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‘県北情報’ カテゴリーのアーカイブ

万灯火

      上小阿仁村 万灯火

2010年3月21日 上小阿仁村で万灯火が行われました。
万灯火は、上小阿仁村など小阿仁川流域集落の民俗行事です。
彼岸の日、精霊がこの火を道標にして、
無事に家々にたどり着けるようにという願いが込められています。
春の訪れを待ち焦がれ、
残雪の残る集落のあちこちで願いの火を灯す人々に出会いました。
続きは、協議会HPから 「ふるさと秋田に学ぶ-上小阿仁村 万灯火」
                                 県北担当 やっつ

| 2010年4月4日19:02 | 県北情報 | Trackbacks (0)

人気ラジオ番組とのコラボ酒 できました!

       

 その名も「絶幸朝!」朝の人気ラジオ番組「OH!HAPPY MORNING」(JFN系列/FMあきた月?金:午前9時?11時)と能代の老舗酒店「喜久水」とのコラボ企画のお酒「絶幸朝」が、29日(月)から能代市二ツ井「伊藤謙商店」で店頭販売と発送が始まります。
ラジオのパーソナリティ(木・金担当)の藤田友明(ゆうみん)さんが二ツ井のご出身という縁で実現しました。
企画を考えた「伊藤謙商店」の息子 伊藤樹さん(27)は、歳が藤田さんの2つ上で、中学の先輩後輩の仲。
昨年10月の「きみまち二ツ井マラソン」に藤田さんが司会で訪れた時、会場に出店していた伊藤さんと藤田さんが再会し、12月頃伊藤さんから提案をしたところ、藤田さんや番組側からOKが出て、あれよあれよという間に今回の企画実現となりました。
ラベルも地元の看板業者にお願いした特注です。
青とピンクの2種類あり、青には月・火・水担当の井門宗之さんと御影倫代さんのキャッチフレーズ「あたり前の日常の中にこそ幸せは詰まっている!」、そしてピンクには木・金担当の森一丁さんと藤田友明さんの「ラッキーは続かないがハッピーは続けられる!」というフレーズがついています。


伊藤樹さん 

「自分も番組の大ファンだし、ラジオを聴いていてゆうみんも頑張っているから、一緒に何かできないかなって。で、やっぱり酒かなと。ゆうみんも喜久水のファンということもあって、やろう!ということになりました。」
「ゆうみんは、昔から、人とちょっと違うっていうか、目立ってましたね。」
仕事柄いろいろなお酒を飲んでいる伊藤さん。
喜久水のお酒に決めた理由は、「似ている」ということだったそうです。
「番組の楽しくて飽きなくて、自然に笑みがこぼれるようなところと、このお酒の飲みやすくて飽きなくて、でも、しっかり米の味がするところとが似ているなって。これしかない、と思いました。」
発売を前に、番組でもPRをしてもらい、予約を受け付けています。
「好評ですよ。予約だけで初期発注を上回ったので、追加をかけたくらいです。(注文は)なぜか石川県の人が多くて。次は福島とか。秋田の人は取り置きの予約が多いですね。とくに県内の人は『ゆうみんの方1本!』って言って予約します。今のところ、木金の方が予約は多いです。」
「このお酒を、お祝いに贈ったり、リスナー同士で飲み交わしたりして楽しんで飲んでほしいと思います。」
明日の店頭販売・予約発送を控え、ドキドキしています、うまくいけばいいな、と顔をほころばせていました。
番組を通じて、秋田の味が全国に届くというのは本当にうれしいことです。
進学・就職で新しい世界に踏み出す人へ、お祝いと「絶幸朝!」の気持ちを込めて贈ってみてはいかがでしょうか。
720ml 1750円、1800ml 3250円
贈り物に箱入り2本セットもどうぞ☆
                      OHM大好き!(個人的には青派)
                                県北担当 やっつ

| 2010年3月28日16:49 | 県北情報 | Trackbacks (0)

上小阿仁村 沖田面裸参り

    

上小阿仁村 沖田面裸参り
二月。一年で最も寒いこの季節に、月明りだけが滲む真夜中の町を、
はちまきにふんどし姿の男たちがわらじを履いてひた走る。
白い息を吐きながら、
凍える身体で一歩一歩向かうのは古くから集落を見守る友倉神社。
人々はなぜこんな真夜中に寒さに耐えながら裸で走るのだろう。
上小阿仁村 沖田面集落に伝わる伝統行事「裸参り」を取材した。

続きは美の国秋田・桃源郷をゆく 
ふるさと秋田に学ぶ「上小阿仁村 沖田面裸参り」をご覧ください。

                                 県北担当 やっつ

| 2010年3月24日22:26 | 県北情報 | Trackbacks (0)

「冬の藤里ちょっと体験」モニターツアー

    白神の森で遊んだよっ!!


前項目で紹介した白神ぶなっこ教室(佐尾和子 校長)が、
藤里町ツーリズム協議会と一緒に今年1月に行った
『白神山地の麓 冬の藤里ちょっと体験」モニターツアー』の様子を
ご紹介します。
これを読んだら、
あなたも絶対に参加したくなぁ~る…。

参加したのは埼玉県から来た7人の小学生と3人のお母さん。
そして、地元 藤里小学校の子どもたちです。
この2日間は、
子どもはもちろん、大人にとっても忘れられない日になったようです。
だって、帰り際のみんな顔は、来た時とは比べ物にならないほどに
キラキラと輝いていたのですから。
☆゜・*:.。. .。.:*・゜☆゜・*:.。. .。.:*・゜☆゜・*:.。. .。.:*・゜☆゜・:*・゜☆
        ~一日目~


*一日目の日程*
☆歓迎会
☆かまくら・ミニかまくら作り
☆きりたんぽ作り(おやつ・夕食 用)
☆白神山地自然遺産センター見学
☆ミニかまくら点灯
☆夕食
☆高山太鼓体験
☆温泉入浴・就寝
【歓迎会】


二ツ井駅に到着したのは
午後0時30分。
埼玉からはおよそ5時間。
列車の長距離移動でした。
学校に到着したみんなを
迎えたのが、郷土芸能
「高山太鼓」です。


太鼓の勇壮な演奏をみた
子どもたち。
予定にはなかった
太鼓の体験が、
夕食後に加えられる
ことになりました。
【かまくら・ミニかまくら作り】


校庭に積もった雪で、
かまくらとミニかまくらを作ります。
大人が一生懸命
かまくらに穴を開けている
その上で・・・そり遊び。


みんな転んでも
「気持ちい~っ!」
って叫んで笑って、
「全然寒くない!」って
ほっぺ真っ赤にしながら
お話してくれました。


子どもに交じって、
お母さんたちも
楽しそうに遊んでいました。
「雪ってどうして
   ふわふわなの?」
素朴でかわいらしい疑問。
けど、わたしには雪が
ふわふわなのは当たり前すぎて、
質問に答えて
あげられませんでした。
ごめんね。


ミニかまくら作りを
教えてくれた、
市川善吉さんです。
元営林署職員だった市川さん。
雪遊びはもちろん、
山、川、木…なんでも知ってる
山博士です。


こういう時、
女の子よりも男の子のほうが
仲良くなるのは早い気がします。
学校以外に思いっきり遊べる
友達がいるのは、
うらやましい限りです。
【きりたんぽ作り】


埼玉から参加した
子どもの中には、
きりたんぽ作りが初めての
子どももいた様子。


悪戦苦闘しながらも、
みんな美味しそうに
作っています。


焼きはもちろん
炭火を用意して。
じっくり焼けてくるのを
待っているのも
楽しいものです。


焼けたきりたんぽに、
みそをつけて
「みそたんぽ」にしました。
味はどうかな?


秋田生まれのわたしも、
きりたんぽ片手に
かまくらの上に乗って遊ぶ
子供は初めて見ました(笑)


犬、かわいそうだって!
【白神山地自然遺産センター見学】


センターの斎藤さんに、
白神山地について
お話をしてもらいました。


白神山地自然遺産センター
(藤里館)
は、
白神山地の保全管理、
自然環境の研究、
情報提供
などの拠点施設です。
藤里館のほか、青森県側に
「西目屋館」があります。
【ミニかまくら点灯】


昼間に一生懸命作った
ミニかまくらに
火を灯していきます。


気温も下がり寒い中でも、
学校が用意した
缶のあまざけを飲んで
夕食前に
もうひと遊びです。
【夕食】


遊びまくったあとのご飯は、
ぜ?ったいに美味しい。
夕方作ったきりたんぽを
みんなで食べました。
【高山太鼓体験】


「今夜太鼓やるの
楽しみにしてるんだ!」
って
嬉しそうに教えてくれた恭平くん。
太鼓の会のみなさんも
丁寧に教えてくれました。


お兄ちゃんの恭平君以上に
楽しそうに叩いていたのが、
妹の涼美ちゃん!
リズムもバッチリだったね。


リズムも叩き方も難しかったけど、
たった30分の練習で、
お母さんたちにお披露目しました。
お母さんたちも
嬉しそうに子どもの姿を
見ていましたよ。
☆゜・*:.。. .。.:*・゜☆゜・*:.。. .。.:*・゜☆゜・*:.。. .。.:*・゜☆゜・*:.。..:*・゜☆
        

~二日目~
*二日目の日程*
☆起床・雪かき体験
☆朝食
☆かんじきトレッキング
☆昼食
☆そり遊び
☆感想文作成
☆お別れ会
【かんじきトレッキング】


しっかり朝ご飯を食べたあとは、
かんじきを履いて、
近くの山道を歩きます。
同行するわたしも
生まれて初めてのかんじき。
うまく歩けるでしょうか。


大人と同じ大きさのかんじきは、
足の小さなの子どもには
ちょっと歩きにくかった様子。
でも、それも我慢しながら
およそ1kmの雪道を歩きます。


途中でっかいつららを見つけて、
スタッフの鎌田さんが
取ってくれました。
鎌田さんは、
地元で写真店を経営する傍ら、
白神山地を守る活動を続け、
世界遺産指定に
大きく尽力された方です。


こんなに抱えるほどのつらら、
見たことはあっても
抱いたことはわたしもありません。
嬉しい重さ。
貴重な体験だね。
【そり遊び】


お昼ごはんのあとは、
今回のツアー最後の遊び、
学校近くの町営スキー場で
豪快にそり遊びです!


何にビックリするかって、
それは子どもたちの体力!
いったい、
どこにそんな体力が
残っているのでしょうか。


昨日から遊び通しで
ヘトヘトのはずなのに、
なんで、子どもって
あんなに遊べるんだろう…
不思議でしょうがないけど、
自分も昔はそうだったのかもなぁ。


「まってーっ」の声が聞こえそう。
プラスティックのそりに
タイヤのチューブ、
スノーモービルにも乗ったね。


滑ってはのぼり、
滑ってはのぼり…
いやー、すごい。
お姉さんはもう
ヘトヘトだよ(汗)
【感想文作成】


最後に、
A4の白紙を自由に使って
感想文を書きました。
絵を描いた子もいれば、
文章で思い出を
綴ってくれた子もいました。
みんな昨日からのことを思い出して一生懸命書いてくれました。
【お別れ会】
お別れ会では、1人ずつ感想文を発表しました。
☆ここでは、埼玉から参加してくれた7人の子どもたちを紹介します☆


岡田涼美ちゃん(小1)
「わたしは、
きょうのそりあそびが
たのしかったです。
タイヤですべるのが
一ばんたのしかったです。」



左:岡田恭平くん(小5)
「そりをしたことが
楽しかったです。
かまくらを作ったことが
楽しかったです。」

右:名倉実季くん(小5)
「いさんセンターで白神山地について知りました。
秋田の白神ぶなっこ教室はとても楽しかったです。」



左:安保歩未ちゃん(小4)
「ついた時
ひさしぶりの雪をみて、
うれしくなりました。
ソリで
雪かきした所をすべったら、
とってもおもしろくて、
なんども、何度もやりました。」

右:安保夏海ちゃん(小5)
『この2日間は、
とっても楽しかったし、おどろくことがたくさんありました。
「かんじき」をはいて里山を歩きました。
雪の中にくつがはまらなかったのにおどろきました。』



左:斉藤有香ちゃん(小5)
「色々な体験ができて
とても楽しかったです。
また来年も来たいなと
思います。」

右:斉藤百香ちゃん(小5)
「くつの中やくつ下が雪まみれになるまでそりをしたこと、
自分たちが作ったミニかまくらの道、
そして、がんばって作ったきりたんぽ、とてもおいしかったです。」

みんなの感想に共通していたこと。
それは、
「埼玉では
   絶対にできないことができた!」

ということでした。
お母さんたちも「いつもなら夜になればテレビやゲーム。
でもこの2日間はテレビのテの字もでませんでした。」
と、
わが子の姿にちょっと感心した様子でした。


そして
「子どもたちもすごく
はしゃいでいましたが、
負けないぐらい
親も楽しめました。」



「この年になっても
まだまだ生まれて初めての
経験ができるんだと、
ワクワクさせて
いただきました。」

「また秋田に行きたい!と、
きっと子どもたちも希望すると思います。」
と書いてくれました。
※みんなの感想文は、白神ぶなっこ教室のHPでもご覧いただけます。
☆゜・*:.。. .。.:*・゜☆゜・*:.。. .。.:*・゜☆゜・*:.。. .。.:*・゜☆゜・:*・゜☆
2日間という時間は、子どもたちがこれから過ごす人生の中では、
ほんの一瞬のことなのかもしれません。
でも、大人になってふとした瞬間に思い出す、
雪の冷たさや柔らかさ、木の香り、森の暖かさ、
ご飯をつぶす感触やみんなで飲んだ甘酒の味。そして、友達の笑顔。
そういう「記憶」を持っている限り、
子どもたちはつまずいたり迷ったりした時も、
光る出口と歩むべき新しい道を、
きちんと探し出せるようになるんだと思います。
校長の佐尾さんが、学校を通じて子どもたちに与えたい「原体験」とは、
そういう「生きる力」のことなのかもしれません。

いえいえ、こちらこそどうもありがとう。
また秋田に遊びに来てね。
森も木も人も、いつでもみんなのことを待ってるよ!
                             県北担当 やっつ
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
協議会会員情報 白神ぶなっこ教室

| 2010年3月22日23:17 | 県北情報 | Trackbacks (0)

白神ぶなっこ教室 雪の学校

  

藤里町にみんなあつまれ~っ!!協議会の会員である藤里町の「白神ぶなっこ教室」で、
恒例となった「雪の学校」が、3月27日?29日に行われます。
教室は白神山地の自然、先生は藤里町の地元住民、
そして同級生は藤里小学校の子どもたちです!
春休みの思い出に、
     親子で参加してみませんか?

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「白神ぶなっこ教室」は、
白神の自然に魅せられた校長の佐尾和子さんが、
子どもたちにも、自然の中で遊ぶことや田舎の暮らしを体験することで、
子どもたちの「原体験」を作ってほしいと願い、開校した学校です。
拠点となっている校舎は、藤里町で廃校になってしまった小学校でした。
佐尾さんに賛同する地域の人たちの協力を得ながら、校舎の改修を重ね、
2004年「白神ぶなっこ教室」として復活したのです。
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雪の学校では、
かんじきで雪の上を散策したり、春待ち遠しい新芽の息吹を探したり、
きりたんぽを作って、白神ガイドさんのお話を聞いたりします。
もしかしたら、そろそろ冬眠から目覚めた動物の足跡が見れるかも…
【日付】平成22年3月27日(土)~29日(月)
【場所】秋田県藤里町藤琴字上坊中86 「白神ぶなっこ教室」
【対象】小・中学生~一般
【参加費】小・中学生 2泊3日 32,000円
      高校生以上 2泊3日 35,000円 
                    (※現地までの交通費含まず)
【スケジュール】詳しくはこちらをご覧ください。
【問合せ・申込】 (株)白神ぶなっこ教室  
            電   話 0185-79-3130
            ファックス 0185-79-3021 
          東京事務所(?海洋工学研究所内)
            電   話 03-3207-7727 
            ファックス 03-3207-7771
 e-mail bunakko@nifty.com
 HP http://homepage3.nifty.com/bunakko/
                           県北担当 やっつ

| 2010年3月16日21:59 | 県北情報 | Trackbacks (0)

上小阿仁村 万灯火

      鑑賞無料バス運行


彼岸の中日である3月21日(日)上小阿仁村で、
万灯火を鑑賞する無料バスが運行されます。
昔から先祖供養のために行われてきた万灯火。
彼岸の中日に行う小阿仁川流域の文化として、
上小阿仁村や合川町の一部の人々が大切に継承してきた伝統です。
万灯火は、ダンポと呼ばれる玉で文字を模って組み立て、
火を灯して「中日」や「家内安全」などの文字を浮かび上がらせるもので、
大きな集落では400個ほどのダンポを使い大きな火文字を作り上げます。
昔から、各集落それぞれの墓地に向けられてきた万灯火。
万灯火を行う16集落それぞれが、自分たちの持ち場を持っています。
村ではそれらを順番に巡る無料バスを運行します。
集落ごとに異なる文字や形、演出と幻想的な空間をお楽しみください。
【日   時】平成22年3月21日(日) 午後6時?午後7時30分頃
【発 着 所】上小阿仁村生涯学習センター前(道の駅 かみこあに 近く)
【 催しもの 】露店の出店 午前11時~ 「道の駅 かみこあに」
       供養花火 午後7時45分~
【問い合わせ】上小阿仁村役場 産業課 林務商工班
       電話 0186-77-2221 ファックス 0186-77-2227
暖かい格好でお出かけください。
                         県北担当 やっつ

| 2010年3月16日20:54 | 県北情報 | Trackbacks (0)

やまぶんブログ


昨年11月に紹介した、上小阿仁村のほうずきカフェ「やまぶん」さんが、
ブログをはじめました!
http://blog.goo.ne.jp/cafe_yamabun
ほうずきはもちろん、旬のフルーツを使ったスイーツや、
季節によって変わるだまこなどの軽食情報も満載です!
お店に行く前に、ブログでおすすめをチェックするのもいいですね。
                            県北担当 やっつ

| 2010年3月16日17:04 | 県北情報 | Trackbacks (0)

八峰町 漁師料理でおなかいっぱい!


2月上旬、あきた白神体験センター主催
『冬のあきた白神(その1)「漁師料理を楽しむ」』に参加しました。
感想をひとことで言うと、「さんびして、死ぬがど思った(@o@;)」
・・・じゃなくて、
「おいしすぎて、もうおなかいっぱい!」なので、
その感動の一部始終をご紹介します!

■1日目・まさかの・・・
なんとなく、そんな予感はしてたんです。
だいたい、八峰町の様子が尋常じゃない。もんのすごい吹雪!
同行した友人と、センターへ向かう車中で、
「今日は中止かもしれないね。とりあえず漁師街の散策はないよ。
ないない。間違いない。」
と話をしていたんです。それなのに・・・
 
主催のあきた白神体験センター(八峰町八森)は、「白神山地や日本海での自然体験、
郷土食づくりの体験、創作活動の体験など、さまざまなプログラムを提案する宿泊施設です(HPより)」。
午後1時30分にセンターに到着。スタッフと参加者の顔合わせを行い、
今企画のご担当であるセンターの田中洋輔さん
説明を始めた時、田中さんの口から「まさか」の一言が。
(田中さん)「きょうは、みなさんの日頃の行いがよほどいいのか、こんな天気(悪天)です。
なので、予定の漁師街の散策は、地吹雪ツアーに変更します。」
ジフブキツアー???
耳を疑うとはこのことだなと思いました。わたしの頭の中が地吹雪で真っ白です。
こうして、暖かいセンターに後ろ髪をひかれながらの出発となりました。

■地吹雪ツアー

登山とかもそうですが、最初のうち「なんだへっちゃら♪」って思っているものに限って、
その後の辛さが身に沁みます。

 
岩舘漁港に降り立つと、寒いながらも、真冬の海に浮かぶ船の姿もなかなかカッコいいな、
なんて思ってみたりして。しかし、さすが冬の日本海。
容赦ない寒風が、わたしたちの全身をいとも簡単に氷点下に
包み込んでしまうんです。足も顔も、全部全部痛い!
「さんびー!」と叫んでいると、「五所川原の地吹雪に比べたらまだまだ。」と背後から低い声。
長年鉄道の補修管理の仕事をしていらっしゃる男性の貫録の一言でした。
人生の先輩はすごいな、と感服。でもでも、それでも、やっぱり寒いものは寒い

 
「あはは、さんびー!」とか「うぉ~、あはははは!」とか「あどいーっ!」とか、
寒さに狂ったような笑い声があちこちから聞こえてくる。これはもう笑うしかないんです。
頬とか鼻とか感覚がなくなって、避難する場所も
覆うものもなければ、そりゃ、笑っとけー!ってなります。
そんな中、漁師町らしい風景がありました。
小屋の天井いっぱいに吊るされたタラ。棒タラだそうです。
見かけただけでも3軒ほどの家できれいに上手に干していました。
港町の冬の味覚。これもまた漁師料理のひとつですね。


しっかり防寒対策をした地元の人が散歩させていた、不思議なくらい愛想のいい犬を激写し、
ようやくバスに乗り込みセンターへの帰路についたのでした。あ~、死ぬかと思った。

■漁師料理を堪能


センターに隣接するハタハタ館の温泉ですっかり生き返った後は、
ツアーのテーマでもある「漁師料理」を堪能です。

 
場所は、「漁火の館」という八峰町が所有し、地元岩舘の住民に管理をお願いしている施設。
今回のようなイベント利用のほか、宿泊、研修施設としても利用できます。
地元のお母さんたち3人が腕をふるってくれました。皆さんはJR主催の五能線の旅で
これまでも旅行客を相手に料理をふるまってきた方々で、
今回、センターからもご協力をお願いしたのだそうです。

 
まな板の上には、頭を落とされた巨大なタラ!
漁師のうちに嫁いで30年近いというお母さんも
「こんな大きなタラをさばくのは初めて。」というほど大きなタラです。
男性のなかなかの手つきに、周囲からは賞賛の声。
「やったことあるの?」「いやいや初めてです。早く食べたいですからね。」と、
とても初めてとは思えないテキパキした包丁さばきと話で、見事に巨大タラを片づけました。
 
一方、こちらはイカの皮むき。新鮮なイカが、この後おいしいお刺身となって
宴会の席に登場しました。本来漁師さんたちは白菜を入れないそうですが、
今回は特別に白菜ありとなしの2種類のタラ鍋が用意されました。

 
町を歩いて、温泉に入って、もうおなかはぺこぺこです!
タラ鍋、イカ刺しのほか、ギバサや山菜の煮つけなど海と山両方の食材が溢れる
八峰町ならではのメニュー。
これは、白菜無しのタラ鍋。食べ比べましたが、それぞれ美味しさが違っていて、
わたしは白菜が入っていないほうが、タラの味がでていて好きでした。

 
タラの白子(だだみ)が、本当にたくさん入っていたので、鍋以外にお醤油のさっと煮に。
あっという間に完成したひと品で、これが一番おいしかったという参加者もいました。
これぞ、漁師の家庭料理です。八峰町のお酒といえば欠かせない「白瀑」。
田中さんが冷蔵庫から冷えた酒瓶をそっと持ち出してくれました。
冷えた日本酒とだだみ、刺身…あ、よだれ。


仕事やプライベートの話に盛り上がったかと思うと、突然踊りだす人など、
初対面同士でも楽しいひと時。仕事を忘れて笑い転げてしまいました。



■2日目・五能線に乗る

翌日は、五能線で秋田県側「あきた白神駅」から青森県側「十二湖駅」まで、30分ほどの小旅行です。


あきた白神駅は、県内で唯一「観光駅長」さん(美人)がいることで有名な駅。
この日は残念ながらお会いできませんでしたが、近くへ来た際には、ぜひ会いに行ってみてください。

 
ディーゼルエンジンの音が心地よい車内に乗り込むと、
みなさん荒れる日本海や海辺に佇む海鳥など、
車窓から見える景色をしきりに写真に納めていました。
ボックスシートで向かい合いながら過ごすのんびりとした時間は、
懐かしくもありとても暖かく、ローカル線ならではの素朴さを十分に感じることができました。
戻りはセンターのバスに乗りこんで、車内から地元の歴史や名所を見学。
この、ドライバー兼案内人の鈴木市郎さんがすばらしい!

 
普段は山を案内する白神ガイドの会の会員である鈴木さん。
山の動植物のほか、地域の歴史が大好きでご自分で文献などを調べて
知識を深めているのだそうです。知らなければ絶対に見過ごしてしまう民家や神社、
岩や川などが、鈴木さんのなめらかな語り口調と豊富な知識で、
歴史や背景が浮かび上がり、特別なものに見えてくるから不思議です。

■はちもり観光市

2日間にわたる「漁師料理を楽しむ」の締めくくりは、
土日限定で開かれる八森漁港の「はちもり観光市」を見学です。

 
市場の中は大勢のお客さんと元気な魚屋さんで大いに賑わっていました。
今の旬はやっぱりタラのようで、たくさん並んでいました。
そして、名物のつみれ鍋。
つみれはホッケを使い、この大なべでいっきに作り上げるのだそうです。
ハタハタの季節には一日に何百食も売れる、市場の人気メニュー。


そのつみれ汁とおにぎりに、冒頭で紹介したホタテを追加してお昼ごはん。
市場の一角にはこうして炭火が用意されていて、その場で買ったホタテを焼いて
食べることができるんです。みなさんもぜひお試しください。

■満足の2日間

 
県内各地から参加したみなさんの表情から、大満足の2日間だったことが
よく分かります。1日目の顔合わせの時、「五能線に乗ってみたくて。」という人や、
「退職後はこちらのほうに住もうと思っているから。」という人など、
参加理由が人それぞれでした。同じことをしていても、感じることや目的が
一人一人違うんだな、と改めて感じました。

今回は「漁師料理」という言葉がキーワードでしたが、
これは、あきた白神体験センターでも初めての試みだったそうです。
八峰町(特に八森)の人々にとって、「漁師料理」とは、いわば「日常食」であり「伝統食」。
食を知るということは、その土地や暮らす人の歴史を垣間見ることなのかもしれません。
豊かな海と山両方をもつ八峰町は、それらの繋がりの重要性と必然性、
そして、そこで生きる人間の立場やあり方、そういう、生きとし生けるものが循環し、
支えあいながら存在する姿を日常の中に感じとることができる、ステキな町だと感じました。
食からその土地の歴史や文化に通じていく。
グリーン・ツーリズムとブルー(海)・ツーリズムを兼ね備えた
八峰町ならではの取り組が、今後も広く浸透していってほしいと思います。
                                  何気に海辺育ちの県北担当 やっつ 

協議会会員情報 「漁火の館
■住所 秋田県山本郡八峰町八森字岩舘向台121
□電話 0185?78?2417(管理者:須藤)
■時間 チェックイン 午後2時/チェックアウト 午前11時
□料金 素泊まり:一泊大人2500円、子ども1500円(風呂あり・自炊可)
     食事あり:予約可(3日前までに申し込み)
           *料金については、申込時にご相談・ご確認ください。
■その他 年中無休

| 2010年3月3日02:30 | 県北情報 | Trackbacks (0)

鹿角市 癒しの学びや「中滝ふるさと学舎」


今年の春、鹿角市の山奥に新しい学校が開校します。
仕事も人間関係も恋愛も、一生懸命はいいけれど、ちょっと疲れたらここに来てみませんか。
心と身体を癒す学校。それが「中滝ふるさと学舎」です。

校舎を地域の拠点に
場所は、十和田湖の入り口、鹿角市大湯中滝地区。
昨年3月、みなに惜しまれつつ閉校した、旧大湯小学校田代分校中滝校舎である。

鹿角市大湯中滝地区は、鹿角市が勧める森林セラピーの中滝ロード内に位置している。
周辺には、地名にもなっている「中滝」のほか、いくつもの滝があり、散策路も整備されている。
市では、カフェやギャラリー、宿泊施設などを設け、ここを森林セラピーや滝めぐりなどの拠点として活用、
県内外の観光客や地域住民の憩いの場所にしたいと考えている。

「NPO法人かづのふるさと学舎」の設立

「NPO法人かづのふるさと学舎」代表湯瀬政弘さん
湯瀬さんは、大湯温泉街で電気店を営みながら、滝めぐりの会の会長などを務めるなど、
これまでも大湯地区の活性化に尽力してきた。
この地区の人で湯瀬さんを知らない人はいない。
電化製品を買う時や修理を頼む時、湯瀬さんのお店に電話をする。
湯瀬さんは街を支える「みんなの街の電気屋さん」でもある。
廃校が決まったその校舎を、何かの形で利活用できないかと考えた、
鹿角市役所観光交流課の加藤卓さんから、湯瀬さんへNPO設立の話が持ちかけられたのは、
今から1~2年ほど前のこと。
校舎の改築、利活用の構想、土地の整備などスタート地点までは市で管理、
加藤さんは、開校後の運営を任せられる人材と組織を求めていた。
また、湯瀬さんにとっては、滝めぐりなど、観光の拠点施設が持てることや
学舎を目的にやって来る人が、滝めぐりに参加してくれるなどの相乗効果を期待。
双方の思惑が合致して、昨年11月にNPOが正式に誕生した。


「山に行かないと落ちつかない。」という湯瀬さんにとって、
大湯の森はすでに身体の一部、心の一部になっている。
大好きな大湯の自然と滝を、多くの人に感じてもらいたい。
それが、湯瀬さんの願いだ。

「命」を感じる体験を

「中滝ふるさと学舎」のオープンにむけて湯瀬さんたちNPOメンバーは体験メニューの考案を進めている。
どんな体験を組み合わせたら、ここオリジナルの体験メニューを提供できるのか。
テーマは決めている。
それは、「命」を感じられるもの。
「当たり前ではないことをしたいんです。ここは酪農が盛んだから、
牛の乳しぼりとか家畜の出産に立ち会ったり手伝ったり。
あえて家畜のと殺なんかを体験させて、命の大切さを感じてもらう体験もどうかと考えています。
ここでの体験が、子どもたちの将来に役立つものになって欲しいんです。」
 
また、子どもだけではなく、社会で働く大人に向けたプログラムも構想している。
ターゲットは都会の企業で働く人たち。
「都会の人たちは、仕事をしていないと不安で、休みを取らないそうなんです。
だったら、休みながら働けばいい。わたしたちと企業が連携して、心の休養が必要な人には、
ここにパソコンを持ってきて仕事をしてもらう。1人でもいいし、家族で来たっていい。
ロッジに泊まって、1週間でも2週間でもここで仕事をして、
心身ともにリラックスしてもらうようなことを考えています。」
ぜひ実現したい、と目を輝かせた。
昨年末には、スタッフを3人地元から雇用。準備は着々と進んでいる。

地域の心のよりどころ「中滝小」

昨年11月下旬、NPOメンバーによる現地視察が行われた。
校舎の改築工事は、昨年秋に着工。本格的な雪になる前に、外の作業を終わらせようと、
この時には新設するロッジやテラスの建設が急ピッチで進められていた。

 
かつてのグラウンドにはショベルカーやトラックが入り、雨でぬかるんだ土を掘り上げていた。
遠くからその様子を眺めていると、一人の男性が「子供がたの植樹した木、ねんでねぇが」と
独り言ともとれるつぶやきをわたしに向けた。かつてグラウンドの一角に植えた、
卒業記念植樹の桜の木のことであるという。男性は足早にわたしの前を通り過ぎ、仲間の輪に加わった。
大湯のこの地は、開拓の地である。昭和30年代、全国各地から、若者が農地を求めてこの地へやってきた。
話を聞くと新潟出身だという男性が、今年で82歳。60年余りを中滝で過ごしてきた。
かつては酪農を営んでいたが、年をとり、跡取りもなく家業をたたんだ。それでも60年生きた土地。
夢を抱いてこの地にやってきた男性にとって、小学校には、子供を育て通わせた想い出が残る。

 
「私がここに来た時は、中滝には小学校がなかったのです。
発電所に勤める人の子供たちのための止滝分校に、一緒にお世話になっていました。
中滝に小学校ができたのはそのあと。もちろん田代の冬季分校ができたのはそのもっとあとです。
ここでは、学校の運動会に地域総出で参加します。もう子供たちだけの楽しみではありません。
大人も一緒になって走ります。そして、終わったら、体育館にみんなで集まって餅を食べます。
餅を食べるためだけに参加していた人もいたのではないかな。
廃校が増える中でこうして校舎を残すのはいいことだと思いますよ。
校舎は凝った造りではないし、ごくごく普通ですが、それがいいのです。」

昔を少しずつ思い出しながら、ぽつりぽつりと口にした。
校舎の中は、今にも子供たちの声が聞こえてきそうなほど穏やかで、暖かい空気があふれていた。
決して寂しさは漂っていない。淡い緑色の柱と白い壁。裏手に流れる大湯川と豊かな森、
そして空の青とそこに浮かぶ雲の色が混ざり合い一つになったかのような、そんな淡い緑だった。

 
校庭に面してまっすぐにのびる廊下は、大人が二人すれ違うにはちょっと狭く、
小学校とはこんなにも小さかったか、と自分の幼いころの姿を思い浮かべてみる。
窓から優しい光が差し込んでいた。
廊下の一番奥からピアノの音が聞こえる。誰かが懐かしさで鍵盤を叩いたのだろう。
白木のふたがついた珍しいヤマハのアップライトピアノ。
「ずっと昔からこれだったんではないかな。ずっとこれだけ。」
これまで、何百人の子供の歌声に合わせて音を奏でてきたのだろうか。
一旦閉じられたふたがもう一度開けられる日を、校舎の奥でじっと待っているかのようだった。


学校の水道とプールには、近くの湧水がパイプ伝いに引かれているという。
温泉とも違う暖かい湧水。温泉地ならではの水の恵みを、だれも贅沢だとは感じていない。
当たり前にそこにあるものなのだろう。

今年4月 開校

構想からおよそ3年。「中滝ふるさと学舎」もまもなく開校を迎える。
計画の立ち上げから関わってきた鹿角市役所の加藤さんは、
「全国にも廃校を利用した施設はいっぱいありますが、ここ(鹿角)には森林セラピーがある。
だから、ここは、ただの美術館やレストラン、宿泊施設とは違う、
“癒し”を提供できる場にしたいんです。
何にもしないで、ただ一日校舎でゆっくりしてもいいんです。
編み物や料理をしたっていいし、小さな椅子を持って森に散策に行ったっていい。
散歩の途中に昼寝をしに寄ってもいいんです。
だからカフェのメニューも、きりたんぽとかじゃなくて、
ヘルシーでナチュラルなものを考えています。
東京や関東の人は難しいかもしれないけれど、近隣の人、とくに若い人に来てほしい。
若い人が田舎暮らしを見直している今がチャンスだと思うんです。」
と話す。
キーワードはあくまでも“癒し”

どんな学校になってほしいのかと尋ねると、
「こんなこと、言ってはいけないのかもしれないけれど、
好きな人だけ集まってくれればいいと思うんです。
もちろん運営を考えたらそうは言っていられないけれど、
でもこのように静かで落ち着く場所だから、あまり騒がしくはしたくないんです。」

みんなが愛したこの学校を、慈しみ守ってきたこの校舎を、
この土地を好きになってくれる人に集まってほしい。
いったんは本来の役割を失った校舎が、地元の人々の手によって再び息を吹き返そうとしている。
車の中で、加藤さんが、学舎のイメージに今話題の「森ガール」を考えている、と教えてくれた。
深い緑の森と豊かな川に包まれていると、
今にもあの木の陰から、かわいらしいおしゃれな女の子が姿を現すんじゃないかと思ってしまう。
そんな雰囲気さえも漂う大湯中滝の森。
そのうち、雑誌の撮影がここで行われたり、「森ガールの集い」なんかが開かれちゃうかも。

オープンは今年4月の予定。
春の便りとともに、鹿角の山奥で、本当の「癒しの空間」が誕生します。
                                県北担当 やっつ

| 2010年1月28日00:24 | 県北情報 | Trackbacks (0)

今年も一年いい年になりますように。

       2010正月の風景 
暖冬の予想とはうらはらに、年末から降り続いた大雪で明けた2010年。
県北の人たちはどんな新年を迎えたのでしょう。その様子をちょっとだけご紹介します。

1日午前0時30分
【能代市常盤】 除夜の鐘で煩悩を払う

今年の1月1日 除夜の鐘を打った。
場所は、能代市常盤の曹洞宗寺院・玉鳳院。400年以上の歴史をもつ寺である。
本堂の手前に建つ津軽ヒバ製の真新しい鐘楼には、直径90cm重さおよそ1トンの釣り鐘が下がっている。
昨年10月、檀家に寄付を呼び掛けて開山以来はじめて釣り鐘を設けた。
鐘楼の前では、寺の次男である柳川浩元さんが鼻を真っ赤にしながら、
寒空の下で参拝客を丁寧に出迎えていた。
大学4年生の今年、正月で帰省しているという。
31日の午後11時30分から立ち続けているそうだ。
「こんばんは」と声をかけると、「ひとつお取り下さい。」と桐の箱を開ける。
中には色とりどりの香り袋。参拝者に配っているそうだ。
わたしは、ピンクの香り袋に手を伸ばし、思いがけない心遣いに、なんだかいい一年になりそうな予感。
鐘楼に近づいてまじまじと見ると、まだ新しい木の白肌と、そこに施された細やかな細工が美しい。
鐘はにび色に光っていて、冷たい空気に引きしめられるのか、より一層の重厚感を漂わせているように感じる。
月明りの少ない夜であったので、周囲は寺の用意した照明で照らされていた。
「これは一回つけばいいのですか?」と質問すると、浩元さんが寒さに震えながら「はい。」と答える。
後ろに大きく身体ごとひく。
重力で投げ出されそうになるのをぐっと我慢し、「えいっ」と心の中で気合いをいれ、つく。
ごーんともどーんとも聞こえる大きな音にただただ呆然と立ち尽くし、
そして、凍える足元からじわっと感動が胸まで上がってくるのを感じた。
私が訪れた時点で、参拝客は50人あまり。
帰り際にも数人訪れたから、途切れなく人数は増えていっただろう。
耳に残る鐘の音にわたしの煩悩とは何だろうかと考え、
思いつかないので、すっかり払われただろうと勝手に合点し家路につく。
新年早々、若いイケメン男子とのささやかな出会いに感謝。

1日午前10時


【大館市田代】 代野番楽に酔う
1日 午前10時
大館市田代の代野稲荷神社で番楽が奉納されるとのことで伺う。


見物人は、地元の住人のほか、取材に訪れた地元新聞記者などおよそ20人。
地元の女性が大きな鍋いっぱいに甘酒を用意して、わたしたちを出迎えてくれた。

番楽に込められた想い
大館市田代(旧田代町)代野地区は、
1616年、今からおよそ400年前に、新田開発で生まれた集落である。
しかし、凶作や悪疫により廃村。およそ100年後に再び村が再興されたという歴史をもつ。

そのため、代野番楽は病魔・悪霊を払い、住民の無病息災、五穀豊穣を祈り、
村の発展を願うという想いが込められている。

武士舞と滑稽舞

 
番楽を担う連中は4人。うち踊り手は2人で、中にはお囃子と踊り2つを担う人もいるようだ。
小さな集落らしく、地元の男衆が大切に大切に受け継いできたことがうかがえる。
勇壮な武士舞が中心で、寒さの中、薄い着物姿で白い息を吐きながら、
三尺の大太刀を振り回したり、二者が棒を交わらせ舞台狭しと立ちまわる姿に、
自然と拍手が起こる。


また、滑稽舞の「恵比須舞」では、恵比須がわざとタイを落とし、
取材記者にとらせ、褒美に懐から餅を出して渡す場面では、見物人からも笑いがこぼれていた。
会場を巻き込んだ演出に、冷えた身体もほっと一息和むようだった。
ちなみに、この餅はつきたてだったようで、とても柔らかく、
正月の朝に女性たちが一つ一つ丁寧に丸め袋に入れたのだと考えると、
伝統を守り続ける地域の結束が伝わってきた。

これから


代野集落会長の佐藤新正さんは、
「ここにはこの番楽があるから。これでみんなが一年元気で過ごすことができればね。」
番楽への誇りと込める願いをお話してくれた。
佐藤さんたちは、小学校で番楽を教え、“代野番楽”を後世に伝えて行く活動を続けている。
【参考文献】
『秋田県の祭り・行事―秋田県祭り・行事調査報告書―』(秋田県教育委員会)
『秋田県の民族芸能―秋田県民俗芸能緊急調査報告書―』(秋田県教育委員会)

2日午前11時
【北秋田市綴子】 
     綴子大太鼓叩き初め

綴子大太鼓の叩き初めは、一年の安全と地域の繁栄を願い、毎年1月2日に行われている。
会場である「大太鼓の館」には、見上げるほど大きな大太鼓が4基並び、うち一つはギネス記録保持。
てっぺんにまたがる男衆が本当小さく見える。

 
大太鼓を叩いておよそ40年という下町自治会長の藤島勝政さんは、
「年末から降り続く雪でみんな疲れていて、あまり勢いはなかったかもしれない。
急きょ来れなくなってしまった人もいるから。」
と今年の叩き初めについて率直な感想をお話してくれた。
今では全国に名前が知られる綴子の大太鼓。
この、直径4m弱の大太鼓数基が集落内を練り歩く「綴子神社例大祭」は、
1262年、およそ750年前に始まったとされている。


毎年7月14日と15日に行われ、田植え後の雨乞いや虫追い、
秋の豊作を願って打ち鳴らされる大太鼓。
その響きからは、きっと天も味方してくれるだろうと思わせる荘厳さが漂い、
地元住民だけでなく、訪れる多くの観光客をも魅了している。
しかし、藤島さんは言う。「全国からお客さんが来て、
盛大に観光として成功させるという気持ちはあまりないんです。
それよりも自分たちは自分たちのできる精一杯のことをして、
小さな集落のために太鼓を打ち鳴らすだけ。
お祭りの成功はそのあとについてくるものですから。」


祭りの規模が大きくとも小さくとも、その根幹は、
地域の人がこの一年幸せに暮らせますように、という願い。
それは、遠く離れた家にまで届く、寺の鐘の音に込められた想いも同じ。
こういう想いが、地域の伝統や文化を守り伝えていくのだろうし、
後継者不足で消えかかっている各地の小さな祭りも、
地域住民と行政とが協力し合って残していってほしいと心から願う。
                               県北担当 やっつ

| 2010年1月26日17:15 | 県北情報 | Trackbacks (0)

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