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56村のシンボルでもある歴史的建造物旧長谷山邸を舞台に伝統に培われた食文化の魅力を伝える田代地区羽後町りだ。“田代”地区は、かつては田代村と呼ばれていた、昔ながらの山村風景が色濃く残る里である。花嫁道中の到着点となる旧長谷山邸は、村の地主であった長谷山家の邸宅を羽後町が修繕し、総合的な交流の場として利用されている。棟札から母屋は明治十五年、土蔵は明治三十五年に建築された。本格的な木造三階建てで、地主屋敷の風格を保つ歴史的建造物として地域のシンボルとなっている。この邸宅を会場に、平成十六年前後から猪岡さ彦三がある西馬音内から西へ向かい、県道五七号と交わる梺の交差点付近から県道二七五号に入ると七曲峠だ。今は四十カ所以上のカーブが続くゆるい四キロほどの坂道だが、改良前は急カーブと狭い区間が連続する沢伝いの二キロほどの急な山道だったという。藩政時代には日本海から内陸部へ海産物を輸送する重要路線であったが、夏はともあれ冬は想像を絶する厳しい峠越えであった。冬の厳しさの象徴であるこの七曲峠を舞台に、町内有志により「ゆきとぴあ七曲」というイベントが、昭和六十一年一月から毎年一月最終土曜日に実施されている。町役場から雪深い峠道を馬そりを牽いて田代の旧長谷山邸まで向かい、昔ながらの嫁入り風景が再現される。この花嫁道中や、七千本の蝋燭が冬の夜道を照らすキャンドルロードなど、雪を使った幻想的な祭