おいしいお米が自慢の緑豊かな秋田。
初夏の秋田には、そんなお米と青々と生い茂った笹の葉を使った郷土料理「笹巻き」があります。
地域や家庭によってさまざまな巻き方・呼び名があり、とてもユニークな田舎スイーツ。
県北・県央・県南とそれぞれ形の異なる笹巻きをご紹介します。

作る人の込めた気持ちが、各家庭の味となる笹巻き。
懐かしの形に出会えるといいですね

今回は笹巻きの作り方と、それをわかりやすくご紹介する動画をご用意しました。
ぜひ笹巻きづくりにも
チャレンジしてみてくださいね!

 

↓ご覧になりたい笹巻きをクリック!↓

県北地区 三種町
農家民宿 しばたん家
県央地区 由利本荘市鳥海町
農家民宿 開墾の里
  県南地区 仙北市田沢湖
民宿 甚吉
    甚吉

 

農家民宿 しばたん家(三種町)

こちらの笹巻きは、大きな笹を1枚使って巻く、小さ目の三角錐型。

いちばんスタンダードな形と言えるかもしれませんね。

笹を下準備の段階で少し煮ることで、巻きやすく、笹の色をよく仕上げることができます。

まとめた後のイ草をねじったり、三つ編みにしたりすると、手土産にも喜ばれるかわいい仕上がりに♪

◆下準備◆
・もち米は洗って半日ほど水に浸しておき、
ざるで水気を切ります。
もち米1升で50個ほどの笹巻きがつくれるそうです。
・笹巻きを縛る「イ草」は伸縮性が出るまで1時間ほど水につけておきます。 

 ※イ草がなければ、ビニール紐で代用可。
・笹の葉はきれいに洗って、沸騰したお湯に重曹を少々入れ、さっと煮ます。
 重なっているところにも均等に火が通るように、箸でほぐしたりひっくり返したりしましょう。
 笹の色が鮮やかに変わったら、流水につけて冷まします。
 この後笹は冷凍保存も可能です。

◆笹巻き作り・巻き方◆

0

葉の表面(つるつるしている方)が裏になるように手に持つ。左から3分の1のところを斜めに折る。

1

折ったところを右手でつまんで…

2
奥へくるっと円錐状に丸める。円錐の内側が葉の表面になる。
3
上下をひっくり返すとこんな感じ
4
つまんだまま丸めたので円錐の先も折れ目がついて、中身が出にくくなる
5 
もち米を円錐の8分目くらいまで入れる
6
ふたをするように手前に折る

7

丸をつけたところが余って隙間ができているので…

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親指を使って折り込む

9

反対側は中指を使って折り込む

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ふたの葉っぱを縦につまむように持ち替え、もち米と笹に隙間がないように整える

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このとき上から見ると三角形になるように

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つまんでいたところを折り畳む

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巻き終わりの所にイ草を当てる(紫線がイ草)

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矢印の方向へぐるぐると2回巻きつける

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2周したところで片結びにする。片結びだと食べるときにほどきやすい

笹巻きしばたん家

5つを根元のほうで束ねる。余った部分は縄を綯う要領でねじっていく。終わりをまた結んだら出来上がり!

 
できあがりは三角錐型でどの面も三角形になるのがポイント

◆茹で方◆
P1370225

水から茹でていきます。
笹巻きと、笹巻きが浸るぐらいの水を鍋に入れ、ふたをして中火にかけます。
途中で上下をひっくり返したり、様子を見て水を足したりします。


40分程で食べられますが、1時間くらい火にかけると日持ちがするそうです。
◆できあがり◆
笹巻きできあがり 
ころんとした三角錐型の笹巻きが完成♪
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三種町を含む県北地域では、もち米の代わりに、もち米粉と砂糖とお湯を1:1:1で練ったものを包む「笹餅」も食べられているそうです。
笹餅は三角錐型ではなく、笹を2枚使い四角く巻くそうですよ。
(二枚の笹を十字型に重ね、重なったところに餅を置き、笹をたたむようにして包む)

 



農家民宿 開墾の里(由利本荘市鳥海町)

 

由利本荘の笹巻きは、細長い形が特徴

もち米を水に浸さずに使うところもほかの地域とは異なっています。

1個につき笹を2~3枚使用するため難易度もちょっと高め…!?

先のほうは円錐形に近く、底面は三角形というちょっと変わった形に仕上がれば大成功。

◆下準備◆
・もち米は洗ってすぐにざるにあげておきます。

 
もち米1升で50個ほどの笹巻きがつくれるそうです。
・笹巻きを縛る「イ草」は柔らかくなるまで水につけておきます。 
 急ぎの時は熱湯につけるとすぐ柔らかくなるそう。
 ※イ草がなければ、ビニール紐で代用可。
・笹の葉はきれいに洗っておきます。
 葉は、小さめのものと、葉の付け根を少し残した大きめのものと2種類用意します。
 
◆笹巻き作り・巻き方◆
1
小さめの葉を使う。葉の表面(つるつるしている方)が外側になるように円錐状に丸める。この時笹の葉先が外側にくるようにする。
 3
内側に指を添え、もう1周丸めて、二重にする。
4
左手の親指と人差し指ではさむように持ち替える。
5
その上に、大きい葉を重ねる。左手の人差し指を使って、葉先から巻きつけるようにする。
6
笹の葉を2枚重ねることによって大きな円錐ができる。
8 
もち米を8分目まで入れ、軽く指で押し込む。葉を右手でつかみ、右手前へ引くようにして折る。
9
このとき、右手の人差し指と左手の親指を使って角が立つように折りたたむ。
10
このような状態になる。折ったところは左親指でしっかり押さえておく。
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右手で笹を折る。このときあまりぎゅっと押し付けないように、優しく。
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角が立つように角度をつけて。
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葉を押さえていた左親指のところで巻き終える
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上から見るとしっかり角が立ち、三角形になる。
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左手で握っているところの、中指に添わせるようにイ草をかける。手前側が短く、右手で持つ側が長くなるように。
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右手を使って、ぐるっと1周巻きつける。巻いたら、緩まないよう左親指で押さえる。手前側の短い部分を噛んで引っ張るようにするとしっかり縛れる。(紫がイ草)
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大きめの葉の根元を残していたのは、イ草をひっかけてほどけにくくするため。
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イ草の左右を奥側へまわし、片結びにする。あまり強く結ぶとイ草が切れてしまうので注意。
 20
できあがりは、細長い形。5個組にして根元のほうで束ねる。
 

◆茹で方◆

巻き終えた笹巻きを一晩水につけます。
こうすることで、もち米が膨らみ、きっちり縛られた状態になるので、茹でている間にイ草がほどけてくるのを防ぐことができます。
(水につけずにすぐ茹でてもおいしく食べられます。)


沸騰したたっぷりのお湯に塩大さじ1、重曹小さじ1ほど加え、笹巻きを入れます。
沸騰した状態を保ち、落し蓋をして茹でていきます。水が足りなくなったら足しましょう。
茹でる時間は1時間強。
茹で上がったら、すぐ冷水にとると笹の色がきれいに仕上がります。
あら熱がとれたら、とんがっている方を下にしてざるにあげておくと、よく水気が切れます。


◆できあがり◆

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細長い形が特徴の笹巻きが完成♪
今回は笹の葉を2枚使って巻いていきましたが、
2枚目の笹を重ねる手順で、2枚重ねにした笹を使い、計3枚で巻くと笹の色が良く仕上がるそうですよ。
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民宿 甚吉(仙北市田沢湖)

甚吉 

ぺたんこの三角形がかわいい仙北の笹巻き。

笹を2枚使用するので、小さめの葉っぱでも上手く包むことができますよ。

イ草のかけ方がちょっと難しいかもしれませんが、しっかり固定できるため、茹でている間にほどけにくく、笹巻き初心者にもおすすめ!

◆下準備◆
・餅米は洗って2時間程水に浸しておく。
 2時間経ったら10~30分、ザルに上げ水気を切ります。
・笹巻きを縛る「イ草」は半日~一晩水につけておきます。 
 ※イ草がなければ、ビニール紐で代用可。
・笹の葉はきれいに洗っておく。

◆笹巻き作り・巻き方◆
笹巻き作り
葉の表面が内側になるように
左右対称に丸めて円錐型に
笹巻き作り
餅米をサラっと詰める
笹巻き作り
葉の両端を手前に折り畳む
笹巻き作り
③の上に2枚目の葉を縦半分に折って重ね、点線の箇所を後ろから手前に折る
笹巻き作り
これでお米が漏れにくくなる
笹巻き作り
イ草を点線の裏側から矢印の箇所にまわし出す
笹巻き作り
矢印の方向に紐をまわし、点線の上を通す
笹巻き作り
矢印の方向から後ろをまわし、☆印の箇所にまわし出す
笹巻き作り
☆印の箇所に紐を引掛けたら先端の紐と結んで出来上がり
巻き終わった笹巻きは、5個1組で紐をまとめておく。

◆茹で方◆

笹巻き体験

沸騰したお湯に笹巻きを入れ、蓋をしたらやや強めの中火で30~40分茹でる。
茹で時間は短くすると、堅めに。長くすると、柔らかいものができます。

笹巻き体験
※イ草は茹でた直後でも熱くならず、素手で掴む事ができますが、ビニール紐は熱くなるので気をつけてください。
笹巻き体験 笹巻き体験 笹巻き体験
笹巻きはきれいな正三角形で、裏から見るとしっかり三方が紐で固定されていました。
このおかげで笹がほつれる事がなかったんですね。
今回笹巻き作りを教えてくださった民宿 甚吉では、″笹巻き″のことを、″ちまき″とも呼ぶそうで、新笹が採れたときに作るそうです。
甚吉にとっては旬を感じる事ができる食べ物なんですね。
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【笹の葉の冷凍保存方法】
6リットルの湯に砂糖を一掴み入れ、笹を茹でる。
冷えたら冷凍庫で保存。

古代米入り笹巻き】
古代米を餅米に対して1割入れて作ると、ほんのり紫色の甘い笹巻きができるそうです。

ぜひお試しください。