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23『秋田のターシャの庭』と呼ばれる手作りガーデンで花々やハーブの香りに包まれてランチやティータイムガーデンカフェTime佐々木利子さんにかほ市福寿草の群生地として知られるにかほ市大竹集落で、癒しの空間を提供している「ガーデンカフェTime」。広々とした庭には季節の花が咲き乱れ、辺りにはふんわりとしたハーブの香りが立ちこめる。究極のナチュラルガーデンとして知られる「ターシャの庭注」*に似ていることから“秋田のターシャの庭”と呼ばれ、全国各地からガーデニングファンが足を運ぶ人気スポットになっている。オーナーの佐々木利子さんは大竹集落の出身。子どもの頃から花と料理が大好きだった。会社に勤め家庭も持ったが、同じ趣味を持つ妹と「将来は二人でガーデンカフェをやろう」と約束していた。しかし、その妹が病気のため四十四歳の若さで突然他界、相前後して両親も亡くなった。「明日のことはわからない。限りある命なら、今できることを今しよう」。妹との約束を果たすため、佐々木さんは会社を辞めて実家裏手にあった竹林の開墾に取りかかる。鳥海山噴火や崩落で押し流されてこの地に埋まっていた石を利用し、手づくりでアプローチの石畳を整備。草花やハーブを植え、約千坪もある広さの庭を造った。そして平成十六年、姉妹の夢だったガーデンカフェをオープン。「命も花も永遠ではない。だからこそ、今を大切に生きたい。」、店名の「Time」には、そんな想いが込められている。開業後、大竹集落を訪れる人が格段に増えたという。近隣では、カフェまでの道中に花を飾る家も出てきた。「Time」に集えば、佐々木さんを介して偶然居合わせた者同士自然に打ち解け、絆が深まる。リピーターが後をたたないのは、庭の素晴らしさはもちろんのこと、佐々木さんの人柄や存在そのものが、温かく心に残るからではないだろうか。*注ターシャの庭ターシャ・テューダー(アメリカの女流絵本作家)が、バーモント州の山奥に造った庭。ターシャは平成二十年に九十二歳で亡くなるまで、ガーデニングと動物とのナチュラルライフを実践。質素ながらも心豊かな暮らしぶり、広大なナチュラルガーデン、心に染み入る言葉の数々が、今も世界中の人に勇気と感動を与えている。