農家レストラン・地張庵の奮闘記!
~地域内外の交流を通して~
農家レストラン「地張庵」の山内みどりさんと、とうふ作り参加者。 |
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作ろう、雄和産大豆で手作り豆腐! |
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珍しく青空が広がった2月23日(水)、JA新あきた雄和支店にて「秋田市グリーン・ツーリズムモデルプラン(主催:太平山観光開発株式会社)」の第2弾!(第1弾は、「重松の家流、米粉de料理術~農家民宿「重松の家」の米粉料理教室~」でご紹介しました!)農家レストラン「地張庵」の代表・山内みどりさんが講師となり、雄和産大豆を使用した豆腐づくりにチャレンジしました! |
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太平山観光開発(株)のGT担当より説明。 |
大豆をミキサーにかけます。楽しそう♪ |
つぶした大豆を鍋にかける手順などを、見本を見せながら丁寧に説明するみどりさん。 |
桶にこし袋をかけ、鍋の中身をゆっくりと流し入れます。 |
木べらで押しながら、豆乳を搾り出します。 |
おからを布から外します。後でおみやげに。 |
液体の「水にがり」は難しい(固く出来やすい)ため、結晶板の瀬戸内海産の本にがりを使用。 |
ぬるま湯でとかしたにがりを、3度に分けて投入し、ゆっくりかき混ぜます。 |
残った豆乳の上澄みも栄養豊富。勿体ない! 美容と健康に、ちょっと味見♪(写真上)
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豆乳がどろどろと固まりかけてきた頃、豆腐の型に入れ…(写真上)。 ギッチリ押し固めます(写真左)。 きつく押せば押すほど、固く弾力のあるとうふになりますが、そのぶんカサ(目方)が減ります。 |
「地元の小学校3年生にも教えている作り方だから、皆さんは大丈夫でしょう!」とみどりさんが言うと、「余裕でしょ?」と爆笑。 |
完成した手作りとうふを前に、「綺麗!」と歓声。「青大豆で作ると、淡い緑色になりますよ」 少しの間、水に放しておき、その後切り分けます。 |
地張庵にて、参加者同士の交流を兼ねた昼食。 |
とうふをふんだんに使用した地張庵のランチ。 |
香り高いコーヒーと豆乳入りのソフトクリームも、楽しみのひとつ。 通常のランチセットには、どちらかひとつが付きます。それぞれ単品でも注文ができます。 |
「秋田市内にも、農家さんが頑張っている良い場所がたくさんあるので、もっと広く知ってもらえたら」と、太平山観光開発(株)GT担当の高橋さん。 |
レストランに隣接した加工所「華ちゃん工房」を見学。地域のお客さんに1件1件配達するなど地道な努力をし、地元の小学校の給食に使用されるほど、信頼されています。最近では加工所に直接買い求めに来るお客さんが増えてきています。 |
「華の豆会」のスタッフ。秋田県内のグリーン・ツーリズム実践者の“想い”にスポットをあてた冊子、「moi」創刊号内「美味なる豆ふは、仲間たちの支えから。」でも、ご紹介させていただきました! 「華の豆」ファンは着々と増えてきています♪ |
「昔は、どこの集落でも2~3件は豆腐屋があったでしょう。杉の葉でくるみ、箱を背負って売ってたり。そんな、小さい頃に食べたとうふの味を思い出してもらえたら」と、みどりさん。 |
また、みどりさんはとうふだけではない大豆の可能性を求め、一年に一度ずつ新しい商品開発に挑戦しています。今年は「豆腐の燻製」。えっ、燻製…?! 幸いなことに、この場に居た参加者らは、その試作品を味見させていただく機会に恵まれました。
「何度も試作する中で、とうふの味噌漬けが更に良い味出すって気付いたの」と、みどりさん。 チャレンジャーだなぁ、と、感心してしまったよどぎみも、さっそく一口。 初めて食べる燻した豆腐は、スモークチーズみたいに香ばしく、ごはんにも、ワインなど洋風のメニューにも合いそうな味でした。 いずれランチで登場する予定だそうなので、お楽しみに! |
この晴天に、この笑顔。グリーン・ツーリズムの体験をとおして、またひとつの出逢いが生まれました。 |
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外国の研修生に、秋田の良さを―持続的農村開発 | |
農業に関する知識や技術の各種研修や、農業者同士の交流や研修生受け入れの機会を提供している、 秋田県農業研修センター(大潟村)が斡旋する外国人集団農業研修生が、「持続的農村開発」の現地視察の一環で、このほど農家レストラン「地張庵」にいらっしゃいました。 7名の研修生は、タイ・ラオス・バングラデシュ・ケニア・ナイジェリア・ガーナとそれぞれの国の(日本で言うところの『農水省』)普及員で、2月~12月上旬まで来日し筑波の大学院に留学、自国の農村の活性化を得るための事例を学んでいるそうです。 「午前中は大潟村の『産直センター潟の店』を視察し、生産者の顔が見える栽培履歴システムなどに触発されたようでした」と、秋田県農業研修センターの松橋秀男さん。 |
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熱心にメモを取る、外国人研修生。 |
それぞれの国のケースでの質問が飛び交います。 |
農家レストラン「地張庵」で食事をいただく研修員の皆さん。 中には宗教上、豚肉が食べられない方もいたのですが、とうふと鶏肉のつみれは「トーフハンバーグ♪ゼヒ自国デモ作ッテ食ベタイ」と、喜んでいらっしゃいました。 卵がない時、キャッサバを豆乳に混ぜてスープとして食べることはあるそうですが、ここまでとうふを使用した様々なメニューを見るのは初めてということで、とても驚いていました。 |
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研修生の皆さんと、秋田県農業研修センター所長・松橋秀男さん、JICA(独立行政法人国際協力機構)筑波の中田幸美さん、JICE(財団法人日本国際協力センター)筑波の佐久間尚子さん。 |
「今度は仕事抜きで、ゆっくり秋田に遊びに来てくださいね!」 バスが見えなくなるまで、ずっと手を振り続けていたみどりさんでした。 |
「雄和の皆に、安心・安全な地元・雄和産の大豆を食べてもらいたい」という思いから、消泡剤を一切使用せず、味と香りのしっかりとしたとうふを作り続けてきたみどりさんと、「華の豆会」スタッフ。 秋田市方面からの集客につながっただけでなく、その評判はいつしか秋田県内外に広まり、国際的な活動の一端を担うようになりました。 「何も特別な宣伝をしているわけじゃないけど」と、みどりさんは言いますが、何も言わずとも、来てみて、食べてみれば解ります。「雄和の心」がギュッと詰まった「華ちゃん工房」のとうふは素朴で、誰にでも優しい味です。 でもそれ以上に、農家のお母さんの笑顔は何よりのごちそう。心からくつろいで食事をいただいた場所だからこそ、「また来よう」という気持ちになるのかもしれません。 そこに来た人々が、安心・安全・栄養バランスの良い、心のこもった優しい食事をとることにより、農家の「想い」を感じ、それぞれの立場で考えることにつながっていけたらと思います。
県央地区現地特派員 よどぎみ |