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59農村の生活は魅力的という都会に暮らす人々の笑顔が農家であることの意味を再認識させてくれた仙北市農家民宿星雪館門脇富士美さん昭子さん農業を主としながら農家が副業として民宿を営む農家民宿。農作業や郷土料理づくりなどの体験メニユーを揃えている。宿泊客は、農村に滞在し、自然・文化・人とのふれあいなど田舎暮らしの魅力を存分に味わうことができる。のんびりと何もせず、日々の疲れを癒やしたり、田舎料理を味わいながら、宿のお母さんと話を弾ませる。そんな心地いい時間を過ごせる場所として人気が高まっている。星雪館というロマンチックな名前は、星空と雪景色の美しさに由来している。特に、冬の透き通った夜空に輝く星と、一面に広がる銀世界が織りなすロケーションは出色の美しさだ。秋田県で第二号として、昭子さんが平成十年十月十日に農家民宿を立ち上げた際に、今は代表となった娘の富士美さんが名付けた。実家がなくなった人が泊まれる場所を提供したいという想いもあり、当初から宿泊者は一日一組に限定。宿泊者の大半はリピーターで、「ただいま」が挨拶になっている。門脇さん家族は親戚が帰省したかのように「よぐきてけだな」と受け入れてくれる。こんなやりとりが積み重なり、多くの人が訪れる農家民宿として評判を集めている。昔牛舎だった農作業小屋の二階を改装し、キッチン、お風呂、トイレをつけた宿泊スペース作りから始まった農家民宿。旅館業法、建築基準法、食品衛生法に基づく許認可や資格取得等に奔走。接客業のための研修や勉強にも努めた。現在は、宿泊やランチ、農業体験で年間約五百人が訪れるようになっている。訪れた人から「楽しかった」「また行きたい」との便りがたくさん届き、その一通一通を宝物のように大切に保管している。多くの“親戚”の笑顔に想いを馳せると、この間の苦労は無駄ではなかったと感じているようだ。母娘、二代に受け継がれる農家民宿は、これからも夜空に煌めく星のように輝き続けていく。