。
 
次の目的地は旧発電所。阿仁川の支流・比立内川の水圧を
利用して発電していた水力発電所です。市の文化財に指定されています。
木造の建物はどこか洋風な佇まいで、
中には外国製のモーターとタービンがそのままになっていました。
貴重な比立内の歴史遺産です。

◇きのこ丼

今回散策した文化財や景観と同じくらい
わたしたちを感動させてくれたもの、それが「きのこ丼」です。
ご飯ときのこが半分半分。こんなきこの丼みたことありません。
地元参加の人たちも「これはうめ!」とかっこんでました。
今回、阿仁合と比立内を散策して思ったことは、どんなに小さな場所にもちゃんと歴史があって、
そこに暮らす人の思い出が詰まっているということでした。
案内してくださる人のお顔はちょっと誇らしげでみんな笑顔。
そして、地域の歴史を語れるってかっこいいなと思いました。
この「記憶」が途切れることなく、受け継がれてくれることを心から願っています。
   
                                 県北担当 やっつ

| 2009年11月8日13:30 | 県北情報 | Trackbacks (0)

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