23日、「そばの郷仙北市・そば食べくらべの会(タベクラーベ)」が、仙北市角館町の
そばきり長助で開催されました。
これは、仙北市のそば生産者・団体・農家レストラン等で結成した仙北市遊々楽々3トピア会議が
主催した企画で、仙北市産の6種類のそばを地酒と共に品種毎に味わってもらうイベントです。
一足先に会場を訪れると着々と準備が整いつつありました。
本協議会会員もメンバーである、遊々楽々3トピア会議の皆さん。
後列)そば処すが家、農家のそば屋一助、さくらぎ
前列)そばきり長助、野の花庵
どの品種も同じ条件で提供されるよう、すべて配合は二八、茹でる職人はそばきり長助の鈴木さんが
担当しました。ただし、手打ちについては各店舗で分担。先入観を取り除くため、どの職人が何の
品種を担当したのかは後半に発表されました。
各店舗自慢の逸品料理が並べられ、更に樺細工の器が気品高い、贅沢な一皿。
今回の企画に協賛した鈴木酒造店が提供した、地酒各種。
席についた参加者の皆さんからは、「5,000円払ってもいい!」という声も聞こえてきました。
また、酒と酒肴を言う「そば前」について、「そば前を重要と私は思っているので、酒がうまい
秋田でこれだけの肴が揃うなら、秋田はもっとそば屋が良い場所になる」という感想も。
特別ゲストに招かれた、ミュージシャンで「蕎麦こい日記」著者である高遠彩子さんからは、
「秋田の人が好き、言葉が好き、食べ物は美味しいものばかり。秋田が大好きです。
そば前があまりにも美しい。一つずつが考えられていて、皆さん、絶対に外さない逸品を持ってきていますね。
以前、東京で仙北市産のそばを食べたときに、食べたことのない野性味がある個性に、私も他のそば通の方も
みんな驚きました。今回はそういう蕎麦に出会えるかと思いましたが、あの時とはまた違い、すべてに品が
ありました。
苦言ではありませんが、食べ比べの会で二八にすると80パーセントの中で違いを見つけなければならない。
かといって、十割より二八の方が蕎麦の香りを感じるときもあります。
どちらが正しいということはありませんが、東京で食べたときと違う味がしました」。
県内外からお越しになったお客様も、各品種に対して歯ごたえ、香り、つゆとの相性などに
ついて感想をお話しくださり、そば談義に花が咲きました。
厨房では、ひっきりなしにそばが茹でられ、休む暇もありません。
「俺ら父さんたちはすごいべ?本当だったらライバルなんだど」と、すが家さん。(写真右・手前)
冗談ぽく笑いますが、本当にその通りで、同じ仙北市内のそば屋さんが集まって、こうして
ひとつの会を催す様子は、不思議にも見えてきます。
しかし、ライバルのはずの他店の厨房に立ち、丁寧に、夢中になってそばを提供する理由は、
同じ目的がある仲間だからでしょう。
最後に3トピア会議からご挨拶。
「私たちから皆さんにお願いがあります。会費も何もいりません。ただ、仙北市の応援団になってください」
大きな拍手で、そば食べくらべの会は大盛況の内に幕が閉じられました。
「一人で出来なければ二人でやればいい。それでも出来なければ三人、四人で力を合わせれば、
出来ることが増えるし、グレードが高くなる」。
力を合わせて地域を盛り上げ、自分たち個々の力も伸ばしていく。
そのスタンスとそれに伴う行動力が形となった今回の企画。農家の父さんたちのカッコ良さにしびれました。
協議会事務局
2013年3月26日17:00 | 県南情報 | Trackbacks (0)