あきた農山村・旬を感じるツアー

田舎に帰ろう PartⅡ

2011年7月23日~24日
企画主催:みずほの里いきいきネット協議会
旅行企画・実施:株式会社農協観光

仙北市田沢湖と横手市を結ぶみずほの里ロードという農免道路があります。この沿線ではブルーベリー栽培が行われていて、ブルーベリーでみずほの里ロードと、そのちょうど中間地点に位置する大仙市太田町を盛り上げていこうと地域住民が協議会を結成しています。その協議会、「みずほの里いきいきネット協議会」(以下、協議会)が主催したモニターツアー(旬を感じるツアー)が、7月下旬、仙台のお客様らを迎えて開催されました。額に汗を浮かべるほどの暑さの中、ブルーベリーの摘み取りに夢中となった2日間の様子です。
 
1日目
  ~おかえりなさい~

このツアーは昨年度も実施されており、その時と開催地を同じとする大仙市太田町惣行(そうぎょう)地区にある奥羽山荘を拠点にして行われました。

仙台からお越しになった皆さんを
「おかえりなさい」の挨拶でお出迎え。

対面式では、自己紹介を行いました。昨年もこのツアーに参加し、リピーターとして来て下さった方。また、昨年実施の他地域の旬感ツアーに参加し、秋田に魅力を感じたので他の地域にも参加しようと思ったという方。そして、「秋田の方のおもてなしや人情に感動した」と言って下さる方も。
 
お昼ごはん

スタッフもお客様も入り混じっての最初の交流は、美味しい料理を囲んで和やかに。料理長自慢の手打ちうどんに「うんうん」と唸りながら、地場産のお米を使ったおにぎりも頬張りました。この昼食のために、山菜のミズを採ってきたという協議会の会員さんがいらっしゃいました。温かい気持ちに感謝☆
   
ブルーベリー初摘み取り体験

昼食後は、奥羽山荘裏手にあるブルーベリー畑へ。岩手大学名誉教授・横田清先生からブルーベリー栽培の指導を受け、協議会の皆さんがこの地に植栽してから3年目。ようやくこの初摘み取りの日をツアー参加者の皆さんと共に迎えました。以前、ここは水田として利用され、環境はブルーベリー栽培に適さなかったそうです。どれだけの努力を重ねたことでしょう。この日を迎えた喜びで笑顔をこぼしながら、オープニングセレモニーが開催されました。

初摘み取りを楽しんだ後は、協議会会員さんが育てた各々のブルーベリー畑をバスに乗って巡回。同じ品種であっても、その完熟度に違いがあり、お好みにも個人差がありました。無農薬栽培なので、採ったその場で食べられるのが嬉しい!みんなパクパク試食が止まりません。
   
ジャム加工教室
お次は、奥羽山荘そばのあか松庵でブルーベリージャムの加工体験です。江戸時代の民家の建築様式である曲がり家に風情を感じる中で、ブルーベリーのジャム作りは始まりました。…と思っていたら、ジャムのほかにスムージーとムースの作り方も教えてくれると言うではありませんか!スイーツ好きな女性たちには嬉しいサプライズ!

今回、私たちにジャム作りを教えてくださったのは、スタッフの三浦縁さん(写真左・中央)です。三浦さんから教わった作り方は、砂糖の量が一般的なジャムの10分の1程度しか使用しません。でも、甘味は引けを取らず、しっかりしていました。摘み取りしたての完熟した実は、やっぱり美味しいはずですよね!体に優しい甘~いジャムが出来上がって、それぞれお土産に持ちました。
   
夕食交流会
少しの間、各自の部屋で休憩をとった後、再び野外に集まり、夕食交流会が始まりました。劇団わらび座の役者さんたちによる豊年太鼓等の演奏にみんなが聴き惚れ、手拍子を打って更に盛り上げます。豊年太鼓は雨乞い太鼓。この後、驚いたことに冷たい雨がパラパラと私たちを打ちました。


陽が傾き始める時間と共に、バーベキューもスタート!協議会の皆さんが準備した牛肉は、前回ツアーでも大好評だったという県産の上等なお肉。ご飯、野菜も地場産ということもあり、小さな小学生のお客さんからも「野菜おいしい!」という感想が出ました(^^)
初対面だったことを忘れ、辺りが真っ暗になるまで、どのテーブルでも話し声が途絶えることはありませんでした。体験交流はもちろんですが、からだが喜ぶ食材をたっぷり使った料理は、その場の雰囲気まで和やかにしてくれます。

 
2日目
野菜収穫とお茶っこタイム

2日目のお楽しみは、協議会会員さん(5軒)のご自宅にお邪魔して、夏野菜の収穫体験から。私は畜産農家でもある高橋久昭さんのお宅にお世話になりました。
太陽の恵みをいっぱいに浴びた野菜たちを見つけると、皆さんから「あった!あった!」と声が湧き、「ここにもあるよ、持ってって」と久昭さん。今年の夏は、雨が少なくてその生育にも影響が出ているそう。私たち参加者にとっては、農家さんの気持ちに寄り添うことができる貴重な経験にもなります。
   
エコニコ農園摘み取り

モニターツアー最後の目的地は、エコニコ農園たざわこ芸術村)。こちらの農園では、ブルーベリーを植樹してから9年目を迎えたそうです。ブルーベリーは大粒で、甘酸っぱい美味しさがギュッと詰まっています。火石信子園長(写真右・左側)が説明をして下さり、早速私たちは約80アールという広い面積に栽培されたブルーベリーに手を伸ばしました。

 

試食を繰り返し、自分好みのブルーベリーをお土産用に摘み取りました。
「甘い!」という声がすると、「どれどれ」と品定めする足が自然と集まり、人だかりが。
「私はやっぱりこっちが好きだな」「お母さんにお土産に持っていく」などあちらこちらで
最後の摘み取りを楽しむ会話が飛び交いました。
   
お別れ交流会

旬を感じるツアー最後の行程は、新鮮野菜たっぷりの料理を囲んだお別れ交流会(田沢湖ビールレストラン)。メニューの中には、ブルーベリーをのせたデザート感覚のピザも登場しました。

緑が目に優しい景色に包まれ、和やかな時間がゆっくりと進んでいきます。
しかし、刻一刻と迫る別れの時間が頭をよぎり、淋しさも否定できません。
一人ひとりが、この2日間を振り返り、感想を発表し合いました。

参加者の皆さんからは、
地域の方が気軽に話しかけてくれて、仲良く出来たのが良かった。
実家に帰って来たような心安らぐ2日間でした。地域の皆さんありがとう!
おいしい漬物を食べさせて頂き、農家の奥さんに漬け方を教わりました。ありがとう。
ブルーベリーを1年分食べた感じ!おいしかった。
真心のこもった2日間に感謝!また摘みに来たい。
など喜びの感想が届けられました。


また、

世界中に太田町のブルーベリーを広げたい!
ブルーベリーについてもっと勉強しますのでまた来てください。

来年はもっと立派な農園にしたい。皆さんの実家だと思って太田に来てください。
食と農はひとりひとりで守っていくものです。長いお付き合いを願います。
次の高い目標を掲げ、再会を願う協議会・事務局の皆さんの感想も印象的でした。

 
 

2日間を共に過ごした仙台のお客様達がバスに乗り込み、そのバスが少しずつ動き出すと、私たちは大きく手を振って送りだしました。

 

あらゆる時間を振り返っても大満足のツアー。でも、このときばかりは心にぽっかり穴が空いてしまったような、そんな気持ちに…。

 



笑顔で手を振り返すお客さんたちを見ると、同じ充実した時間を過ごせたことを実感しました。そして、それが間違いなく協議会の皆さんの喜びであり、今後の活動へのエネルギーになったことでしょう。

「来年のブルーベリー全国大会には必ず出よう!」

バスを見送った後の会話はこの話題で持ちきり。それは、協議会活動の発展に繋がるだけでなく、このとき出会い、温かい交流を育んだお客様の喜びにも繋がるはずだから。

 


仙台からお越しの皆さん、そして秋田県内からお越しの皆さん。
もう一度、大仙市太田町で会いましょうね!
パワーアップしていく協議会の皆さんが、いつでも待っていてくれることでしょう。

 

県南担当 けこさん

 
みずほの里いきいきネット協議会では、「平成23年度 あきた農山村 旬を感じるツアー」第2弾を10月下旬に予定しています。